いろんな人になりきって歌った
──「Stay With Me!!」では低いトーンのボーカルを披露されていて。蒼井さんにはハイトーンのイメージがあったのですごく新鮮でした。
低いキーで始まるAメロがまさに新たな挑戦でしたね。低音だと言葉が聴き取りづらくなってしまうところもあるので、言葉がこもらないように“たちつてと”の発音はかなり気を使いました。外国の方が日本語を話すかのように、ちょっと強めの発音を心がけるようにして。だからパッと聴くと「あれ、違う人が歌ってるのかな?」みたいな聴こえ方をするかも(笑)。ファンの方がこの低い声を受け入れてくれるか心配なんですけど。
──いや、全然大丈夫だと思いますよ。
そうだといいなあ。声のレンジがそんなに広いほうではないので、これからは低いほうも鍛えていかなきゃなって思いますね。レコーディングではちゃんと歌えたとしても、ライブだとパフォーマンスしながらの歌になるわけですから。そこでちゃんと歌えなきゃ僕の思いが伝わらないことになっちゃうので。がんばろう!
──それと対照的に、かわいい雰囲気のボーカルが魅力になっているのが「Hungry Night」だと思います。これはライブでも楽しく盛り上がりそうですね。
かわいい曲ですよね。僕がTOKYO FMでやっているラジオ番組と同タイトルなんですけど、そこでファンの方が感じてくれているドキドキやワクワクをそのまま曲にしてもらった感じで。ボーカルに関してもかわいい雰囲気をイメージしましたけど、どちらかと言うとこれが僕の等身大でナチュラルな歌声なのかも。カッコいいタイプの曲に関しては僕なりに演じていると言うか、色を付けて歌っている意識も強いので。
──いろんな声が重なっているコーラスパートもありますが、あそこは……。
全部僕が歌ってます。合計6、7人分くらい声を重ねてるんですけど、それぞれいろんな人になりきって歌ったんですよ。Dメロに出てくる「Oh Yes!」のところには外国の子供がいますねー(笑)。
──それも蒼井さんが?
そうです。海外のコメディドラマに出てくるようなちっちゃい子をイメージして「Oh Yes!」って言いました。僕、あそこがツボなんですよ。自分で言ってるのに、何度聴いてもニヤニヤしちゃう(笑)。この曲にはサビで「しょうたん」って掛け声が入るところもあるので、ライブではぜひ皆さんに言っていただきたいですね。
悩むことを肯定したかった
──そして蒼井さんが作詞作曲を手がけた「Powder snow」という楽曲も収録されています。
はい。タイトルからすると冬の曲に思えるんですけど、実はそうではなくて。普段、自分の中にある悩みの感情を何かに例えたいなと思ったときに、行方も知れず風に吹かれている粉雪がパッと浮かんだんですよね。手のひらに乗せるとすぐ消えて、雫になってしまうはかなさが、どこかやり場のない悩みに近いような気がして。そんなイメージで書き始めていきました。いつもの僕だったらみんなの背中を押したい、応援してあげたいという思いから何かしら答えを導き出す書き方をしていたと思うんですけど、今回は最後まで悩んでしかいない書き方をしたのがちょっと挑戦だったかなと思います。人間は誰しも悩みを抱えているものだし、答えが出ないときだってそりゃあるさっていうことで。
──でもビートはすごく力強いし、前を向いて歩いて行こうとしている感情も伝わってきますよね。決してネガティブな曲にはなっていない。
そうですね。要は悩むことを肯定してあげたかったんだと思います。笑っている未来を信じていれば、今は悩んでいても大丈夫だからねって。僕自身がそういう未来の自分を思い描くことで、「悩んでいる時間も無駄じゃないんだな」と思うタイプなので。で、そういったテーマをバラードでしんみり聴かせるのではなく、ビートを強めにすることでちゃんと未来が近付いていることを表現したこともこだわりで。全体的なイメージが明確にあったので、それを具現化してもらえるであろうats-さんにアレンジをお願いしたんですよね。90年代のJ-POPっぽいサウンド感になっているので懐かしく感じてもらえる世代もいるでしょうし、若い子たちには新鮮な気持ちで聴いてもらえるんじゃないかな。
──ご自身で手がけた楽曲だからか、より感情がこもった歌声になっていますよね。
歌に関しては、自分で作った曲のほうが難しいんですけどね。提供していただいた曲だと、ある程度ボーカルの方向性も導いてもらえるところがあるんだけど、自作曲だと表現の仕方が無限にある気がしちゃって。すごく迷っちゃう。今回もそういう部分はありました。でも悩みながらもちゃんと前に一歩を踏み出してほしいっていう思いを、声でもちゃんと表現することができたような気はしてます。早くみんなにも聴いてほしいな。
──本作のリリース直後には、ご自身にとって最大規模となるツアー「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. 0」もスタート。楽しみですね。
はい。今年2月の代々木第一体育館でのライブはショーとして見せる部分が多かったんですよ。だから今回は、今まで以上に僕の歌を届けることを重視した内容にしたいなと思ってはいます。とは言え、いろんな衣装や演出で楽しんでもらうことも蒼井翔太のライブの魅力だとも思うので、もちろん目にも楽しいことは盛り込んでいきたいと思います! みんなに対する気持ちは変わらないまま、さらに進化、レベルアップしたライブをお見せしますので楽しみにしていてください。早くみんなの顔が見たい!
- 蒼井翔太「Ø」
- 2017年10月11日発売 / KING RECORDS
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初回限定盤 [CD+Blu-ray]
3996円 / KIZC-417~8 -
初回限定盤 [CD+DVD]
3996円 / KIZC-419~20 -
通常盤 [CD]
3240円 / KICS-3533
- CD収録曲
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- 零
- 奏世
- INVERTED
- DDD
- イノセント
- Stay With Me!!
- flower
- Powder snow
- Always Be Together
- Hungry Night
- ココに
- SMILE SMILE SMILE
- 初回限定盤Blu-ray / DVD収録内容
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- イノセント MUSIC VIDEO
- DDD MUSIC VIDEO
- flower MUSIC VIDEO
- 零 MUSIC VIDEO
- Making of 0
- 蒼井翔太「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. 0」
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- 2017年10月21日(土)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
- 2017年11月5日(日)愛知県 刈谷市総合文化センター 大ホール
- 2017年11月12日(日)福井県 フェニックス・プラザ 大ホール
- 2017年11月25日(土)東京都 両国国技館
- 2017年11月26日(日)東京都 両国国技館
- 蒼井翔太(アオイショウタ)
- 2011年に声優デビュー。「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの美風藍役で注目を集め、2016年1月にはTVアニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」にて地上波アニメ初の主題歌と主人公役を演じた。2016年3月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催。同年10月に武道館公演の模様を収めたライブBlu-ray / DVD「蒼井翔太 LIVE 2016 WONDER lab. ~僕たちのsign~」と、シングル「DDD」を同時リリースした。2017年1月にはニューシングル「flower」を発表。10月に2ndアルバム「0」をリリースし、地元の福井公演を含む全国ツアー「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. 0」をスタートさせる。