音楽ナタリー Power Push - 雨のパレード
渾身の「You」を経て生まれた、ファンとつながるための歌
雨のパレードが12月21日にメジャー2ndシングル「stage」をリリースした。
福永浩平(Vo)が自身の過去を晒すように歌詞をつづったメジャー1stシングル「You」を7月に発売した雨のパレード。彼が「全力で取り組んだ渾身の作品」と称する同作品の発表を経て、すぐに取り組んだ「stage」の制作は困難を極めたという。ファンやライブに対する思いが込められた「stage」がどのように完成したのか、福永本人に話を聞いた。
取材・文 / 石橋果奈 インタビュー撮影 / 日吉"JP"純平
ファンとつながるための歌
──7月にリリースされた1stシングル「You」と同じく、今作「stage」もシンプルで伝わりやすい歌詞が特徴的ですね。
もう自然とそうなってきてるというか。
──特別意識しているわけではなく。
そうですね。最近はファンの方と直接ライブハウスとかで話せる機会があまりないので、つながるためのツールが曲だけになってると思うんです。だから自然と伝わりやすい曲になってるんじゃないかなって。
──この曲は9月に行われた東名阪ツアー「You & I」でお披露目されていましたが、フロアがとても沸いていましたね。溜めて溜めて弾けるような一節がカッコよかったです。
Disclosureとかジャック・ガラットが1拍目でブレイクするっていうのをやってて。100%カッコよくなるかはわからなかったけど、新鮮ではあるなと思って間奏に入れ込んでみました。
──「stage」の歌詞には福永さんのライブに対する思いがつづられています。サウンドの粗さにもライブ感を感じました。
制作時期にトロ・イ・モアやムラマサ(イギリス出身の音楽プロデューサー)をよく聴いていたんですけど、彼らの楽曲にあるわざと粗悪に録ったドラムサウンドが気になって、今回挑戦してみました。バスドラをわざと劣化させて録って入れ込んだり、ギターのフレーズもシマーリバーブをかけてさらに歪ませたりと、サンプリングのような質感を出せたと思っています。
ライブの“塩梅”をつかめた
──「stage」の歌詞には「いろんな想いを背負って上がるステージ 期待や不安に身体は重くなる」という一節があり、ステージに立つことの難しさが感じ取れます。実際にライブへの課題はありますか?
ライブに対する課題っていうものは毎回ありますね。「つかめたかな」って思うと、次のライブでは「違ったか」って思うこともよくあるし。でもこの前ライブをしたときに「やっとつかめたかな」っていう強い実感がありました。
──具体的にはどんな実感だったのでしょうか?
自分の持っていき方の塩梅をつかめた感じがしたんです。自分の気持ちをギリギリまで上げつつも、しっかりと歌えたかなって。
──その塩梅が課題だったのでしょうか?
僕個人としてはそれが一番の課題でしたね。熱量がありつつも、それでいてちゃんと歌が歌えるライブがしたかったんです。バンドとしてはメンバーが日によってミスをしちゃうときもあるので、自分がライブに向けてどうやって舵を取っていくのかっていうのが課題ですね。ライブって正解がないものだと思うので、その中でもどれだけいいものにできるのかっていうのはいつも考えています。
──アーティストによっては、CDをそのまま表現するようなライブをする人と、ライブはライブと割り切ってパフォーマンスする人と分かれると思いますが、福永さんはどちらのタイプですか?
どちらかというと「ライブはライブ」っていう気持ちでやってます。プラスアルファっていうのは意識してますね。もちろんCDよりもショボくなるのは許せないし、アレンジの面では曲の前にブリッジを入れたり、アウトロを倍の長さにしたりと、ライブでしか聴けないような遊び心はいつも入れたいなと思ってます。
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- メジャー2ndシングル「stage」 / 2016年12月21日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
- 「stage」
- 初回限定盤 [CD2枚組] / 2160円 / VIZL-1093
- 通常盤 [CD] / 1296円 / VICL-37240
CD収録曲
- stage
- 1969
- free
- ame majiru boku hitori
初回限定盤付属ライブCD収録曲
Live at TOKYO-SHIBUYA CLUB QUATTRO 2016.9.17
- new place
- epoch
- Petrichor
- breaking dawn
- bam
- morning
- Noctiluca
- In your sense
- yuragi meguru kimino nakano sore
- 10-9
- Tokyo
- You
雨のパレード インストアライブ
- 2016年12月23日(金・祝)
- 大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店
START 13:00 - 2016年12月25日(日)
- 東京都 タワーレコード新宿店
START 15:00
雨のパレード・ワンマンライブツアー 2017 「Change your pops」
- 2017年3月24日(金)
- 新潟県 CLUB RIVERST
- 2017年3月31日(金)
- 北海道 COLONY
- 2017年4月2日(日)
- 宮城県 enn 3rd
- 2017年4月6日(木)
- 大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2017年4月8日(土)
- 広島県 CAVE-BE
- 2017年4月9日(日)
- 福岡県 graf
- 2017年4月12日(水)
- 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2017年4月14日(金)
- 東京都 赤坂BLITZ
雨のパレード(アメノパレード)
福永浩平(Vo)、是永亮祐(B)、山崎康介(G)、大澤実音穂(Dr)からなる4人組バンド。2015年7月に残響レコードから発売した3rdミニアルバム「new place」の表題曲がスペースシャワーTVのレコメンド企画「it!」に選出され話題を集める。同年10月に大阪・ミナミ地区で開催されたサーキットイベント「MINAMI WHEEL」では、初出演ながら会場に入場規制がかかるほどの来場者数を記録。2016年1月にインディーズ最後の作品となる1stシングル「Tokyo」を発表し、3月にアルバム「New generation」でSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビューを果たす。7月にはメジャー1stシングル「You」、12月にはメジャー2ndシングル「stage」をリリースした。