若い女の子に、もっと私たちの曲を

──表題曲の「Scrap & Build」は以前からあった曲ですよね？

越野アンナ（Vo）　そうなんです。デビュー曲の「帰り道」と同じ時期に作ったので、さかのぼれば2、3年前からある曲ですね。ライブでは演奏していたんですが、今回リアレンジして歌詞もだいぶ変えて、シングルに収録することになりました。

──このタイミングでこの曲を、というのには何か理由があったんですか？

越野　「若い女の子にも、もっと私たちの曲を聴いてほしいな」という思いがあって。この「Scrap & Build」をはじめ、今回のシングルは4曲中3曲を女性目線で歌う恋の歌にしたんです。自分と同世代の女の子が共感できるような、日常感のある曲を届けたくて。

──そうなんですね。どうして女の子にanderlustの曲を伝えたいと思うようになったのでしょう。

越野　私、デビュー前に音楽活動をしていたときは一切自分の活動のことを友達に言わなかったんです。それは「恥ずかしい」っていう思いもあったし「別に言うことでもないかな？」とも思っていたから。だからデビューが決まったときも言わずにいたんですけど……そろそろ自分の友達や、同じ年代の子たちにもちゃんと自分の歌を聴いてもらいたいなって。

──それでも、実際にデビューしたら友人たちは気付いたのでは？

越野　「ビックリしたよ、アンナちゃん！」とか「あなたみたいな人がデビューなんて！」とか（笑）、デビューした直後はLINEのメッセージがすごいことになっていた記憶はあります。自分でも「よくデビューできたな」っていう感じだったから、そういった応援をしてもらえるのはうれしかったですね。うれしかったから、友達含め「もっといろんな人に向けて私たちの曲を響かせたい」と思ったのかもしれないです。今回は若い世代を意識した恋の歌を集めたけれど、きっと大人の方も「懐かしいな」って……昔の記憶をくすぐられるような作品になっているかと思います。

すごい並びですよね？

──「Scrap & Build」はどうやって完成したのでしょう。

越野　この曲は小林（武史）さんがもともと書かれていた曲なんです。小林さんから「越野、歌ってみろ」とデモを渡されて、そこから歌詞を付けていきました。デモを渡されたときから「Scrap & Build」というタイトルは付いていたので、私は“崩して立て直す”っていうこの曲のテーマを恋愛に当てはめて、歌詞に起こしていって。

──作詞には越野さんと小林さんといしわたり淳治さん、3人の名前がクレジットされていますね。

越野　すごい並びですよね？「なんで私の名前が一番前にあるの！」って、もう申し訳なさすぎてどうしようって感じです（笑）。作業的には私と小林さんとで書いたものを、いしわたりさんが世間の方に伝わりやすいように直してくださった、という流れでした。

──楽曲はリアレンジされたということでしたが、こちらはどのように？

越野　リアレンジは豊田ヒロユキさんにお願いしました。豊田さんは私が音楽活動を始めた頃からずっと見守ってくださっている方で、デビューシングルに入っている「風船 ep.1」のアレンジをしてくれていて。「Scrap & Build」はパワフルな曲調にしたいっていう思いがあったから、「だったら豊田さんしかいないだろう！」と、また声をおかけしたんです。そうしたら快く「いいよ」って言ってくださって、曲も素敵な形で仕上がったと思います。

──レコーディングはいかがでしたか？

越野　この曲は楽器の音を録っているときに、同時進行で歌録りをしたんですよ。それがすごく印象深かったです。

──そうだったんですね。西塚さんはどうでしたか？

西塚真吾（B）　僕はベースで歌と同じくらいの存在感を出せるようにっていうことを常に心がけているんですけど、この曲に関しては若々しい勢いのあるロックチューンなので、いつもに増して骨太な音色を意識しました。フレーズも、ベースキッズが弾きたくなるようなドライブ感のあるものになるように心がけて。

越野　真吾さん、めちゃくちゃカッコよかったです。