音楽ナタリー Power Push - 青田典子

ベッド・インが“神様”と初対面! バブル時代の熱狂から夫婦関係まで突撃インタビュー

きっかけは若い頃に書き溜めたノート

青田 ベッド・インさんのファンの人って、やっぱり主に男性ですか?

中尊寺まい

まい 実は女性が多いんです! しかも最近はガラスの10代とか20代のナウでヤングな女の子が。

青田 ええ! すごい! その世代の子が理解してくれてるんだ。

かおり 今って、いろいろと規制が厳しかったり、何かと人の目を気にしちゃう風潮があると思うんです。そんな中、ウチらは何も我慢せずに開けっぴろげだからか「観ててスッキリする」とか「悩みがどうでもよくなった」と言ってもらうことが多いですね(笑)。

まい あと、普段はおとなしいタイプだけど、ベッド・インのライブではボディコンを着て赤いルージュを塗って、ジュリ扇を振ってブイブイ言わせちゃう♡ みたいな子も来てくれるんですよ!

青田 そうなんだー! ジュリ扇を振ってくれてる10代がいるってことがもう感動ー! そういう話を聞いてると、新しく作った「blue's」ってアルバムも、「もうちょっとバブル寄りのほうがよかったのかな?」って気がしてきちゃうな(笑)。

まい そんなお嬢だんを! とんでもないです!(笑)

かおり 私はバブリーなオイニーを感じました!

まい ビートもトレンディだし、ワードもすごくアーバンで!

益子寺かおり

かおり 「ヒール」とか「ルージュ」とか「ダイヤモンドのネックレス」とか♪ 1枚を通して、青田さんのような素敵な大人の女性だからこそ書ける説得力のあるラブソングが詰まっていて、うっとりしちゃいました……♡

まい 憧れの世界観が広がっていくような……やまだかつてないオトナな1枚だな、と思いました。

かおり 今回って、玉置さんと一緒に全曲作られたんですよね?

青田 そう。玉置が曲を書いて、私が詞を書いて、全体のプロデュースは2人でやって、みたいな感じです。

まい 私、実は安全地帯も昔から大ファンでして……!

かおり 私もです……! なので、そんなスキスキスーなお二人の、愛の結晶を聴かせていただけて、この上ない幸せです♡

まい 私たち、友達のバンドが「じれったい」をカバーしてる後ろで、AMAZONSさんの役でダンスとかコーラスもしたこともあるんですヨ♡

かおり このアルバムは、青田さんが過去に書かれた歌詞のノートを見つけて、玉置さんがその場で曲を作られたことが始まりなんですよね。

青田典子

青田 そうなんです、ノートに書かれてた歌詞を見て。昔は決めごとが多い時代で、誰かに曲や詞を書いていただいて私たちはそれを歌うだけだったの。自分の創造性を自由に生かせる場がなかったから、自分の中のバランスをとるためにずっと歌詞を書き溜めてたのね。それから玉置と結婚して、彼の「自分から生まれてくるものをありのまま信じる」っていう言葉に感銘を受けて、「もしかしてあのとき自分が書いた歌詞もありのまま表現していいの?」って思って、引っ越しのときに出てきたノートを彼に見せたら「いいね!」って言ってくれたのが始まり。3年くらい前から、そうやってどんどん曲を作っていきました。

かおり 制作に3年もかかってるんですか……! ということは、マンをジしての発表なんですね!

青田 なんせ主婦ですから、彼のケアとか日々のごはん作りをしながらの制作なので。キッチンでの生活の中でできた音楽、って感じなんです。

かおり その“キッチン感”、随所から感じ取っちゃいました♡ 特に「シルバー」はリアルな目線で日常生活の出来事を描かれていますよね。

青田 そう! わかってくれた? ちょっとOLになった気持ちで書きました。

かおり モーレツに共感しちゃいました~! この曲だけじゃなくて、ほかの曲の歌詞も全曲通してすごく等身大で、飾らず自然体というか……。だからこそ、言葉1つひとつがすっと心に入ってきました。

まい どれもカッコつけていない、嘘のない歌詞ですよね。何事にも真摯に向き合ってこられた方にしか書けない歌詞だと思いました。

青田 わー! すごい! よき理解者だ。わかってもらえてホントに、涙ちょちょ切れちゃうー!

まい きゃーの! そう言っていただけて光栄です……! 「My Star」での玉置さんの、青田さんの声に溶け込むようなコーラスも本当に素敵でした……♡

かおり お二人の愛をびんびん物語に感じちゃいました♡ 旦那サマのことを「スター」って呼べるなんて、そういう素敵な夫婦関係って、今の世の中なかなかないと思うんです!

青田 玉置浩二は私にとって夫であり家族なんだけど、芸能界や音楽に関しては師匠なんですよ。だから曲を作るときはホントに大変でした。厳しいんだけど、「背中で学べ」って感じで何も教えてくれなくて。

まい 昭和の男ですね……!

青田 「3時間以内に書き直して!」とか、「今ノリがいいところだから、ノッてるうちに書き上げて!」とか言われて。でもその真剣勝負の時間が最高でした。

それもわかってくれたんだ!?

かおり ちなみに「アオイ☆トキ」の歌詞はいつ頃書いたものなんですか?

青田 32歳くらいかな? すっごい苦しい時期で、愛をまったく信じられなくなっちゃったときに書いた詞なの。

左から青田典子、益子寺かおり、中尊寺まい。

かおり そうだったんですね。少女の頃を回想するようなメランコリックな歌詞だなと思ったんで、どんな心境で書かれたのかなってすごく気になってたんです。「ランナー」の歌詞を書かれたのも、けっこう前だったりしますか?

青田 うん、「ランナー」の歌詞は20代後半ぐらいに書きました。わかるんだ!?

かおり 勝手に妄想をモッコシモコモコ膨らませて、深読みしちゃいました~/// でも「ランナー」は、当時のままの歌詞じゃなくて、書き換えてる部分もあるのかな……とも、聴きながら想像してみたり。

青田 そう。「ランナー」は最後に「1人じゃない」って歌うんだけど、その言葉はもともと入れてなくて。でも時間が経った今、「大丈夫、希望を持って」って気持ちを伝えたくなったのでこのフレーズを加えたの。それもわかってくれたんだね! ホントにうれしい!

かおり そこの歌詞がすごくグッときたんです! すべてを包み込んでくれるような、青田さんの優しい歌声も相まって、まっすぐなメッセージとして心に響きました。アルバムを通して、歌詞も歌の表現力も、我々のようなペーペーではとても表現できない大人の魅力を感じます!

青田典子 ニューアルバム「blue's」 / 2016年10月26日発売 / [CD+DVD] 3456円 / SALTMODERATE / XQMU-1003
青田典子 ニューアルバム「blue's」
収録曲
  1. パドブレてRUNWAY
  2. アオイ☆トキ
  3. blue's
  4. My Star
  5. ランナー
  6. スライドショー
  7. 君の花が咲く丘
  8. シルバー
  9. すべてはあなたと

青田典子25th Anniversary Premium Live ~blue's~

2016年12月3日(土)東京都 JZ Brat
OPEN 18:00 / START 19:00
前売6000円 / 当日6500円(1ドリンク込み)

ベッド・イン Presents「バブルオンde夜霧のねるとんNIGHT~彼女がバブルに着替えたら~」

2016年10月30日(日)東京都 WWW X
<出演者>
ベッド・イン with パートタイムラバーズ / かせきさいだぁ&ハグトーンズ / ONIGAWARA / アカシック
DJ:SEX山口

ベッド・イン「祝!“RICH”発射記念ツアー ~そこのけ そこのけ バブルが通る~」

2016年11月3日(木・祝)北海道 COLONY
<出演者> ベッド・イン / Drop's
2016年11月5日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
<出演者> ベッド・イン / ザ・ハーレム
2016年11月12日(土)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
<出演者> ベッド・イン / ペロペロしてやりたいわズ。
2016年11月13日(日)福岡県 DRUM SON
<出演者> ベッド・イン / XYZ hangover
2016年11月19日(土)愛知県 RAD HALL
<出演者> ベッド・イン
2016年11月20日(日)大阪府 FANJ twice
<出演者> ベッド・イン
2016年12月4日(日)宮城県 HooK SENDAI
<出演者> ベッド・イン / sweet little devil
2016年12月18日(日)東京都 赤坂BLITZ
<出演者> ベッド・イン
青田典子(アオタノリコ)
青田典子

1967年10月7日生まれ。1990年に開催された「第1回 日本美人大賞」で準グランプリを獲得し、同コンテストの入賞者と共に結成したC.C.ガールズで1991年6月に歌手デビューした。C.C.ガールズは1991年に日本テレビ音楽祭新人賞、1993年にゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞。その後に多く登場した“セクシーアイドルグループ”の先駆け的存在となった。1998年にC.C.ガールズを卒業してからは、女優・タレントとしてソロ活動をスタート。2000年代中盤にテレビ朝日系「ロンドンハーツ」にて「バブル青田」と呼ばれて人気を呼び、同名義で小室哲哉作曲のシングル「ジーザス」をリリースした。2010年に玉置浩二との結婚を機に芸能活動を休業し、2012年に活動再開。2016年10月にはデビュー25周年を記念したソロアルバム「blue's」を発表した。

ベッド・イン
ベッド・イン

お互い別のバンドで活動していた中尊寺まい(ex. 例のK)と益子寺かおり(妖精達)により、2012年に結成された“地下セクシーアイドルユニット”。日本に再びバブルの嵐を起こすべく、1980年代末~90年代初頭へのリスペクト精神を持って完全セルフプロデュースで活動している。2013年6月に自主制作のグラビア写真集「Bed In」を発表し、2014年3月に8cm短冊シングル「ワケあり DANCE たてついて / POISON~プワゾン~」、2015年6月に2ndシングル「♂×♀×ポーカーゲーム / 消えちゃうパープルバタフライ」をリリース。同年8月には主演映画「101回目のベッド・イン」も公開される。バンド歴の長い2人による“ロック姐ちゃん”的ライブパフォーマンスとおやじギャル的な発言から、幅広いフィールドで話題に。2016年7月にキングレコードからメジャーデビューアルバム「RICH」をリリースした。