ナタリー PowerPush - あふりらんぽ

解散ライブ盤とともに2人が振り返る あふりらんぽ激動の8年間

オニにはメッチャいろいろと教えてもらった

──「ライブ、面白いから絶対観にきて!」って太鼓判を押せたのは、自分たちのどういう部分に自信があったからなんですか?

ピカ 解放具合……かなぁ。あんなにパーッと解放できる場所ってステージ上しかなかったんですよ。うち、普段はすごいシャイ?(笑)っていうかマジメなんですけど、ステージに立ったら解放することができた。そういうところを見てもらうと絶対に元気になれると思うし面白いと思えたんですよね。「こんな子でもこんなんできんでー!」みたいな気持ちがあったんですよね。

ライブ風景

オニ そもそも、それまでもいろんなバンドをやってたんですけど、1人ですっごいスッポンポンのアホなノリを出しても誰もついてきてくれへんかったんです(笑)。そんな中、唯一共鳴してくれたのがピカで。その衝撃はすごい大きかったですね。

ピカ ホンマに共鳴って感じやったな。お互いついていったつもりもないし、ただ一緒に「せーの」でやったら演劇みたいになってて(笑)。

オニ ヤバい! 楽し過ぎる!って。それまでって、音を合わせるときに私が口で「プププ~プ~」みたいなことをやったら、「そういうのはやめようや」みたいに言われていたんですよ。でも、ピカとは何でもOK! みたいな感じで。

ピカ うちは高校出て初めてするバンドやったから、バンドってこういうもんかって感じで。でも、それでもオニにはメッチャいろいろと教えてもらいましたね。例えば、スタジオに入らなくてもカラオケボックスに機材を突っ込んだら練習できるとか(笑)、バンドをやるんやったらチラシを作って自分で配って……って、当たり前のことなんですけど、そんなこともうちは知らなかったから。オニは衣装をこうして、メイクをこうして……ってアイデアをポンポン出してくれて、で、うちも「それやったらこういうのはどう?」ってアイデアを出したし。「アフリカ、ホンマに行けるんとちゃうの?」って言ったらホンマに行けたし(笑)。ワールドカップで道頓堀川飛び込んだり、戦争が起きたらまた道頓堀で歌って人に花配ったり(笑)。

オニ 「ほな行こか!」って。

ピカ やる気があるんやったらなんでも実現できる! って気持ちだけやった。もちろん今もそうやけど、少し大人になってできることが大きくなった分、いろいろ考えることもあってすぐには行動できないところも、あの頃は勢いで何でもやっていたんやろな。すぐにできたし、ホンマにいいタイミングやった。

ピーク時に作品を終わらせるってカッコいい

──音楽的なところをほとんど意識せずに、まずは2人で音を出して、どんどん行動していくうちにバンドの存在が大きくなっていった、と。

ピカ ホンマそうです。音楽はオニのほうが当時よう聴いていたし知識もあったんですけど……。

オニ でも「こんなんしよう」って感じでやったことはなかったですね。

ピカ ただ、2人ともコートニー・ラブが好きやった。それだけですね(笑)。だから、キューンからメジャーデビューして、客層もちょっと変わってきたときに、ライブで「かわいいー!」って言われて。うち、そのとき、めっちゃ腹立ってもうたり(笑)。今となってはうれしいけど、その時はまだツンツンな時期やったしな、「かわいいってなんやねん! どういう目で見てんねん!」って。カッコいいって言えよ!みたいな(笑)。

──それは存在として?

ライブ風景

ピカ そうですね(笑)。解散したことも含めて、やっぱり、あふりらんぽってカッコいいバンドやと思うし。うち、ピーク時に作品を終わらせるってカッコいいなあってずっと思っていた節があって。その潔さが。ただ、周囲には何十年と続けている尊敬してるバンドもいて、そういうカッコよさも知ってる。で、実際に、あふりらんぽをやっていく中で、音楽の深さがどんどん見えてきて、後には引けないような気持ちにもなってきていたんです。どこまで続けたら、どうなっていくんやろう? って。どこがピークなんか、わからんもんなんやなって。もちろん、オニとの関係性もそうで。でも、それって、続けることでどうにかなることを追い求めているだけで、ホンマにあふりが好きで続けているのと違うんちゃうかな? って思えてきて。音楽楽しんでやってないっていうか、接着剤とゆうか。ある意味それも音楽の役割なんやろうけど、目的が変わってきた感じがしたんですよね。ただ、ホンマに音楽の深さを実感してきていた時期でもあったと思う。

ライブCD&DVD「NEVER ENDING AFRIRAMPO」 / 2011年3月2日発売 / 4900円(税込) / Ki/oon Records / KSCL-1713

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DISC 1 LIVE CD
WE ARE UCHU NO KO TOUR 2010 AFRIRAMPO FINAL LIVE at Umeda Shangri-La, Osaka on 2010.6.26
  1. おいしくなーれ
  2. ミラクルラッキーガールズ
  3. I did Are
  4. それがあふりらんぽ
  5. CAVA
  6. スートブレイコー
  7. ドドドド
  8. あかんこのまま帰さない
  9. 雪景色
  10. あふりらんぽ
DISC 2 LIVE DVD
WE ARE UCHU NO KO TOUR 2010 AFRIRAMPO FINAL LIVE at Umeda Shangri-La, Osaka on 2010.6.26
  1. オープニング ~仲良くしようぜ!!!~
  2. ミラクルラッキーガールズ
  3. I did Are
  4. In the Space Night
  5. それがあふりらんぽ
  6. CAVA
  7. 夏が来た
  8. アートブレイコー
  9. あかんこのまま帰さない
  10. ドドドド
  11. エゴロ島
  12. 星の唄
  13. あふりらんぽ
DISC 3 LIVE DVD

<Live>
あふりらんぽ バイバイ祭り!やっぱり最後はBEARSで!!☆ at Namba BEARS, Osaka on 2010.07.26

  1. ラジャ・マハラジャー with アウトドアホームレス+モンモン♀トゥナイト
  2. あかんこのまま帰さない with ワッツーシゾンビ+クリトリック・リス
  3. ドドドド with 稲田誠+枡本航太+DODDODO
  4. オニピカ★ハート with 心臓&大王(from YDESTROYDE)
  5. 愛してる with BUN666+Hide(from ULTRA BIDE)
  6. 雪景色 with 河端一(from Acid Mothers Temple)
  7. 引き止め男と去る女 with オシリペンペンズ
  8. あふりダムステーション wiwh KA4U+ガルペプシ
  9. ケッコー with 砂十島NANI
  10. ヤーヤーエー with トンチ+須原敬三+和田晋侍+砂十島NANI+山本精一
  11. あふりらんぽ with JB

<Special>

  1. 雪景色 at 12 Galaxies,S.F.on 2005.07.02
  2. 夏が来た at SHIBUYA O-nest,Tokyo on 2005.06.03
  3. プリプリプップップー!?ツアーセッション at Daikanyama UNIT, Tokyo on 2005.12.19
  4. Improvisation at Brooklyn, N.Y. on 2005.7.23
  5. あふりらんぽの100年後
  6. あふりらんぽの100年後(インタビュー編)
  7. 秘蔵映像でヤーヤーエー

<Music Video>

  1. あふりらんぽ
  2. あかんこのまま帰さない
  3. ミラクルラッキーガールズ
  4. エゴロ島
あふりらんぽ

2002年に大阪で結成された、オニ(Vo, G)とピカ(Vo, Dr)の2人からなるバンド。ギターロックに原始的なサウンドを取り入れた個性あふれる音楽性と、奇抜なファッションとパフォーマンスで、結成当初から大きな注目を集める。2003年に初の音源となるアルバム「A」をリリース。2005年にはKi/oon Recordsからアルバム「URUSA IN JAPAN」でメジャーデビューを果たした。メンバーそれぞれのソロ活動も精力的に展開し、音楽性の幅をさらに広げていったが、2010年7月の地元・大阪でのライブを最後に解散。2011年3月、解散ライブの模様を収録したライブCD+DVD「NEVER ENDING AFRIRAMPO」をリリースする。