AMEFURASSHI 初ミニアルバム「Coffee」発売記念インタビュー|背伸びしない4人のおしゃれな“魅せ方”

ちょうど1年前に発表した2ndアルバム「Drop」でパワフルなガールクラッシュ路線を打ち出し、アイドルソングの領域を拡張してみせたAMEFURASSHI。今年5月にリリースされた初のミニアルバム「Coffee」では、そんな彼女たちが醸し出す“大人の余裕”とレイドバック感が強調されている。年齢を重ねるとともに、ツアーなどを通してパフォーマンスを磨き続けているAMEFURASSHIの最新形を味わえる1枚だ。音楽ナタリーでは本作のリリースに合わせて4人にインタビューし、全収録曲を解説してもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 斎藤大嗣

土台がしっかりしたからこそのおしゃれな“魅せ方”

──初のミニアルバム「Coffee」、聴かせていただきました。今まで以上に大人びた印象を受けましたが、年齢的に大人になってきたことに合わせてこの方向性になったんでしょうか?

愛来 前作の「Drop」(2022年5月発表の2ndアルバム)でも大人っぽいカッコよさを表現したんですけど、どこか背伸びした感じがあったんですよね。でもその後、私が20歳になったり、最年長の萌花もより大人っぽくなったりして。楽曲に合った雰囲気を出せるように歌や振付の練習もしてきて、体のラインの見せ方も意識して変えたんです。

AMEFURASSHI

AMEFURASSHI

──昨年春の「AMEFURASSHI 2nd Tour 〈Drop Tour 2022〉」、秋の「FALL IN LOVE TOUR 2022」、今春の「AMEFURASSHI TOUR 2023 "Spring"」と、ツアーを重ねるたびにパフォーマンスのレベルが上がり、ステージ上でも大人びた雰囲気が増したように感じます。

愛来 「Drop」のツアーではノンストップでのパフォーマンスに挑戦したんですけど、どの曲も100%の力で披露したからあまり余裕がなくて。必死になって、お客さんを少し置いてきぼりにしちゃう場面もあった中、最近はあえて崩したりすることで、ファンの方と一緒にライブを楽しむ余裕が出てきました。

市川優月 あのツアーではパフォーマンスで魅せることに特化したんだよね。歌とダンスをしっかり形にしなきゃという気持ちが根っこの部分にあって。今はそこをさらに越えて、試行錯誤しつつもいい意味での崩し方が身に付いてきたんです。土台がしっかりしているからこそのおしゃれな“魅せ方”ですね。

──この1年くらいでかなり鍛えられたんですね。

小島はな 楽しむ余裕が出てきたのは、体力面が向上したおかげだと思います。

愛来 ツアーをやるたびに自分たちの課題を見つけて、それをどんどん改善していって。いい感じで成長できていると実感しています。

市川 前は間違えないようにすることを一番に意識していたから、自然とどのライブも同じような表現になっていたんです。そのときと比べたら、今はライブごとに変化を作れていると思います。その日にしか見られない、ライブならではのものを大切するようになりました。

──確かに、今のAMEFURASSHIのライブはスタイリッシュなパフォーマンスで観客を圧倒したかと思えば、無邪気にふざけている場面もあって。決して尖りすぎない、その緩急が1つの魅力になっていますね。

愛来 ライブ中に縄跳びをやったり、バナナを食べたり(笑)。崩しすぎるのもよくないけど、ちょっとしたハプニングを起こしたほうが観ている方に楽しんでもらえるだろうし、自分たちも楽しいんです。

愛来

愛来

──MCでも毎回笑いが起きてますよね。トークのテンポがいいですし。

市川 特にふざけているわけではないんですけど(笑)、そう言っていただけるとうれしいです。

大人になったと感じるとき

──パフォーマンス面以外のことも含めて、ほかに大人になったと感じる瞬間はありますか?

市川 昨日、萌花と一緒に歩いていて。カフェに行く途中だったんですけど、お酒が置いてあるおしゃれなお店を見つけて「あっ、お酒飲みたいかも」と急に言い始めたんです。そのときに「大人だ!」って思いましたね(笑)。

小島 小さい頃からずっと一緒にいますし、年下組(市川と小島)の私たちからすると、年上組(愛来と鈴木)に対して「もうそんな年齢になったんだ」ってびっくりします。

鈴木萌花 でも、はなとゆづ(市川)ももうすぐ20歳だよね。

鈴木萌花

鈴木萌花

──皆さん小学生や中学生のときからアイドルをやっているわけで、その頃の写真と今を見比べると、本当に文字通り大人に成長した印象です。

市川 「Coffee」の収録曲の振り入れをやっていて感じたけど、みんな前より駄々をこねなくなったよね。

──以前は駄々をこねていたんですか?

市川 「やだ! 無理!」とか言い出したりして(笑)。例えば「Drop」のときはかなり背伸びして挑戦しているような感覚があって、それまでやったことのないジャンルに手を広げているイメージだったんです。それに対して「Coffee」は新しいことにチャレンジしているというより、「Drop」で培ったものを応用できていて。

小島 泣くことも減った私たちなりの大人っぽさを出せてるかなって。

市川 今回、振り入れで泣いてるメンバーが1人いましたけど……。

市川優月

市川優月

愛来 最年長がね(笑)。

鈴木 でも初めてだったんですよ。振り入れで泣いたの。すごく難しくて、ワケがわからなくなっちゃったんです(笑)。

市川 まあそれは例外として、活動の中で泣くことは減りました。愛来なんて、ライブ中のMCで感想を話すたびに泣いてましたから。

愛来 最近は萌花のほうが泣くんですよ。

鈴木 大人になって涙もろくなったのかな? いろんなことが心に響いて、涙が出やすくなった(笑)。

愛来 (笑)。あと、みんなお金の使いどころが大人になったよね。

鈴木 美容とか、ネイルとか、そういうところにお金を使うようになりました。

市川 確かに、はながお菓子じゃなくてマツパ(まつ毛パーマ)にお金を使ってるのを見ると、成長を感じますね。

小島 お菓子に使う金額はだいぶ減りました(笑)。

小島はな

小島はな

──ちなみに、ミニアルバムには「Coffee」というタイトルが付けられていますが、皆さんコーヒーは飲めるんですか?

愛来 私と萌花は昔から飲めないです。大人になっても味覚は変わらなかったですね(笑)。

小島 味覚は年下組のほうが大人かもしれないです(笑)。