音楽ナタリー Power Push - 9mm Parabellum Bullet
菅原卓郎&中村和彦が語る、凝縮した4人の個性
長く続けることで生まれる9mmらしさ
──それぞれの楽曲に4人の個性を濃縮しながら、作品全体の印象として9mmらしさがまったく損なわれていないのはなぜなんでしょうね?
菅原 例えば、友達の結婚パーティとかそういう場で急きょ演奏することになったときに、いつもの機材を使わなくても俺ら4人が演奏すれば9mmのサウンドになると思うんです。それは4人のタイム感を含むプレイの個性とその集合が9mm独自のものであるからで、長い期間続けることによって生まれるバンドの個性がそこにあるんですよね。すべてのバンドに言えることだとは思うんですけど。
──どのバンドにとっても、初期の作品というのはそのバンド独自のサウンドをリスナーに知ってもらうことが大事だと思うんですね。そしてそのサウンドを確立したからこそ、今回の9mmは4人がそれぞれに個性的な曲を心おきなく書くことができた、と。
菅原 そうですね。すべてをガラッと変えたわけではなく、揺るぎない土台があって、そこにちょっとずつ新しいことを積み重ねたことで全体として新しい作品になっているんじゃないかな、と。「それは違うんじゃない?」って言うんじゃなく、「こういう感じでやってみない?」って提案できるようにならないとバンドに与えるものは何もないと考えていて。今回の作品では作曲者がプロデュースを担うことで、そういう意味で、各自が持つアイデアを押し進めることができたんじゃないかなと思います。
──その結果として、ラテンリズムを織り込んだ「反逆のマーチ」から、UKロック的な叙情感をたたえた「Lady Rainy」、メロウなファンクナンバー「スタンドバイミー」など、作品の幅は相当なものになったんですね。
菅原 ですね。東京スカパラダイスオーケストラの谷中(敦 / Baritone sax)さんも言ってたんですけど、今回は意外とワールドミュージック的な広がりがある気がしますね。
──この作品を聴くと9mmにはまだ開けてない引き出しがいろいろありそうな気がします。
菅原 そう、いっぱいあると思う。今までは出すまでもないかなと思っていたことが、いざ出してみたらこんなに使えるんだなってことがわかった、発見のアルバムでもあります。
Sazanga Recordsからのリリース
──今回の作品は2013年に設立した自主レーベル・Sazanga Recordsからのリリースになるわけですが、レーベル運営に関してはいかがですか?
菅原 特に俺たちにビジョンはないですね(笑)。このレーベルで何か新しいことをするというより、いろんなことにいちいち納得しながら、自分たちの活動をやっていきたくて。そのために自分たちのレーベル・Sazanga Recordsを設立し、そしてTRIADとタッグを組むことを選んだんです。俺個人としては自由な感じ、身軽な感じがちょっとあるかな。
中村 今までなかったわけじゃないけど、自主レーベルになってより責任感をもって音楽に取り組めるようにもなった気がする。
菅原 新人バンドのリリースが決まったり、レーベルとしてもちょっとずつは活動しているんですけど、その采配を俺たちががっつりやっているわけじゃなく、9mmはあくまでSazanga Recordsの中の1つのバンドという感じですね。ちなみに、7月にリリースするTHE BOY MEETS GIRLSは9mmとはまったくタイプの違ういいバンドですよ。
──バンドとしては全国ツアーが始まりますが、その直前の6月19日には日比谷野外大音楽堂でのワンマンも控えています。2008年からなんと8年ぶりになるんですね。
菅原 その間に何度かイベントで出ているんですけど、野音は気持ちいいですからね。時間とともに暗くなって、会場の表情が変わっていくし。俺らは張り切るけど、梅雨空が張り切らないといいなって思ってます(笑)。
公演情報
9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂
2016年6月19日(日)東京都 日比谷野外大音楽堂
9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”
- 2016年6月24日(金)
- 山形県 酒田MUSIC FACTORY
- 2016年6月26日(日)
- 青森県 青森Quarter
- 2016年7月9日(土)
- 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2016年7月10日(日)
- 富山県 MAIRO
- 2016年7月12日(火)
- 京都府 磔磔
- 2016年7月13日(水)
- 三重県 M'AXA
- 2016年9月18日(日)
- 熊本県 熊本B.9 V1
- 2016年9月19日(月・祝)
- 福岡県 DRUM LOGOS
- 2016年9月21日(水)
- 愛媛県 WStudioRED
- 2016年9月22日(木・祝)
- 香川県 高松オリーブホール
- 2016年9月30日(金)
- 広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2016年10月2日(日)
- 鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2016年10月8日(土)
- 北海道 Zepp Sapporo
- 2016年10月10日(月・祝)
- 東京都 Zepp Tokyo
- 2016年10月16日(日)
- 愛知県 Zepp Nagoya
- 2016年10月22日(土)
- 宮城県 仙台PIT
- 2016年10月30日(日)
- 大阪府 Zepp Namba
- 9mm Parabellum Bullet ニューアルバム「Waltz on Life Line」 / 2016年4月27日発売 / Sazanga Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 4104円 / COZP-1155~6
- 通常盤 [CD+DVD] / 3024円 / COCP-39538
- アナログ盤 [アナログ] / 4104円 / COJA-9304
CD / アナログ収録曲
- 生命のワルツ
- Lost!!
- 湖
- Mad Pierrot
- 反逆のマーチ
- ロンリーボーイ
- Kaleidoscope
- Lady Rainy
- ダークホース
- 誰も知らない
- 火祭り
- モーニングべル
- 迷宮のリビングデッド
- スタンドバイミー
- 太陽が欲しいだけ
初回限定盤DVD収録内容
QUATTRO A-Side Single「反逆のマーチ / ダークホース / 誰も知らない / Mad Pierrot」 Release Party at SHIBUYA CLUB QUATTRO 2015.09.09
- 荒地
- Invitation
- Mr.Suicide
- Mad Pierrot
- 黒い森の旅人
- Trigger
- Mr.Brainbuster
- 悪いクスリ
- 反逆のマーチ
- Punishment
ゲリラライブat TOWER RECORDS SHIBUYA 2015.09.09
9mm Parabellum Bullet
(キューミリパラベラムバレット)
2004年3月横浜にて結成。2枚のミニアルバムをインディーズで発表したのち、2007年10月に「Discommunication e.p.」でメジャーデビュー。パンク、メタル、エモ、ハードコア、J-POPなどさまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性と、激しいライブパフォーマンスで人気を博している。2014年には2月に日本武道館2DAYS公演「10th Anniversary Live “O”/“E”」を実施し、その様子は5月にリリースされたライブ映像作品「act O+E」にパッケージされた。7月にベストアルバム「Greatest Hits」を発売。このアルバムは初回限定特典としてライブベストCD「Selected Bullet Marks」が付属することでも話題を集めた。12月に6thシングル「生命のワルツ」、2015年9月に“QUATTRO A-Side”シングル「反逆のマーチ / ダークホース / 誰も知らない / Mad Pierrot」を発表し、2016年に自主レーベル・Sazanga Recordsでのリリースプロジェクトを始動し、6thアルバム「Waltz on Life Line」をリリース。