[Alexandros]×WOWOW特集|11周年目のスタートを飾るステージを生中継!川上洋平が振り返るバンドの転機

[Alexandros]が2021年1月19、20日に東京・国立代々木競技場第一体育館で行うワンマンライブ「[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVE at 国立代々木競技場 第一体育館 “Where's My Yoyogi?”」のうち、20日公演の模様がWOWOWで生中継される。

今年デビュー10周年を迎えた[Alexandros]。今回のライブはメンバー庄村聡泰(Dr)の引退公演でもあり、彼らはこのステージを経て新たな道を歩み始める。WOWOWではこの生中継に合わせて、[Alexandros]が2015年6月に行った代々木公園野外ステージでのフリーライブと、今年10周年を迎えた[Alexandros]の歩みを振り返るドキュメンタリー番組がオンエアされる。

音楽ナタリーでは番組の放送に向けて川上洋平(Vo, G)へメールインタビューを行い、これまでの活動で印象的だった出来事や、1月のワンマンライブへの意気込みを聞いた。

取材 / 清本千尋 文 / 寺島咲菜

バンド最大の転機は

──川上さんはこの10年をどう感じていますか?

[Champagne]「Where's My Potato?」ジャケット

最高に幸せな10年でした。

──[Alexandros]は長い下積み時代があったり、改名したりとターニングポイントが多いバンドのように思います。

最大のターニングポイントはデビューしたことです。理由は明白ですね(笑)。それ以外だとやっぱり聡泰くんが入ったことですかね。彼が入ってから、音楽の面でもファッションの面でも、加速度が一気に上がった。彼がいることで人目にもつきやすくなったのかなと。なので、当然辞めることもターニングポイントになると思います。いい意味でも悪い意味でも。あとは次に挙げるとしたら、バイトを辞めたことですかね。音楽一本で生きていけるようになったのは、物理的というよりは精神的に大きかったですね。改名とかはそこまででもないです(参照:[Champagne]改め[Alexandros]武道館で“変わらない”宣言)。

──[Alexandros]は多作なバンドで、これまでに7枚のスタジオアルバム、1枚のコンセプトアルバム、18枚のシングルをリリースしています。作品を振り返ってみていかがでしょうか。

[Champagne]「Schwarzenegger」ジャケット

制作が大変だったのは3rdアルバム「Schwarzenegger」(2012年4月発売)。それまでのストックが完全に切れてしまって「さあヤベーぞ、これは」となりました。“締め切り”という単語にぶつかり、納期との格闘が始まった時期でもあります。4thアルバム「Me No Do Karate.」(2013年6月発売)ではライブハウスやホールからの脱却を念頭に置きつつ、ロックに興味がない人まで届けるという課題がありました。アリーナクラスでのライブ、フェスのトリを務める第一歩でしたね。

──いずれも[Champagne]時代の作品ですね。

改名後だと「Sleepless in Brooklyn」(2018年11月発売)かな。これは[Alexandros]にとって第1章の締めくくり……ないし第2章に向かう中間地点でもあったのかなと思います。つまり次回発表するであろう作品が第2章の始まりですね。思い返せば、どの作品も楽しみながら作業してましたね。

4人でいると笑っちゃうぐらい楽しい

──1月19、20日には代々木第一体育館でデビュー10周年記念公演「Where's My Yoyogi?」が予定されています。アマチュア時代に代々木公園で路上ライブを経験し、2015年にはフリーライブを行うなど(参照:ただいま![Alexandros]の8年ぶり代々木公園ライブに1万人集結)、この周辺は[Alexandros]にとって縁の深い場所かと思いますが、1月の“凱旋ライブ”を前に現在の心境をお聞かせください。

んー。僕ら自身はあまり意識していないのかもしれません。そういえばやってなかったね、という感じでした。路上ライブをやっていた一帯で一番大きな会場なのでうれしいです。

「[Alexandros] free live Back in Yoyogi Park!」の様子。

──ライブのタイトルは1stアルバム「Where's My Potato?」(2010年1月発売)にちなんだものかと思います。ベスト盤も「Where's My History?」と「Where's My ◯◯?」がキーワードになっているようですが、ライブタイトル「Where's My Yoyogi?」にはどんな思いが込められていますか?

単純に字面的に?マークが好きなので。見た人が本能的に「?」となるような文言にしたかった。あとは自分にとってもですが、ファンにとっての「[Alexandros]ってなんだろう? ベストな曲はどれだろう?」という問いかけへの導きでもあって。今回のライブはベストアルバムのライブなので「この代々木で見つけてくれ」という意味合いも込めています。

「[Alexandros] free live Back in Yoyogi Park!」の様子。

──庄村さんの勇退公演でもある「Where's My Yoyogi?」にかける思いや見どころを教えてください。

この10年を振り返ると、普通に会場を押さえてライブを組んでいるだけなのに、なぜかエポック的なライブになってしまったことが多くて。例えば改名を発表した初の武道館ライブとか。聡泰くんは本来、ベストアルバム発売とともに勇退だったのですが、コロナで発売が延期してしまい、もともと予定していた代々木体育館公演が発売日と被ってしまった。じゃあもうその日をラストライブにしちゃえ!となっただけで(笑)。意図せずドラマチックな展開に転ぶバンドだなあとつくづく思います。なので今回も運命めいたものを感じているし、そういったライブになるのではないでしょうか。あとは観てのお楽しみ。新しい試みをしようとプランニングしているので当日とくと驚いてください。

──この4人でよかったと思うときはありますか?

ふとしたときですかね。なんてことない移動のときとか、楽屋で弁当食ってるときにも思うし(笑)。よく考えたら高校の同級生とまだ一緒にやってるわけですから。不思議だなーと思います。そして笑っちゃうぐらい楽しい。

──最後に、これから先10年の展望を教えてください。

もっと大きく、そして最強のロックバンドに成り上がります。

ライブ情報

[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVE at 国立代々木競技場 第一体育館
“Where's My Yoyogi?”
  • 2021年1月19日(火) 東京都 国立代々木競技場第一体育館
  • 2021年1月20日(水) 東京都 国立代々木競技場第一体育館

※追記:新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言を受け開催延期となりました。

「[Alexandros] free live Back in Yoyogi Park!」の様子。

2021年1月18日更新