ナタリー PowerPush - agraph
新鋭エレクトロニカアーティストのアニヲタ疑惑を徹底検証
お前らが観てるムギは偽物だ!!
──事前アンケートでは「2010年夏期のアニメで面白かったもの」を3つに絞って挙げてもらいましたが、いくつもの作品がある中で「けいおん!!」「世紀末オカルト学院」「アマガミSS」の3つを選んだ理由は?
最近アニメを観る本数が減ってしまっていて、それぐらいしか観てなかったんですよねー。
──とりあえず最初の3話は観るとか、そういうことはやんないんですか?
あ、やりますやります。でも面倒くさくなって切っちゃったり、逆にそんなに熱心に追ってなかった時期の作品を観返したり。先週は「ストパン(「ストライクウィッチーズ」)」1期を全部観直しました。大学時代は4年間、毎年夏に「銀河英雄伝説」150話を全部観直すっていう苦行を自分に課してましたね(笑)。好きなキャラクターは山寺宏一さんが演じているシルヴァーベルヒです。
──定期的に自分の好きな作品を観直してるんですか?
たまに「あのシーンのあれは何だったんだろう」とか、「今観るとどうだろう」ってのがあるので、数年おきに。作画がものすごい作品はコマ送りで観たり。
──「けいおん!!」などには、そうやって何度も観てしまうような、何か特別な要素が感じられた?
いや、そんなことよりムギたん(琴吹紬)萌え萌えだな~と(笑)。「アマガミ」は絢辻詞役の名塚さんがやっぱイイな~とか、「オカルト」はあのB級感たまらんなぁって感じで。
──「けいおん!!」は幅広い層のファンを抱える大ヒット作となりましたが、この「けいおん!!」ブームについてはどう思われますか?
いいことだと思います。京都アニメーションが得意とする日常っぽい世界観って、ちょっと語弊のある言い方かもしれないですけど、極端な話「観なくていい」ものだと思うんですよ。でも、あんな作品がワンシーズンに1つあるとすごく癒される(笑)。僕、「けいおん!!」はひさしぶりに録画じゃなくてリアルタイムで追いましたもん。すごく良かったです。流行ってるのはいいことだし、実況スレがものすごい勢いで流れるのもいいんだけど、僕はムギたんとマンツーマンで観てたんで(笑)、世間の情報はどうでもいい! 「けいおん!!」っていうか「ことぶき!!」だと思ってました。
──1期(「けいおん!」)のときは澪派だったのが2期(「けいおん!!」)でムギ派に“転んだ”そうですが、それはどんな理由から?
ちょっとねー、2期は澪がメンヘルっぽくなってるから……。今、完全に現実と虚構を取り違えてますね、俺(笑)。あと、お嬢様だったムギがみんなに触れていろんなことに挑戦していく感じが、もうすごくかわいくて。
──僕も同じです。2期でムギの魅力を理解しました。人間関係がひたすらていねいに描かれることで、人間性が浮き彫りになってきたような。
ええ。でもお前らが観てるムギは偽物だ!!
──そんな(笑)。
俺の観てるムギだけが本物だ!!
──わかりました(笑)。2期は特に人間関係がしっかり描かれているなと感じました。特にドラマティックなこともなく、ただ人間関係をじっと観続けるアニメというか。
監督も脚本も素晴らしかった。特に花田十輝さんの脚本がホントにうまくて、かなり引き込まれていきましたね。全話終わった後「来週からどうしよう!」って凹みましたけど、よく考えたら俺は2期でムギに転んでるから、改めて1期を観返すとすごく有意義なんじゃないだろうかと。
君よりも虚構が好き
──「けいおん!!」は映画化も決まりましたね。この話を聞いたときはどう思いましたか?
もう、続きがあるならなんでもいいですよ!
──でも、あのゆるーい世界を映画としてどう作り上げるのか、あまり想像つかないですよね。
2時間ダラダラしてくれればいいですよ、全っ然(笑)。無理やりドラマティックな展開にするぐらいだったら、ダラダラしたやつが観たいです。初日舞台挨拶も行こうかなー。
──これまで舞台挨拶や記念イベントなどに行ったことは?
中学生のとき「ナデシコ」劇場版(1998年公開「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」)の舞台挨拶目当てで、始発に乗って渋谷に行ったんですけど、着いた段階で徹夜組の行列がすごくて「本日の上映はすべて埋まりました」って……。それで、その場で知り合った高校生ぐらいのお兄さん5人ぐらいとナデシコ談義をしながら川崎まで移動して観ました。そんな感じばっかりで、舞台挨拶にはあまりいい思い出がないです。あ、でも昔みやむー(宮村優子)のイベントで、ジャンケン大会で勝ちあがって食べかけのメロンパンをもらったことがあります!
──食べかけ(笑)。そう言えば、「エヴァ」は断然アスカ(惣流・アスカ・ラングレー)派だったそうですね。綾波(綾波レイ)派ではなく。
そうそう。中学校のときにアスカが好きすぎて女の子をフったこともありました。
──えっ!? それはどういうことですか?
「君よりアスカのことが好きだから、ゴメン!」って。
──周りの女の子や友達から「牛尾くんひどい!」って言われませんでしたか?
や、アスカが好きっていうのは心に留めましたよ。それはさすがに言えんだろう(笑)。「君よりも虚構が好き」ってのはいくらなんでもいかんだろうと思っていたので。申し訳ないことしたなと思ってます。
CD収録曲
- lib
- blurred border
- nothing else
- static, void
- nonlinear diffusion
- flat
- a ray
- light particle surface
- while going down the stairs i
- while going down the stairs ii
- lib (remodeled by alva noto)
agraph(あぐらふ)
牛尾憲輔のソロユニット。2003年よりテクニカル・エンジニアとして石野卓球、電気グルーヴ、RYUKYUDISKO、DISCO TWINSの音源制作やライブをサポート。2007年に石野卓球主宰レーベル・platikから発表されたコンピレーションアルバム「GATHERING TRAXX VOL.1」にkensuke ushio名義で参加。agraphとしては2008年12月3日リリースのアルバム「a day, phases」が初の作品となる。