ナタリー PowerPush - あふりらんぽ

解散ライブ盤とともに2人が振り返る あふりらんぽ激動の8年間

純度を守るためにはやめるのがいい

──その場合の“音楽の深さ”とはどういうもの?

ライブ風景

ピカ うーん……何かっていうのを説明するのは難しいけど、ほかのミュージシャンと一緒にやったりする中で見えてきたことでもあったんです。オニは前からいろんな人とやったりしてたんですけど、うちはオニとしかやったことなかったし、オニとだけやってきた8年だったんです。でも、オニが妊娠して、うちはソロを始めたりほかのバンドを始めたりして……それまでオニと2人だけやったのに、いきなり13人の女の子ノイズバンド(モンモン♀トゥナイト)始めたりして(笑)。人と自分の違いや関係を、もっと感じ始めるようになったんです。で、あるバンドのライブを見て、いわば人間って中身はそれぞれ国が違うくらいの、民族性の違いレベルに違う生きもんで、そんな人間同士が何人も集まって1つのバンドで1つの曲を笑いながらやるって、ひとつになってるってこれこそ世界平和やん!って思ったりしたんですよね。

──それは誰のライブ?

ピカ ヒカシューです。ヒカシューの30年記念のライブを見たときに本気でそう感じたんです。うちは当初巻上(公一)さん以外あまり面識がなかったけど、みんなすごくって、巻上さんだけが前に出てるわけでもなく。で、「30年やってようやく自分のしたいことができるようになってきました」って巻上さんが言うんですよ。それ聞いて「うわーっ!」て。もちろんそのほかいろんな影響もあったりして、なんとかやっていこうとしてみたけど、純度を守るためにはやめるのがいいなって結論だった。まあ、これはうちの中での話なんですけど。で、2人でも「うちらはうちらやな」で落ち着きました。

あふりは楽しくできたらそれで良かった

──オニさんの妊娠が解散を考えるひとつのきっかけだったかもしれないけど、一方で、突っ走ってきた活動をリフレッシュできる絶好の機会でもありましたよね。でも、結果としてそうはならなかったのはなぜだったと思います?

オニ う~ん……結局、休んでる間もリリースはあったし、あんまりリフレッシュはできなかったんですよね。

ライブ風景

ピカ 私はやっぱりあふりらんぽで次にできることを待ってしまっていたし。でも、待ってる間にもオニと意見が違うようになっていて。と思うと、やっぱりそのときには別々の道を行くことしか考えられへんかったんかなあ……。

──もしくは、徹底してミュージシャンシップを高める方向に進む選択肢もあったと思うけど、それも望まなかった。

オニ 「練習してスキルを上げよう!」みたいに話していた時期もあったよね。

ピカ あったあった。実際、オニは二胡を始めてたりもしてたし。ポリリズムみたいなことやろうかーとかな。ジャズやってみよう、みたいな。でも、やっぱりなんか違うなぁってなったんですよね。しばらく音楽から離れてどっかに行って帰ってきたらうまくなっていたりして(笑)、結局そういうことか! って。あふりはオニと楽しくできたらそれで良かった。

オニ 初期ですけど、ベースの子を探していた時期もありましたね。結局ええ人おらへんかってやめましたけど。だから、2人だけにこだわってたわけでもないんですよね。

ピカ ほかのバンドにも影響されたしな。LIGHTNING BOLTもそうやし(オシリ)ペンペンズもそうやし。そういう中で自然とそれなりにスキルは高まってはいたと思います。結局、あふりらんぽって、まあ、どんなバンドもそうやと思うけど、何かの影響を受けてるわけで。解散することにはなったけど、やっぱりこの8年ですごい変われたと思います。

何も考えてなかったところが良かった

──あふりらんぽは間違いなくある時代を作ったバンドだと思うんです。なぜ時代を切り開くことができたのだと思いますか?

ピカ 何も考えてなかったところも良かったんやと思う。

オニ ドラムとギターだけ2人、みたいな編成も面白かったのかもしれないですよね。私たちの後に2人だけでやるようなバンドも増えてきたと思うし。

ピカ 活動とかやりやすくなったかもしれへんね。自覚はないけど、そう言われたらそうかもしれへんなあって思いますね。実際、関西周辺のバンドってみんな仲良いし楽しかった。音楽的な共通点はほとんどなかったですけどね。

オニ みんなやりたいようにやってただけやしなあ。

ピカ たまたま同じとこらへんで活動していただけで、シーンやったかどうかはわからないですよね。ただ、すごい理想的な形やったなとは思いますね。つるんでる意識はないけど、お互いリスペクトしてしていて。

オニ それがシーンってことなのかもしれへんな。

ピカ あ、そうか。それがシーンなんか。

ライブ風景

ライブCD&DVD「NEVER ENDING AFRIRAMPO」 / 2011年3月2日発売 / 4900円(税込) / Ki/oon Records / KSCL-1713

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DISC 1 LIVE CD
WE ARE UCHU NO KO TOUR 2010 AFRIRAMPO FINAL LIVE at Umeda Shangri-La, Osaka on 2010.6.26
  1. おいしくなーれ
  2. ミラクルラッキーガールズ
  3. I did Are
  4. それがあふりらんぽ
  5. CAVA
  6. スートブレイコー
  7. ドドドド
  8. あかんこのまま帰さない
  9. 雪景色
  10. あふりらんぽ
DISC 2 LIVE DVD
WE ARE UCHU NO KO TOUR 2010 AFRIRAMPO FINAL LIVE at Umeda Shangri-La, Osaka on 2010.6.26
  1. オープニング ~仲良くしようぜ!!!~
  2. ミラクルラッキーガールズ
  3. I did Are
  4. In the Space Night
  5. それがあふりらんぽ
  6. CAVA
  7. 夏が来た
  8. アートブレイコー
  9. あかんこのまま帰さない
  10. ドドドド
  11. エゴロ島
  12. 星の唄
  13. あふりらんぽ
DISC 3 LIVE DVD

<Live>
あふりらんぽ バイバイ祭り!やっぱり最後はBEARSで!!☆ at Namba BEARS, Osaka on 2010.07.26

  1. ラジャ・マハラジャー with アウトドアホームレス+モンモン♀トゥナイト
  2. あかんこのまま帰さない with ワッツーシゾンビ+クリトリック・リス
  3. ドドドド with 稲田誠+枡本航太+DODDODO
  4. オニピカ★ハート with 心臓&大王(from YDESTROYDE)
  5. 愛してる with BUN666+Hide(from ULTRA BIDE)
  6. 雪景色 with 河端一(from Acid Mothers Temple)
  7. 引き止め男と去る女 with オシリペンペンズ
  8. あふりダムステーション wiwh KA4U+ガルペプシ
  9. ケッコー with 砂十島NANI
  10. ヤーヤーエー with トンチ+須原敬三+和田晋侍+砂十島NANI+山本精一
  11. あふりらんぽ with JB

<Special>

  1. 雪景色 at 12 Galaxies,S.F.on 2005.07.02
  2. 夏が来た at SHIBUYA O-nest,Tokyo on 2005.06.03
  3. プリプリプップップー!?ツアーセッション at Daikanyama UNIT, Tokyo on 2005.12.19
  4. Improvisation at Brooklyn, N.Y. on 2005.7.23
  5. あふりらんぽの100年後
  6. あふりらんぽの100年後(インタビュー編)
  7. 秘蔵映像でヤーヤーエー

<Music Video>

  1. あふりらんぽ
  2. あかんこのまま帰さない
  3. ミラクルラッキーガールズ
  4. エゴロ島
あふりらんぽ

2002年に大阪で結成された、オニ(Vo, G)とピカ(Vo, Dr)の2人からなるバンド。ギターロックに原始的なサウンドを取り入れた個性あふれる音楽性と、奇抜なファッションとパフォーマンスで、結成当初から大きな注目を集める。2003年に初の音源となるアルバム「A」をリリース。2005年にはKi/oon Recordsからアルバム「URUSA IN JAPAN」でメジャーデビューを果たした。メンバーそれぞれのソロ活動も精力的に展開し、音楽性の幅をさらに広げていったが、2010年7月の地元・大阪でのライブを最後に解散。2011年3月、解散ライブの模様を収録したライブCD+DVD「NEVER ENDING AFRIRAMPO」をリリースする。