ナタリー PowerPush - 阿部真央

鮮烈メジャーデビュー! 早熟な才能をキャッチせよ

歌でウソをついてなんの意味があるんだろうって思うんです

——オリジナル曲が生まれてからは、何か変化はありました?

当時、カバー曲の練習をするために路上に出てたんですけど、そこで知り合った同い年のグループの人に誘われて、ちっちゃい大会に出たんですよ。ホントはカバーをやるつもりだったんですけど、その「MY BABY」があったので、せっかくだからと思って歌ったらグランプリを頂きまして。

——すごいじゃないですか!

でも、その時点ではまだ人に聴かせる気にはなってなくて。で、その3カ月後にギター教室の店長に勧められて「YAMAHA TEENS’MUSIC FESTIVAL」に出たら、またグランプリを頂きました。そこからどんどん進んでいって、こうなった感じです。

——なんかサラッと言ってますけど、ものすごいことですよね(笑)。さすがに気持ち的にも変わってきたんじゃないですか?

優勝した時点ではぜんぜん変わってなかったです。曲もまだ4曲しかなかったですし。でも、そこから今の事務所の育成契約をしてもらって、その4曲を録音することになったんですけど、そこくらいからだと思います、ちょっと気持ちが変わってきたのは。そうやって注目してもらえたり、曲に関していろいろ言ってもらえるっていうことは、私の作る曲には何かしらがあるんだろうなって思ったし、そこまでやってもらえるならがんばってもっと曲を書いてみようかなって。それにデビューできるっていうことは、歌えるっていうことですからね。ぜひやらせてくださいと。

——そこで経験した初めてのレコーディングはどうでしたか?

最初やっぱ泣きましたね。ぜんぜんうまくいかないし。「もう1回いってみましょう」とか言われて、「えぇ!」みたいな。それまで自分の歌に対して持っていた自信みたいなものがへし折られた感じですよね、実際。違うんだなぁと思って。自分の歌がその場の人に全部聴こえてしまうことへの照れもあったし。最初はホントにキツかったです。でも、それもだんだん楽しくなっていくんですけど。

阿部真央写真

——どんな部分に楽しさを見出したんですか?

歌ってるときは自由っていう楽しさ。やりたい放題やったほうが「いいね」って言ってもらえたんですよ。そのことに対しての気持ちよさ。じゃ、もっとこうしてやろうとか考えていく楽しみ。そういうのがやっぱりレコーディングを通して知ることができました。で、その好き勝手やるっていうことは、その後の曲作りにも反映されていったので、すごく良かったなぁって。

——型にはまらない自由な音楽性っていうのは、音源を聴かせていただくとすごくよくわかりますよね。ホントにさまざまなタイプの曲があって。

いろいろあるっていうのが私のスタイルかなって思いますね。曲に対して正直であることっていうのだけは守ってますけど、それ以外に関しては「これが私だろうな」とかは思わないようにしてるんですよ。それはなんでかって言うと、「これが阿部真央だ」って決めるのは私じゃなくて、聴いてくれる人でいいと思うから。ホントにいろんな曲があるから、そのうちのひとつを阿部真央だと思う人がいたとしたら、その阿部真央を愛してもらえばいいと思うし。私から生まれたものは全部、阿部真央ですからね。全部が私だから。

——ひとつのイメージを押しつけることはしないと。

はい。押しつけたりしちゃうと、後でどっか別のところに行きたくなったときに困るじゃないですか(笑)。だから、それでいいかなって。

——曲に対して正直であることっていうのもすごく納得できるところで。すべての曲で、感情をものすごくストレートに吐き出していますよね。

歌でウソをついてなんの意味があるんだろうって思うんですよ。歌の中でウソをつくのは面白くないと思っているんで、だったら自分は正直にならないといけないなって。そう思って書いた結果、いろんな人が聴いてくれて、「すごく響いてきました」とか言ってくれるので、私はこれからもそこは貫かなきゃいけないなとは思ってます。

デビューアルバム『ふりぃ』期間限定生産盤 [CD+DVD] / 2009年1月21日発売 / 2625円(税込) / PCCA-02815 / ポニーキャニオン

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CD収録曲
  1. ふりぃ
  2. 人見知りの唄~共感してもらえたら嬉しいって話です~
  3. MY BABY
  4. キレイな唄
  5. デッドライン
  6. Don't leave me
  7. コトバ
  8. want you DARLING
  9. 17歳の唄
  10. 情けない男の唄
阿部真央(あべまお)

1990年1月24日生まれ。大分県出身。愛称は「あべま」。高校1年のときにギターを始め、地元・大分市を中心に弾き語りで路上ライブを開始。高校2年のときに「TEENS' MUSIC FESTIVAL 2006」に出場。大分県大会で優勝し、全国大会では奨励賞を獲得する。高校卒業後、2008年春に上京。2008年10月に「MY BABY(AG VER)」がiTunes Store「今週のシングル」に選ばれ、合計10万ダウンロードを記録。オフィシャルMySpaceのプロフィールビューも開設2カ月で10万件を獲得する。2009年1月21日アルバム「ふりぃ」でポニーキャニオンからメジャーデビュー。