タイトなTシャツにねじ込む菅原さん

田邊　BLUE ENCOUNTを組んだのは高校生活が終わるくらいのときなんですけど、その頃に9mm先輩がRADWIMPSのツアー（2006年12月に行われた「ソナタと行く冬のツアー」）に出ていて、「なんだこのバンドは！」と衝撃を受けました。その頃から僕の中では「ファッションリーダーだぜ9mm先輩！」なんですよ。

菅原　そうなの？（笑）

田邊　そうなんです。ちょうど上京するタイミングの19、20歳のときもガッツリライブ映像を観ていて、新宿LOFTのワンマンライブでの菅原さんの服装がカッコよくて、出で立ちを全部コピーしたいと思ったんです。あるとき菅原さんがジャケットを着てライブをされてたときがあって。それも真似しようと上京してすぐに原宿のWEGOに駆け込みまして、3000円くらいのジャケットを買って。夏フェスシーズンになると、当時の菅原さんはタイトなTシャツを着てらっしゃって。なんかBoAさんの曲みたいですけど……タイトなTシャツにねじ込む菅原さんのボディ。ホントにそれがめちゃくちゃ美しいシルエットなんですよ。僕はまたそれを真似しようと、サンキューマートで売っている“ピチT”を買いに走って。でも俺は空手をやっていたせいかガタイがよくて、想像とは違う出で立ちでライブやってましたね……。

9mmをまっとうし続けるということ

斎藤　楽屋が一緒だと、9mmメンバー4人ともめちゃくちゃ練習していて。もちろん演奏力はライブをパッと観たらわかると思うんですけど、9mmってずっと変わらず9mmの音楽性を貫いていてすごいなと思います。そんなふうに考えていたら、この前LIQUIDROOMでツーマンをしたときに、（かみじょう）ちひろさんと話す機会があって。そしたらぽろっと「俺ホントはジャズとかやりたいんだよね」とおっしゃっていて。

田邊　載せて大丈夫なのか……？（笑）

菅原　ノーカットで大丈夫。全部載せたい（笑）。

斎藤　ごめんなさいごめんなさい。表現が難しいですね。ただライブになるとやっぱり圧倒的に9mmのドラマーで。でもちひろさんの思いって、きっとそれぞれ皆さんが抱えているところで、卓郎さんがキツネツキとしても活動されたり、ソロで活動されたりっていうところもそうなのかなと思うんですけど。そういうそれぞれのミュージシャンとしての思いやこだわりを抱えながら、9mmは9mmをまっとうし続けているっていうのがめちゃめちゃ愛しいなって。

滲み出る人間性と説得力

山田　背中なんですよね9mmって。「背中がいいよ9mm！」。

菅原　フェチっぽいですね（笑）。

山田　ステージの袖からライブを観ていたりすると、ここ5年くらいで9mmの背中がどーんとデカくなったなと思っていて。メンバー1人ひとりとプライベートでの関係もできてきて、音楽以外でもどういう人生を歩んでいるかをわかっているからかもしれないけど、それぞれの人生がメンバー全員の背中に出てきてる。ステージ上に、“人間”が出てくるのは美しいんですよね。曲にも説得力が増してきて。自分も同じミュージシャンとして9mmの曲を聴くと、励まされる。曲でもライブでも説得力やリアリティがあるというか、いろいろな経験をして今9mmはここに立ってるんだっていうのを、背中を見て改めて感じると震えますね。