AMEFURASSHI 初ミニアルバム「Coffee」発売記念インタビュー|背伸びしない4人のおしゃれな“魅せ方” (2/3)

AMEFURASSHIにとっての着火剤

──ここからミニアルバムの楽曲について1曲ずつ話を聞いていきますが、収録曲の中にはすでにライブで披露されている曲もあり、公演を重ねるたびにパフォーマンスの完成度が高くなってますね。ミニアルバムの幕開けを飾る「Fly Out」もそうだと思います。

愛来 「Fly Out」は私たちにとっての着火剤というか、ライブの1発目に披露するとメンバーもフロアもボルテージが上がります。1曲目じゃなく、中盤に披露してもライブがさらに盛り上がるし、定番曲やアンセムと言えるような楽曲になったんじゃないかな。

市川 AMEFURASSHIは今年の11月に結成5周年を迎えるんですけど、そこに向けての私たちの気合いがこの曲に詰まっていると思います。5周年に向けてもっと羽ばたきたいっていう強い気持ちがこもっていて。

鈴木 実際、この曲を歌うとすごく気合いが入りますし、ライブに必要な曲ですね。

小島 キャッチーさがあるから、私たちが一方的にファンの皆さんを魅了するというより、一緒に歌ったり、踊ったり、ひとつになって楽しめる曲でもあります。

愛来 ライブで一体感が出ますね。でも高音を出すのが難しい曲なので、ライブで盛り上がるかは歌をしっかり決められるかどうか次第なところもあります。その高音の部分、レコーディングで何回も録ったんですよ。Bメロのあとのフェイクに関してはもともと予定になくて、レコーディングの日にディレクターさんから「ここ歌ってみよう」と言われて、苦戦しつつ録音しました。できあがった音源を聴いたらとてもカッコよくなってたのでうれしかったです。

──続く2曲目の「Batabata Morning」は、今年2月にタイのイベント「JAPAN EXPO THAILAND 2023」に出演した際に初披露したんですよね。

愛来 タイで初披露すると聞いたときはびっくりしました(笑)。タイに行く前に振り入れをしたんですけど、それが出発する日の直前だったんです。かわいい表現を意識しつつも、がっつりかわいい方向に振り切っている曲でもないので、おしゃれな“魅せ方”に苦労しました。スタミナが必要な振付でもあるので、「これ初披露までに間に合うかな……」とメンバーみんなで不安になったのを覚えています。でも、結果的にタイで披露できてよかったです。すごく楽しいライブでしたし、いろんな種類の楽曲を歌うグループだということが現地の方にも伝わったと思います。

市川 サビでは基本的に同じ振りを踊ってるんです。AMEFURASSHIはパフォーマンスを重視して細かい振りを入れることが多かった中、同じ振りを繰り返すことで逆にインパクトが生まれていて。あと、私としては、この曲からより一層表情を意識するようになりました。「Batabata Morning」は慌ただしい朝を描いた曲なんですけど、それが振りだけじゃなく表情にも表れているので、ライブではぜひ注目してほしいです。

市川優月

市川優月

愛来 歌詞の内容に共感するよね。私、毎朝この曲を聴いてます。実際にバタバタと準備しながら(笑)。

鈴木 デート前の女の子の気持ちが描かれていてキュンキュンします。私たちとしては、ファンの皆さんと会う前の気持ちとも重なるなと思っていて。ミニアルバムで一番好きな曲かもしれません。AMEFURASSHIらしいかわいさが表れていると思います。

小島 思わず口ずさんじゃう曲ですね。普通に道を歩いているときも歌っちゃうから、AMEFURASSHIのメンバーだってバレないか心配です。

愛来 バレないです!(笑)

レコーディングで一番苦戦したのは

──チルなムードがあふれるリード曲「Blow Your Mind」の注目ポイントも聞かせてください。

小島 この曲ではボーカルフライという歌い方に初めて挑戦しました。低音域で声帯を振動させて、つぶやくように歌う発声方法で、難しくてできるか不安だったんですけど、結果的にほかの曲にも取り入れられるくらい、メンバーみんなカッコよくできたと思います。

──ボーカルフライは、欧米やK-POPのアーティストが取り入れている歌い方ですよね。

愛来 仮歌の音源がボーカルフライの参考映像と一緒に送られてきたんですけど、どこに入れるのかその段階ではまだわからなかったので、1曲を通して自分なりに練習してみて。その試行錯誤する時間が楽しかったですし、レコーディングでもかなりこだわったので、楽曲が完成したときはすごくうれしかったです。

鈴木 ライブでさらにカッコよく披露できるように、もっと磨いていきたいです。振付は大人びた雰囲気なんですけど、体の曲線をきれいに見せるのが難しくて。自分にとってこの曲は歌もダンスも課題になっています。

愛来 ダンスについては移動も激しいんです。ステージの端から端まで動くところもあるし、ライブを観てもらったときに「AMEFURASSHIすごい!」と改めて思ってもらえるようにがんばります。

愛来

愛来

市川 ミニアルバムの中で、この曲のダンスが一番難しいかもしれないです。

──続いて、海辺の情景を想起させる新曲「One More Time」の紹介もお願いします。

愛来 私、海が大好きなので、仮歌を聴いた瞬間に「一番好きな曲だ!」ってテンションが上りました。でもこの曲は私ではなく、萌花のパートが印象的な“萌花曲”なんです。

鈴木 私もこういうチルっぽい、さわやかな感じの曲が好きで。ファルセットを多用していたり、ちょっとしたフェイクが入っていたりして、難しいなと思いながら練習してるんですけど、夏のライブでいっぱい歌いたいですね。

市川 聴いていて元気になるような夏らしいポップな曲というより、気持ちいい涼しさがある曲ですね。イメージとしては……風鈴くらいのさわやかさ(笑)。海沿いをドライブにしながら聴きたいです。ファルセットが心地よくて、日常に溶け込むような曲調と歌だと思います。

愛来 私、日が暮れる頃に1人で海に行って黄昏れるのが好きなんです(笑)。たまにあるじゃないですか、1人になりたいときって。別に何かに悩んでるわけじゃないんですけど。

鈴木 でも、わざわざ海に行く?(笑)

愛来 そういうときに「One More Time」を聴きたいなって(笑)。これこそ大人な曲だなと思います。普段はうるさい私たちですが、楽曲の中ではこういう雰囲気も出せるんだよってアピールしたいです。

市川 背伸びした感じじゃない、落ち着いた大人の雰囲気だよね。

小島 私は2番のAメロのゆづのラップがかわいくて大好きです。家族とドライブしているときにこの曲を流すと、「うわ、ゆづめっちゃかわいい!」ってスタンディングオベーションが起きますね。

市川 うれしいけど、車の中でスタンディングオベーションは危ないから(笑)。

鈴木 あと、曲の最初に笑い声が入ってるのも聴きどころで。レコーディング、すごく難しかったよね。

鈴木萌花

鈴木萌花

──レコーディングスタジオで笑い声を録ったんですか?

小島 そうです。先ほど「Blow Your Mind」が一番難易度が高かったという話が出ましたが、この笑い声のレコーディングのほうが難しかったです(笑)。

愛来 海辺ではしゃいでるような上品な笑い声のイメージなんですけど……。

鈴木 普段通りガハガハ笑っちゃうんです。引き笑いも入っちゃったりして(笑)。

愛来 無事に録り終えたかと思ったら、別の日に改めて録り直すことになりました(笑)。

小島 でも、完成形を聴いたらすごくよくて。まるで私たちの声じゃないみたいです。

なんて言ってるの?

──ミニアルバムには「Magic of love」という新曲も収録されます。中毒性のあるリフレインが印象的で、個人的にはこの曲が特に気に入ってます。

愛来 私もこの曲大好きです! かわいさとカッコよさが融合していて、クールなんだけど、甘い雰囲気も含まれているんです。「コイノマホウ ダラディギドンドン」というサビのフレーズが頭に残るし、1回聴いただけで1日中ずっと頭の中でリピートされます。

鈴木 家で練習してたらお母さんに「なんて言ってるの?」って興味を持ってもらえました(笑)。

小島 中毒性のある曲ですね。

小島はな

小島はな

市川 大人かわいい感じです。おしゃれなイケてる女の人というイメージもあるけど、ちゃんとかわいさもあって。サビをメンバーみんなで歌う曲ってひさしぶりだよね。

愛来 サビの歌い方、けっこう苦戦したよね。レコーディングのとき、最初かわいく歌おうとしていたらそれが弱々しかったらしく、ディレクターさんから「やりすぎなくらいでいいよ」と言われたんです。歌い出しに入ってるがなり声のところも「大げさにやって」って。

鈴木 かわいいのに強くてカッコいい感じに仕上がってるのが新鮮です。

──YouTubeでミュージックビデオが公開されている「Love is love」についてはどうでしょう? 1990年代のハウスミュージックの影響を感じさせるスタイリッシュなサウンドが特徴ですが、皆さんはどんな印象を持っていますか?

愛来 レトロっぽさを感じる曲調だけど、ただ懐かしいだけではなく、今の時代に合わせてアップデートされているんです。そのサウンドに乗せていろんな愛の形を肯定しています。

小島 「Love is love」はライブで披露するのが特に好きな曲で。振付で「L・O・V・E」の文字を作ったり、ファンの方々が「L・O・V・E」と声を出してくれたり。MVはすごくカッコいい仕上がりなんですけど、ライブだと雰囲気が全然違うんです。

市川 「L・O・V・E」を表した振りは1つのパターンじゃなくて、ダンスの中にいろんな形で盛り込まれているので、ライブを観ながら見つけてほしいですね。なんなら、私たち自身もまだ気付いてないところもあるかもしれないです(笑)。

鈴木 ダンスの先生が振付について解説するイベントがあったんですけど、そこで初めて知ったこともあるくらい(笑)。あと、この曲の振付ではヴォーギング(腕を大きく動かしながら、雑誌の表紙のようにポーズを決める踊り)に初挑戦していて。振り入れでけっこう苦戦したんですけど、ライブで披露するとそこに興味を持ってくださる方がいるので、印象に残りやすいダンスになっていると思います。