Annaがニューシングル「初恋のワルツ」を12月5日にリリースした。
14歳から独学でアコースティックギターを始め、2017年5月にデビューした18歳のシンガーソングライター・Anna。ニューシングル「初恋のワルツ」は彼女が小学生の頃から敬愛するアンジェラ・アキが書き下ろしたナンバーで、舘ひろしと神田正輝が主演を務めるNHK BSプレミアムドラマ「クロスロード3 群衆の正義」の主題歌となっている。音楽ナタリーではニューシングルの発売を記念してAnnaにインタビューを実施。彼女が音楽活動を始めたきっかけ、アンジェラや舘との関係、目標とするアーティスト像などを語ってもらった。
取材・文 / 三浦良純 撮影 / 笹原清明
衣装協力:AZUL BY MOUSSY、BLACK BY MOUSSY
昼休みは地獄だった
──音楽活動を始めたきっかけはなんだったんですか?
小学5年生のときに今の事務所に入って、自分が住んでいる群馬からレッスン場に通って、演技とダンスを学びはじめました。最初は音楽をやるつもりはまったくなかったんですけど、中学2年生の頃、不登校になってしまったことがあって。そのときに「何かやりたいことがあるのか?」と親に聞かれて「ギター」って答えたんです。もともと歌うことや文章を書くことが好きなので、ギターを弾いて歌えたらいいなと思って。それで親に5000円の中古のアコースティックギターを買ってもらったのが音楽を始めたきっかけですね。それまで器械体操とかスイミングとか、いろいろな習いごとをしても全部続かなくて、親はギターもすぐ飽きるだろうと思って安物のギターを買ってくれたんですけど、楽しくて今でも続いてるという感じです。
──演技やダンスを学び始めたのは自分の意志だったんでしょうか?
そうです。小さい頃からなんでもやりたがる子だったんですよ。学級委員長に立候補するタイプです。最初はモデルさんになりたかったんですけど、身長が足りないから無理だって気付いて(笑)、演技やダンスを始めました。
──ご両親は芸能活動を応援してくれているんですか?
自分の好きなことやるのが一番だって応援してくれてます。ただ心配性でしょっちゅう電話かかってくるんですよね(笑)。
──中学で不登校になってしまったきっかけはなんだったんですか?
もともと私立の中学校に通っていたんですけど、体を壊してその学校は2年生の夏休みに辞めてしまったんです。それでほかの中学に入学したら、すごく治安が悪い学校で……人に勧められて合唱コンクールの指揮者に立候補したら、「転校生なのに調子乗ってない?」って思われてしまって。男子のリーダー的な人も指揮者に立候補していたらしく、その人の友達が私の教室のドアをバンバン叩きに来たり、廊下で絡んできたり。それでストレスがすごくて一度倒れてしまったこともあって。
──心配性だという親御さんはかなりつらかったでしょうね。
たぶんそういうことがあったから心配性になったんだと思います。
──なるほど。ギターを始めて、すぐに自分で曲も作り始めたんですか?
そうですね。学校でみんなに無視されるようになってから、みんながキャッキャしてる昼休みとかは本当に地獄で。誰にも話してもらえないから私は1人で文章を書いていたんですけど、「あんたたちがいなくても私は平気だから」って強がりで書いたのがデビュー曲の「ひとりの世界」の歌詞なんです。その後ギターが上達して曲になりました。
──独学で始めて、すぐに曲を作れるのはすごいですね。しかもその「ひとりの世界」は舘ひろしさんと神田正輝さん主演のNHK BSプレミアムドラマ「クロスロード~声なきに聞き形なきに見よ~」の主題歌にもなりました。これまでシングルとしてリリースされている曲以外にも自作曲のストックはたくさんあるんですか?
普段から思いついたときに作っているのでストックはありますね。サビのワンフレーズだけとか作りかけのものも多いですけど、完成している曲もけっこうあります。
感情の起伏がそのまま曲に
──デビューシングルのカップリング曲3曲も中学生の頃に作ったんですか?
「大好きでした。」という曲だけ高校生のときに作りました。
──なるほど、ほかの収録曲に比べて曲調が明るいかもしれない。
本当にそのときそのときの感情のままに曲を作っているので、感情の起伏が曲にそのまま出るんですよ。でも「大好きでした。」も曲調はアップテンポで明るいけど、歌詞は失恋がテーマなので暗いかも(笑)。
──Annaさんが今後どういう人生を歩むかによって、生まれてくる曲も全然違うものになるのかもしれないですね。
本当にそうですね。物語は多いほうがいいので、山あり谷ありだといいですね。
──今は波に乗って上り調子な時期ですか?
私はすぐマイナス思考になってしまうんですよね。周りの人に「すごくいいよ」って言われても「ダメです、ダメです」ってなっちゃって。特にライブの前はどうしようって泣きそうになって。ライブが始まるとすごく楽しいんですけどね。ライブが終わったら、またダメだったところばかり気になってしまうし。
──ライブ活動は始めたばかりなんですよね。
場数自体はまだ少ないです。ライブハウスでのライブはまだ数回で、ほかはディナーショーとか水族館とか高崎のイオンとか。あとは路上でもやっています。
──知らない人しかいない路上でいきなりライブを始めるのってかなり度胸がいりそうに思えます。
むしろライブハウスのほうが緊張します。路上でのライブは1人でやるから疲れたら終えてもいいし、自分のペースでできるんですけど、ライブハウスでは時間が決まってるし、サポートの方と一緒にやっているので間違えたらどうしようとか考えちゃって。場数を増やして、落ち着いてやれるようになったらいいなと思います。
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