ナタリー PowerPush - 藍井エイル
期待の実力派女性ボーカルが語る 新アルバムとライブとゲーム
藍井エイルのルーツはバラエティ豊か
──個々の曲については今お聞きしたように作っていったわけですけど、アルバム全体をどう見せるかということは意識しましたか? 何かコンセプトはあったんでしょうか?
いや、まずはいろんな表情を入れたいなって思っていました。曲順は前向きな感じから少し悩んだり葛藤したりして、でも柔らかい気持ちになることができて、最後にまた先を目指していくような形になっていますね。だから前に向かっていく力強さが軸にありつつ、その中でいろんな表現が見えるようになっています。辛かったり悲しかったりで、どんな景色を見ても白黒にしか見えないようなときってみんなあると思うんです。前を向くことができなくなったときに「BLAU」を聴いて、少しでも気持ちが楽になったらと思うんですよね。紆余曲折ありながらも前に進んでいくことを歌っているので。逆に、今すごく前向きだぜっていう人も、このアルバムを聴けばさらに元気になれるだろうと思いますね。1stアルバムなので、これを聴いたときに「あ、藍井エイルってこういう人なんだね」って感じていただければうれしいです。
──なるほど。ちなみに、藍井さんが元々好きで聴いていた音楽は、自分の曲と近い部分があるでしょうか?
最近はわりと前向きな楽曲を聴くことが多いですね。UVERworldさんみたいに「前進するぞ」って引っ張っていく感じにカッコいいなって憧れを抱いていますね。だけど過去にはCoccoさんとか、本当に泣いちゃうぐらい悲しい曲を聴いて救われた経験もあるんですよ。だから今回のアルバムも悲しい曲や暗い曲があるんですけど、そこから前向きになっていくような作品になればいいなと思います。
──ほかにはどんな音楽を聴かれていたんですか?
そうですね……。Do As Infinityさんも本当によく聴きました。あとはAcid Black Cherryさんとか、アヴリル・ラヴィーンとか、SLIPKNOTとかEVANESCENCEとか(笑)。あとはリアーナとか、なんかもうバラバラなんですけど。
──本当にいろいろですね。リスナーとしてもシンガーとしても、バラエティの豊かさを意識しているのかもしれませんね。アルバムも初回限定盤だと15曲も入っていて聴き応えがありますし。
そうですね。しかも、いろんなものがたくさん付いてくるんですよ(笑)。フォトブックも付いてくるし、ビデオクリップも入ってるので。
さまざまな雰囲気が楽しめるビデオクリップ
──今回のアルバムには「リスアニ!」の付録CDに収録されていた「アヴァロン・ブルー」のビデオクリップも入っていますよね。これはメジャーでは初の音源化ということになります。
自分がすごく好きな曲なので、ビデオクリップとして、改めて世の中に出せるのは本当にうれしいです。思い入れもありますし、ようやく形にできて本当に良かったです。本当にパンチのある曲で、最初に聴いたときはすごい衝撃を受けたんですよ。トップがめちゃめちゃ高くて、確かハイGなんですよ。出せるかなあと当時は不安になりながらレコーディングした記憶があります。
──他の曲も含めて、ビデオクリップはどういうイメージで作ったんでしょうか?
「アヴァロン・ブルー」はちょっと憂いがありつつも強く前に進んでいく曲なので、風を強く受けながら夜の街を駆け抜けるようにして歌っていますね。月をバックにしたりとか。フルCGなんですけれど本当に楽曲に合った映像になりましたね。「MEMORIA」のほうは、シングルが出た当時ってまだ顔を隠していた頃なので、今回「after days ver.」ということで顔を見せている状態で撮り直したんです(笑)。
──改めて顔がわかるバージョンが世に出るのはどう感じますか?
恥ずかしいです(笑)。でも「MEMORIA」は「アヴァロン・ブルー」とは対照的に、優しくふんわりした感じのビデオクリップになっているので、そういう違いも楽しめるんじゃないかなって思います。
ライブはめちゃめちゃ大好き
──顔も出しましたし、アルバムも出ましたし、今後はまずライブをやっていく感じでしょうか?
そうですね。まずアルバムを引っさげて東京・大阪・札幌の3カ所でやることが決まっているんですけど、今後もっともっといろんな場所を回ることができたらいいなと思っています。ライブはめちゃめちゃ大好きなので。この年末も大阪RUIDOでワンマンがあって、22日に福井のイベントで歌わせていただいて、25日にLIQUIDROOM ebisuでワンマンなんですよ(取材は12月下旬に実施)。もう、最高ですね。この感じ(笑)。
──今後、大きな会場でライブをやったり、自分も楽器を弾いてみたいとは思いますか?
今はやっぱり歌うことに専念したいなと思いますね。私は1つのことにしか集中できないタイプなんですよ。だからバンドをやってたときもギターだけ、ボーカルだけという感じでした。大きい会場にしろ、いろんな各地域を回るにしろ、自分の努力次第だと思うので、挑戦していけたらいいですね。
- ニューアルバム「BLAU」 / 2013年1月30日発売 SME Records
- 「BLAU」初回限定盤A[CD+Blu-ray] 3900円 / SECL-1263~1264
- 「BLAU」初回限定盤B[CD+DVD] 3600円 / SECL-1265~1266
- 通常盤[CD] 3000円 / SECL-1267
CD収録曲
- overture
- AURORA
- INNOCENCE
- サテライト
- 閃光前夜
- HIGH & HIGH
- アヴァロン・ブルー
- frozen eyez
- 夢の終わり
- Lament
- フェイスレス
- Reunion
- 空を歩く
- MEMORIA
- GLORIA
初回限定盤付属Blu-ray / DVD
- アヴァロン・ブルー(Music Video)
- MEMORIA -after days ver.-(Music Video)
- AURORA(Music Video)
- INNOCENCE(Music Video)
- リスアニ!TV(藍井エイル特集 / 札幌ロケ・前編)
- リスアニ!TV(藍井エイル特集 / 札幌ロケ・後編)
初回限定盤(A・B)はスペシャルスリーブ仕様&48ページフォトブック付き
藍井エイル(あおいえいる)
北海道札幌市出身の女性シンガーソングライター。幼少の頃より音楽に親しみ、高校在学中はバンドのボーカルとして活動していた。動画サイトへの投稿をきっかけに大きな注目を集め、2011年4月にアニソン雑誌「リスアニ!」の付録CDにオリジナル曲「frozen eyez」が収録される。同年10月、テレビアニメ「Fate/Zero」のエンディングテーマに起用されたシングル「MEMORIA」でメジャーデビュー。この作品はオリコンウイークリーチャートで初登場8位を獲得した。2012年9月には「AURORA」、11月には「INNOCENCE」と、人気アニメのテーマ曲となったシングルを次々とリリース。それと並行して2012年8月のイベント「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」では3万人の観衆の前で歌声を披露し、9月には初のワンマンライブを開催するなど、ライブ活動も精力的に行っている。2013年1月、初のオリジナルフルアルバム「BLAU」をリリースする。