赤ずきんのキャラクターが私に近かった
──「赤ずきん」のMVがメタバース的な世界観の映像になっていますけど、これは今回のメタバースライブの話が出る前から作っていたものなんですよね?
詩羽 そうです。だから偶然なんですよね。
──ちなみにあのMVのコンセプトはどうやって決まったんですか?
Dir.F なんでしょうね(笑)。もともと監督の(渡邉)直さんがそういう新しい技術とかが好きな方でして、あの「赤ずきん」で描かれてる楽曲のストーリーをさらに拡張した世界観を監督が作られたんですよ。僕らはその3次創作を楽しんでいる、という感覚なんですよね(笑)。
詩羽 直さんは「エジソン」のMVも撮ってくれた方で、常に新しいものを自分のやっていることの中に組み込んでいこうとする人なんですよね。私たちは基本的に「誰かが面白いことをやっているなら、それを肯定していこう」というスタンスだから、今回も直さんから「アニメーション、3D、リアル、全部を混ぜていきたいです」というアイデアが出てきて、それに「面白い! それで行きましょう!」と乗っかっただけで。そしたら、たまたま今回のメタバースとも関連性があったみたいな感じですね。
──逆に言うと、何か新しいことをやりたいタイプの人が水曜日のカンパネラに声をかけがちだということですね。
詩羽 そうかも(笑)。どんどんそういう人に来てもらいたい。
──ちょっとメタバースの件からは離れるんですけども、せっかくなので「赤ずきん」という楽曲そのもののお話も少し聞かせてください。個人的に、あのラップとも語りともつかないヴァースがめちゃくちゃカッコいいなと思っていて。
詩羽 ありがとうございまーす。
──あの表現はどこから思い付いたんですか? ケンモチ(ヒデフミ)さんの発案なんだろうなとは思っていますが……。
詩羽 そうですそうです。ケンモチさんから「これはわりと語りっぽい感じで」と注文をもらったので、「わかりました!」というくらいのことで(笑)。私的には、別にそんな「ラップにしよう」とか「語りにしよう」とかじゃなくて、「歌詞をどう理解してどう出すか」という中で自然にそのまま出てきた感じで歌ってます。
──めちゃくちゃ詩羽さんっぽさが出ていますよね。
詩羽 わりとあれ、いつも通りの詩羽らしいです(笑)。友達から「もろ詩羽じゃーん」って言われました。
──おっしゃる通り“そのまま”な感じで語っているのに、それがきっちりリズムを刻んでいるという意外性のカッコよさがあるんですよね。詩羽さんならではのボーカル表現をまた1つ確立した感があるんですけど、ご本人としてはそこに「やってやったぜ」みたいな感覚はないんですか?
詩羽 やってやった感は別にないですね。ただ、赤ずきんのキャラクター自体が私に近かったのかなとは思いました。毎回わりと登場人物のキャラクターにフォーカスを当てて表現するようにはしているんですけど、今回はその中でも特に口調とかがもともと私に近かった。「やってんな」の部分とか。ケンモチさんが意図して寄せてくれたものなのかどうかはわからないですけど。
考えを変えるための手段になる
──では、メタバースライブに向けて意気込みなどありましたらお聞かせください。
詩羽 そうですね……やっぱり私と同じようにメタバースを「なんだかまだ遠いもの」と思ってる人とか、人によっては否定的な、「そんなもん何が面白いんだ?」と思っている人もけっこういるのかなと思うんです。でも観てみないとわからないことってたくさんあるから、まずは一発観てもらって。
Dir.F 一発(笑)。
詩羽 「知らないことをやってみる」って、大人になっても何歳になっても大事なことだと思うから。私も試しにやってみて面白いことがあったし、みんなにも試しに観てもらえたらいいなと思います。自分の考えを変えるための1つの手段になるだろうし、音楽が好きなら音楽を入り口にするのがいいんじゃないかなと思うので。
──ライブ以外にもメタバース上でのミート&グリートや、リアル / バーチャル双方に「エジソンの部屋」というコンセプトスペースを設ける施策なども行われるそうですね。
詩羽 私も具体的にどんな感じになるのか、まったくわかってないんです(笑)。ミーグリに関しては、聞いている限りではネット上で実際に会える……「ネット上で実際に会える」って何を言ってるのかって感じですけど(笑)、本当にそういうことらしいので。お互いにアバター同士で同じ空間に集まって、リアル音声でおしゃべりできる感じみたいなので、いつも以上にフラットに会える感覚だと思うんですね。せっかくの機会なので、自分が自信を持てるアバターを通して、緊張せずに会いに来てほしいなと思います。
KDDIスタッフ 「エジソンの部屋」に関しては水カンさんが直接関わらないことなので私のほうからご説明させていただきます。「αU spring week 2023」と銘打ってαUのポップアップコーナーを渋谷のHzにて展開するんですが、その中で「エジソン」のMVの世界観を再現した空間を用意します。具体的に言うと、テーブルの下にディスプレイを設置し、そこに“足ダンス”の映像をずっと映し出すというもので、ユーザーさんはそのテーブルに座ることで、まるでMVでの詩羽さんになれたような気分で写真や動画を撮って楽しんでいただけるという施策になっております。その「エジソンの部屋」という空間をバーチャル上にも設けることで、リアルとバーチャルの双方で楽しんでいただける形になりますね。
──要は顔ハメパネル的な発想ということですよね。
KDDIスタッフ おっしゃる通りです。言うなれば“上半身ハメパネル”ですね(笑)。
詩羽 「エジソン」のMVも、実際そういう撮り方をしているんですよ。足はダンサーさんの映像になっていて、私じゃないんです。上と下をキレイに合成しているやり方だから、「原理的にまったく同じことをみんなも体験できるよ」ってことですよね。
KDDIスタッフ そういうことになります。
詩羽 それは普通に私も行ってみたい(笑)。
一同 あははは。
──じゃあ、ぜひ詩羽体験をしに行っていただいて。
詩羽 詩羽が詩羽体験をしたいと思います(笑)。
イベント情報
水曜日のカンパネラ virtual reality mini live
2023年3月12日(日)
OPEN 18:30 / START 19:00
<出演者>
水曜日のカンパネラ
※観覧無料。20:00、21:00、22:00にアーカイブ配信あり。
水曜日のカンパネラ 詩羽とのミート&グリート
2023年3月12日(日)
START 20:00~ / 20:30~ / 21:00~
応募期間:2023年3月7日(火)15:00~3月10日(金)12:00
抽選結果発表:2023年3月10日(金)夕方
※ミート&グリートへの参加希望者はアプリをダウンロードのうえ、アプリ内の専用フォームよりご応募ください。各回8名の方がご参加いただけます。
αU spring week 2023
2023年3月8日(水)~12日(日)東京都 Hz
水曜日のカンパネラ「エジソン」のミュージックビデオの世界感を再現した「エジソンの部屋」などを設けた「αU」のポップアップコーナー。「エジソンの部屋」では、テーブルの下にディスプレイを設置し、MVで話題になった“足ダンス”を誰でも踊っているような写真や動画が撮影できる。またαU metaverse空間内でも、アバターになって「エジソンの部屋」を体験することができ、リアルとメタバースの連動企画が展開される。
プロフィール
水曜日のカンパネラ(スイヨウビノカンパネラ)
2012年に結成した音楽ユニットで、初期メンバーは主演・歌唱担当のコムアイ、作曲・編曲担当のケンモチヒデフミ、それ以外担当のDir.Fの3人。2015年に「ヤフオク!」のテレビCMソング「ツイッギー」を含むアルバム「ジパング」をリリースし、音楽誌の年間ベストアルバムに選出されるなど大きな話題を呼んだ。2016年3月、アメリカ・テキサス州オースティンにて開催された「SXSW 2016」に出演。同年6月にワーナーミュージック・ジャパン内のレーベル・Atlantic JapanからEP「UMA」をリリースし、メジャーデビューを果たした。2021年にコムアイが脱退し、現在は2代目の詩羽が主演・歌唱を担当している。2021年10月には詩羽加入後の初音源として「アリス / バッキンガム」を配信リリース。2022年に配信された「エジソン」はTikTokを中心にSNSで話題を集め、バイラルヒットを記録した。2023年1月にABEMAの恋愛番組「隣の恋は青く見える4」主題歌「赤ずきん」を配信。4月には新作EP「RABBIT STAR ★」を配信リリースする。
水曜日のカンパネラ/WEDNESDAY CAMPANELLA/星期三的康帕內拉 (@wed_camp) | Twitter
詩羽 utaha (@utaha.89) | Instagram