アカデミー賞作品に携われたら

──そうやって理想の形で活動していて、それに結果があとから付いてきている状況は本当にすごいことだなと思います。デビューするまでの下積みももちろんありましたが、こうやってデビューしてから順風満帆に進んでいる姿はリスナーからしても応援のしがいがありそうです。

出したものに対して、ちゃんと評価していただけるのはうれしいですね。きらびやかな世界で活動させていただけることには感謝をしているし、みんなからも「順風満帆だね」とか「右肩上がりだね」って言われるんですけど、実際は「ホンマにそうなんかな？」と考える自分もいて。どうしても「いやいや、そんなドラマがあるかよ」って思っちゃうタイプなんです。だからみんなをもっと惹きつけられる音楽をどうやって発信していくのがベストなのか、日々模索中です。「謙虚に謙虚に」と思いながら毎日を過ごしていますね。

──今、このタイミングで思う自分の夢ってなんですか？

ホンマに映画が好きなので、アカデミー賞作品に携われたらいいなと思っていますね。映画「恋愛奇譚集」に主題歌として「漂白」を提供したり、映画に携わることは過去にもあったんですけど、もっともっと映画に深く関わっていきたいなと思っています。今はその手段が音楽だと思うので、私が少しでも関わった映画がアカデミー賞にノミネートされて、自分自身もあの会場に行ってみたいと思っています。私は洋画はあまり観ないので、日本アカデミー賞が目標です。どんな形でもいいからあの場所に行きたいです。

──「今はその手段が音楽」とおっしゃっていましたが、銀幕デビューする可能性だってなくはないですよね。

通行人Aとか死体1とか……（笑）。いや、舞台も大好きですし、演技で表現するのは楽しそうだなって思っています。もっといろんなことにチャレンジしたい気持ちもあります。なんだか夢は増えるばっかりです。

止まらない映画トーク

──せっかくなのであいみょんさんの映画話も聞かせていただきたいなと思うのですが、最近よかった映画ってなんですか？

「映画ドラえもん のび太の宝島」ですね。めっちゃよくて終始涙が止まりませんでした。この感情を忘れないでいたいって強く思ったんですよ。最近は公開されてすぐに観に行くっていうのがなかなかできないこともあって、最近やっと「永い言い訳」を観たんですけどこれもすごくよかったです。

──好きな監督はいますか？

園子温さんが好きですね。血祭りって感じで。あと是枝裕和さんも好きです。ほかは役者さん重視で観る映画を選んでいるかも。邦画がとにかく大好きで、より好みせずになんでも観ます。最近観て面白かったのはあと……「ミュージアム」とか「64-ロクヨン-」みたいなミステリーや心理サスペンスものも好きです。あとはヒューマンドラマが好きで、「ALWAYS」シリーズの大ファンですね。

──本当に邦画がお好きなんですね。

そうですね。十代の頃はバイトをしていてお金がちょっとあって暇やったんで、東京に夜行バスで出てきて舞台挨拶付きの回を観に行くこともありました。大好きな染谷将太さんが出るって知って、ポレポレ東中野でやった「千年の愉楽」の舞台挨拶にも行きました。人生で初めて観た舞台も染谷さんが出ている「祈りと怪物 ～ウィルヴィルの三姉妹～」。当時高校生だったんで、「チケット代、高いなあ」と思いながら観に行ったんですけど、感激してしまって結局2日間連続で観てしまいました（笑）。演技の面白さにのめり込ませてくれた俳優は染谷さんです。染谷さんが出ている映画は全部観ました。

──すごい熱量ですね。いつか染谷さんの出ている作品に携われる日が来ることを祈っています。では最後になりましたが、今後の目標を教えていただけますか？

体調管理をしっかりしていきたいです（笑）。昔は小さいところでもソールドさせられないこともたくさんあったし、ライブのお客さんが数人の日もあったのに、今ではこんなにたくさんの人が私のことを知ってくれて、期待してくれているから、それに応えたいなと思っています。健康に気を付けてこれからも面白いものをどんどん作っていきたいです。