ナタリー PowerPush - Aimer
それでも誰かのために祈る 13編の普遍的な物語
Aimerがアルバム「Midnight Sun」と、SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer名義のアルバム「UnChild」を同時リリースした。
「Midnight Sun」はAimerにとって2枚目のオリジナルアルバム。そして「UnChild」は、Aimerが歌うアニメ「機動戦士ガンダムUC」シリーズの主題歌「RE:I AM」「StarRingChild」のプロデューサーにして、シリーズの劇伴を手がける澤野弘之率いるバンドとタッグを組んだコラボレーションアルバムとなっている。
先月リリースした「StarRingChild」が見事オリコン週間シングルランキング3位に輝いたばかりのAimer。そんな彼女が「StarRingChild」からわずか1カ月後に、オリジナルアルバムと、気鋭の作曲家とのコラボ盤という充実の作品群を発表する理由は? Aimerのソロインタビューと、彼女と澤野の対談を通じてその真相に迫った。
取材・文 / 成松哲
「ガンダムUC」に少し恩返しできた気がする
──まずは先月リリースのシングル「StarRingChild」、オリコン週間シングルランキング3位獲得、おめでとうございます!
ありがとうございます。
──前々作のシングル「RE:I AM」が6位で、「StarRingChild」が3位。順調にステップアップしているといえばそれまでなんだけど、「ベスト6」っていう言い方はない半面「ベスト3」という言い方はあるわけで。
そうですね(笑)。
──その「ベスト3」に入るってどういう気持ちのするものなんですか?
まず「ガンダムUC」の最終章に対する皆さんの思いって本当に強いんだなっていうことを感じました。
──ただ「ガンダムUC」ファンも好きなアニメの主題歌だからっていう単純な理由でCDを買ったわけではないと思うんですよ。やっぱり楽曲の力ありきなのかなって。
ありがとうございます(笑)。このあいだお話した通り(参照:Aimer「StarRingChild」インタビュー)、「ガンダムUC」の最終章の主題歌を任せていただけたことはすごく光栄なこと、誇りに思っていたので、微力ながらにではあるんですけど、恩返しできたかなっていう気は確かにしています。
“眠れない夜”を越えて“真夜中の太陽”を見つける
──その「StarRingChild」リリースから1カ月後となる今月、ソロアルバム「Midnight Sun」と澤野弘之さんたちとのコラボ盤「UnChild」が同時に発表されたわけですけど、制作は「StarRingChild」と同時期に?
同時進行ではないんですけど、ほぼ連続してました。「UnChild」のレコーディングが2月に始まって3月中旬に終わったのかな。で、3月中旬から4月にかけて「Midnight Sun」っていう感じで。
──前回のインタビューで「2014年はこれまでの活動を踏まえてどんどん動いていく」と言っていたけど……。
本当に忙しくさせてもらっていました(笑)。
──で、前回のインタビューではもう1つ、「StarRingChild」は自身のネクストステップ的な1枚になると言っていて。その直後の「Midnight Sun」もやっぱり正しく“次の”アルバムになってますよね。まず一聴して思ったのが、1stオリジナルアルバム「Sleepless Nights」(2012年)に比べて明るいアルバムだなっていうことで。
そうですね。アーティスト写真自体明るいですし(笑)。
──これまでAimerさんは夜や白夜の中、アー写を撮っていたイメージがあったんだけど、今回は“Sun”、日が照っている(笑)。
はい(笑)。でも左下のほうに少し影が差していて、これが“Midnight"、夜のイメージなんです。今回はその暗闇を照らすような力強い光を放つ曲を歌いたくて。「Sleepless Nights」=“眠れない夜”を越えて、「Midnight Sun」=“真夜中に太陽”を見つけたっていうアルバムにしたかったので、こういうタイトルを付けて、アー写も明るいものにしてみました。
──ほんの2年前まで“眠れない夜”を送っていた人が、なぜ“真夜中の太陽”を見出せるように?
去年リリースした「RE:I AM」の影響が強いんだと思います。“Aimer”のアナグラムになっているタイトルを持った、力強い曲を初めて歌ったことで、ボーカリストとして1回生まれ変われたような気がしていて。まず「RE:I AM」のような曲ももっと歌っていきたいと思うようになって、その思いがだんだん「いろいろな声色を試してみたい」「いろいろな歌を歌ってみたい」っていう気持ちに変化していったんです。
- Aimer 2ndアルバム「Midnight Sun」/ 2014年6月25日発売 / DefSTAR Recordst
- 「Midnight Sun」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3600円 / DFCL-2068~9
- 通常盤 [CD] 3200円 / DFCL-2070
CD収録曲
- WHEN YOU WISH UPON A STAR -prologue-
- 眠りの森
- 7月の翼
- words
- Cold Sun
- AM03:00
- 小さな星のメロディー
- VOICE
- RE:I AM
- StarRingChild
- 星の消えた夜に(Re-echoed by Genki Rockets × give me wallets)
- Iris
- WHEN YOU WISH UPON A STAR
初回限定盤DVD収録内容
- 「眠りの森」MUSIC VIDEO
- 「今日から思い出」MUSIC VIDEO
- 「ポラリス」MUSIC VIDEO
- 「RE:I AM(Live ver.)」
- SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer アルバム「UnChild」/ 2014年6月25日発売 / DefSTAR Recordst
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3600円 / DFCL-2068~9
- 通常盤 [CD] 3200円 / DFCL-2070
収録曲
- UnChild
- StarRingChild -English ver.-
- A LETTER
- Destiny
- But still...
- Just say good bye
- Next 2 U
- bL∞dy f8
- REMIND YOU
- EGO
- Because we are tiny in this world
- RE:I AM -English ver.-
Aimer(エメ)
女性シンガーソングライター。幼少期より両親の影響で音楽に親しみ、ピアノやギターでの作曲や英語での作詞を始める。15歳のときに声が一切出なくなるアクシデントに見舞われるが、回復とともに独特の歌声を獲得。2011年から本格的に音楽活動を開始し、2011年9月にシングル「六等星の夜 / 悲しみはオーロラに / TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」でメジャーデビューを果たす。以来、2012年8月発売のシングル「あなたに出会わなければ ~夏雪冬花~」がテレビアニメ「夏雪ランデブー」のエンディングテーマに、2013年のシングル「RE:I AM」がアニメ「機動戦士ガンダムUC episode 6 ~宇宙と地球と~」の主題歌に採用されるなど、各方面から大きな注目を集める存在に。そして2013年11月にはスタジオ収録の新曲とライブ音源をパッケージしたアルバム「After Dark」を、2014年5月、表題曲が「機動戦士ガンダムUC」シリーズ最終章となる「episode 7 ~虹の彼方に~」の主題歌に採用されたシングル「StarRingChild」を発表。さらに6月には2ndソロアルバム「Midnight Sun」と、「ガンダムUC」シリーズの劇伴を手がけ、「RE:I AM」「StarRingChild」のプロデューサーでもある澤野弘之らとのコラボレーションアルバム「UnChild」を同時リリースした。