ナタリー PowerPush - 阿部真央

鮮烈メジャーデビュー! 早熟な才能をキャッチせよ

そこには想像で書いたっていう阿部真央のリアルがある

——デビューアルバム『ふりぃ』には、阿部さんが持っている魅力が思いっきり詰め込まれていますよね。しかも、ものすごいクオリティで。

すべてじゃないですけど、凝縮した感じはありますね。これを聴いてもらえれば、とりあえずわかるよって感じだと思います。全部、高校時代に作った曲なので、これが阿部真央の原点みたいな感じもあるし。よくできたなぁ、よく作ったなぁ、すごいなぁって思いました(笑)。

——その感想は、これだけの曲ができたことに対して? それとも1曲ごとの仕上がりに関して?

全部ですね。今おっしゃった2つもあるし、アルバムという形に作り上がったってこともそうだし。素晴らしいし、喜ばしいことだなぁって。

——全10曲を聴かせていただいて驚いたのは、曲のスタイルに合わせて変化する歌声のバリエーション。ものすごく幅広いですよね。

自然に変わるんですよね。もちろん表現をするときはメリハリがつくように意識はしますけど、曲を作る段階でその主人公の声とかはもう決まっていて。それは作ってるというよりは、この歌にはこの阿部真央が合うだろうなってキャスティングするというか。そういう感じなんです。

——なるほど。そのキャスティングで迷うこともあったりします?

それはないです。たぶん違和感がありますからね、違う子を当てはめると。これじゃちょっと視聴率とれないだろみたいな、そんなことは考えないですけど(笑)、でも違うなぁとは思ったりします。

——阿部さんの中には曲の数だけいろんな顔があるってことになるわけですね。

そう。全部がホントに自分なんですよね。いろんな阿部真央がいる。そう考えると、阿部真央ってどんな人間なんだろうって思っちゃいますよね。もうわけわかんない。何考えてるんでしょうね(笑)。

——で、そんな声の魅力は、ピアノだけの「Don’t leave me」や、ギターだけの「情けない男の唄」なんかで、より顕著に味わうことができたりもして。

それをイイって言ってもらえるっていうのは、きっとホントにイイってことなんだろうなって自分でも思います。ある意味、自分の力試しというか、どこまで他のものに頼らずにできるのかっていうことですからね。最高はアカペラだと思うんですけど、弾き語りでもそういうところはあると思います。そういうシンプルさっていうのは大事だなぁと思いながらやっていました。

——そのへんの感覚はストリートライブでの経験も反映されてるんですかね?

確かにそれはあるかもしれないですね。どうやったら声とギターだけっていうのを越えた聴かせ方ができるかっていう部分で。路上はそういうのが勝負でもありますからね。

阿部真央写真

——あと恋愛モノの楽曲で見せるキュートな表情もすごく魅力的だなぁと。

それも阿部真央です(笑)。恋してるときの曲はバカだなぁって思いますけどね、聴いてると。恥ずかしいこと言ってるみたいな。それがきっと恋なのかなとも思いますけど。でも基本的には片想いなので、曲として届けたいんじゃないでしょうか、相手に(笑)。

——え、でも最初に作った「MY BABY」は片想いの曲ではないですよね。

あれは想像なんです。ただ、そこには想像で書いたっていう阿部真央のリアルがあると思ってるんですよ。私だったらこうだなって想像する理想っていうのは、そのときの阿部真央のリアルになるじゃないですか。だから、そういう意味で書いたと思うんですけど。

——想像とは思えないほどにリアル。ご自身でも言ってましたけど、ちょっとエロいし(笑)。

そりゃ誰でもエロいと思いますよ、その時期は。みんなカマトトぶってますけど(笑)。

——高1はエロいんだ。

ま、正確には中2くらいからみんなエロい(笑)。

——アハハハ。では念願のデビューを果たした今、未来については何か思っていることはありますか?

とりあえず正直にやっていこうっていうことですかね。阿部真央が音楽に埋もれないようにがんばろうと思ってます。基本的に変化を恐れている人間なので、今までのような曲が書けなくなったらどうしようとか、自分が変わっていくことが怖かったりもするんですけど、そういう部分も楽しめるようになったら最高だなって思いますね。

——ライブなんかはどうですか?

ライブのほうがいいねってみんな言ってくれるので、ぜひチェックしてもらえたらなって思います。ライブはそのときの阿部真央が切り取られているはずなので、おもしろいと思いますよ。

——MCではバンバンしゃべる感じで?

しゃべりません! しゃべるのヘタなので。緊張しますし、盛り上げるのがヘタなんですよね。「イエーイ!」とか言えないんですよ、恥ずかしくて(笑)。どっちかっていうと「ど~もぉ」みたいな感じなんで、あんましゃべらないほうがいいのかなって。その分、歌で爆発させればいいかなって。

デビューアルバム『ふりぃ』期間限定生産盤 [CD+DVD] / 2009年1月21日発売 / 2625円(税込) / PCCA-02815 / ポニーキャニオン

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CD収録曲
  1. ふりぃ
  2. 人見知りの唄~共感してもらえたら嬉しいって話です~
  3. MY BABY
  4. キレイな唄
  5. デッドライン
  6. Don't leave me
  7. コトバ
  8. want you DARLING
  9. 17歳の唄
  10. 情けない男の唄
阿部真央(あべまお)

1990年1月24日生まれ。大分県出身。愛称は「あべま」。高校1年のときにギターを始め、地元・大分市を中心に弾き語りで路上ライブを開始。高校2年のときに「TEENS' MUSIC FESTIVAL 2006」に出場。大分県大会で優勝し、全国大会では奨励賞を獲得する。高校卒業後、2008年春に上京。2008年10月に「MY BABY(AG VER)」がiTunes Store「今週のシングル」に選ばれ、合計10万ダウンロードを記録。オフィシャルMySpaceのプロフィールビューも開設2カ月で10万件を獲得する。2009年1月21日アルバム「ふりぃ」でポニーキャニオンからメジャーデビュー。