生活を切り取った音楽を作るために
──2曲目の「恋する気持ち」はどのような背景で制作されたんでしょうか。
曲はもともとあって、歌詞はロート製薬「恋する肌キュン」のタイアップが決まってから書きました。CMでは、ゆりやんレトリィバァさん演じる女子高生が軽音楽部の先輩とか、いろんな人に恋をしちゃうんです。だけどなかなか実らなくて、「肌ラボ」を使って「キレイになって、恋が実りますように」と願うお話なんですね。「恋する気持ち」はゆりやんさんが演じる女子高生の気持ちになって作詞しました。
──なるほど。今の足立さんは自分自身のことを歌った曲とほかの人のことを歌った曲、どちらが書きやすいですか。
「恋する気持ち」はすでにCMのストーリーが完成していて、それに沿って考えたので作りやすかったです。でもほかの人のことを想像するのは楽しくても、結局は自分の経験談を語ってしまうので、自分のことを歌った曲のほうが書きやすいのかなと思います。
──今後足立さんの作曲方法は、どんなふうに変わっていくと思いますか。
生活の中で切り取れていない場面がまだまだあるんですよね。ちょっとした場面を拾うことで説得力が増すし、もっと共感してもらえるんじゃないかなと思います。
──生活で切り取れてない場面?
例えば家に帰った瞬間だったり、インタビューをしているこの瞬間も歌にできるかもしれないし。もっと視野を広げることができればいい曲がたくさん作れそうなので、アンテナを張っていきたいです。
「恋」は叶わなくて、「愛」は心で感じるもの
──話が脱線しますけど……初めて足立さんを見たときと今では、印象が大きく違っていまして。
あ、そうなんですか!
──当時と比べると、佇まいや言動が大人っぽくなりましたね。
あのときはまだ高校生だったから、「どんな振る舞い方をしたらいいんだろう」とすごく考えてて。とりあえずステージでも番組でも、元気で面白い人になれるよう臨んでいたんですけど……それが空回りしちゃってました。お笑い芸人みたいに笑わせることができないのに、一生懸命ギャグを考えてみたり。
──でも、その熱心さは伝わってきましたよ。
今もそのスタイルは残っているんですけど、もうちょっと冷静になって、自分らしさが出せるようになったかなと思います。
──前作のインタビューでは「これからは大人っぽく見られたい」と話していましたが、今はどんな人物になりたいとイメージしていますか?(参照:足立佳奈「little flower」インタビュー)
誰にでも「話しやすいなあ」と感じてもらえる、友達のような人になりたいですね。
──十分、話しやすい雰囲気はありますよ。
ああ、よかったです(笑)。
──普段の姿はどうなんでしょうか。
「クールにしなきゃ」と思いながら街を歩いちゃうことがあって……。
──どんな様子なんですか?
ふふふ、凛とした雰囲気で歩いてます。視線は前しか向かないで、誰とも目を合わせない、みたいな(笑)。背筋をピンと伸ばしてクールに歩くと、みんなから「あの人なんだろう?」という視線を向けられるんですよ。
──そりゃあそうですよね(笑)。
でも最近はやめたほうがいいかなと思ってます(笑)。誰からも親しまれる人は、そういう雰囲気じゃないので。
──最後にラブソングにちなんで、足立さんにとって恋とはなんですか。
恋とは……叶わないもの。
──それでは愛は?
愛とは心で感じるものですね。
──心で感じるというのは、恋と違うんですか。
恋は「Like」のほうの好きだと思うんです。だけど愛は何か言葉で表すものじゃなく、叶うとか実るとかそういうものでもなくて、「この人といるのは居心地がいい」と心で感じるものが愛じゃないかと。私もいつか、愛を題材にした歌も作れるようになりたいですね。