ナタリー PowerPush - amazarashi
フルアルバム「千年幸福論」リリース記念 短編小説「しらふ」独占公開
アルバム収録曲について
──「夜の歌」には「今まで生きていて良かった」というフレーズが出てきます。秋田さんはどんな瞬間にそのようなことを感じますか?
頑張って、それが報われた瞬間でしょうか。例えば、はじめてCDが全国リリース出来た時とか、今回のライブとかもそうです。
──キレイごとではないリアルな心情を描いた「千年幸福論」という曲。それをアルバムタイトルに掲げたのはどうしてですか?
千年続く幸福なんて無くて、でも、それを分かっていても望んでしまう感情が人の人らしい部分なのかな、と最近とても思いました。わがままで、傲慢かもしれないですが、言い換えれば、どうしようもなく優しすぎる部分、弱い部分、それを受け入れて初めて幸せを感じられるんじゃないか、という気持ちでタイトルにしました。
──「千年幸福論」~「遺書」の流れにものすごくグッときました。曲の並び、配置にまつわるこだわりがあったら教えてください。
ポエトリーリーディングの曲は最後にまとめて作ったのですが、アルバムの流れを整える役割を意識して作りました。
楽曲に込めた思いについて
──今作の歌詞には「今日」というワードが、どこか負のイメージをまとって何度も出てき ます。ですが、その裏には明日への希望を求める思いが存在しているような気がしました。秋田さんはどんな「今日」を生きていきたいと思い、実際どんな「今日」を過ごしていますか?
毎日失敗ばかりの人間が「それでも!」と足掻いているイメージがあります。今日も駄目な日だったけど、それでも明日こそは、というイメージです。自分の事でもあるんですけど、へこたれない理想の自分でもあります。
──秋田さんのルーツやたどってきた歩みが垣間見える「美しき思い出」や「14歳」といった曲が入っているのも印象的でした。今このタイミングでこういった曲が生まれたのには何か理由があるのでしょうか?
「空っぽの空に潰される」という曲に「恒久的な欠落を愛してこその幸福だ」というフレーズがあるんですけど、それが今回のアルバムの大事なところだと思うんです。その恒久的な欠落を描いたのが「美しき思い出」や「14歳」だと思います。僕自身が、いわゆる完璧な人間になる為に足りなかった部分、欠点、それを愛してこそ毎日楽しく生きられるんじゃないかという気持ちで作りました。
──ラストの「未来づくり」からは、もがき苦しみながら生きる日常の中で手に入れた強烈な光を感じました。それはamazarashiがここまでに生み出してきた楽曲の、ひとつの答えのような印象もあって。アルバムの最後に配置したことも含め、どのような意味を持つ楽曲なのでしょうか?
結局最後に愛が勝つ、という言葉にするととてもありふれた最後なんですけど、そこは否定出来なかったです。うじうじ悩んで、みっともなく足掻いて、それがあってこその「未来づくり」ですので、みっともなく足掻くのも無駄じゃないよ、というのが伝わればと思います。
──また「未来づくり」に出てくる「信じてくれたあなた」は、リスナーのことでもあるように感じました。実際のところはどうですか?
「未来づくり」はラブソングなので、そういう事は考えていませんでした。
──本作にはおなじみの詩集に加えて、初の短編小説も同梱されています。どんな思いで書き上げ、どんな思いでアルバムに同梱しようと思ったのでしょうか?
今まで書いてきた詩集の延長だと考えています。1stフルアルバムですし、amazarashiを好きな人が、あの歌詞にはこんな意味もあったのかと、視点を変えて楽しんでもらえたらなと思って書きました。
amazarashi(あまざらし)
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2012年1月28日(土) 東京都 渋谷公会堂
OPEN 17:00 / START 18:00
料金:前売4000円 / 当日5000円
チケット一般発売:2011年12月3日(土) -
ナタリー特別先行予約受付
受付期間:2011年11月14日(月)12:00~11月21日(月)18:00
抽選日時:2011年11月22日(火)18:00
当選発表:2011年11月23日(水)13:00~11月24日(木)18:00
入金期限:2011年11月25日(金)21:00 - amazarashi LIVE「千年幸福論」ナタリー特別先行予約
amazarashi(あまざらし)
青森県むつ市在住の秋田ひろむを中心としたバンド。青森県内500枚限定の詩集付きミニアルバム「0.」を2009年12月に発表し、翌2010年2月にその全国盤「0.6」をリリース。その後ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズへ移籍し、2010年6月に「爆弾の作り方」を発表。アーティスト本人の露出がないまま、口コミを中心に話題を集めていく。2011年には東京・WWWとLIQUIDROOM ebisuでワンマンライブを実施し、それぞれソールドアウトを記録。同年11月に初のフルアルバム「千年幸福論」をリリースする。
2011年11月17日更新