ナタリー PowerPush - 9mm Parabellum Bullet
目標は99周年!9年の歩みを総ざらい
2011年
栗山千明「ルーレットでくちづけを」をプロデュース
──2011年は本当にいろんなトピックがあるんですけど。まず、栗山千明さんのアルバム「CIRCUS」収録曲「ルーレットでくちづけを」をプロデュースしたのは、すごく大きな経験になったんじゃないかなと。
滝 相当よかったですね。思った以上のものができたなと。自分で感動しました。
──つい先日も滝くんは「ミュージックステーション」で栗山さんのうしろでギターを弾いてましたね。滝くんから見て、ボーカリストとしての栗山さんはどうですか?
滝 カッコいいですよ、とても。声質が素晴らしいなと思います。
──合ってるよね、滝くんの曲に。
滝 いや、何を歌っても大丈夫ですよ、栗山さんは(笑)。
菅原 うん。歌にも女優的なところが出てるよね。
4thアルバム「Movement」リリース~全国ツアー「Movement Moment Tour 2011」
──4thアルバム「Movement」(2011年6月リリース)のリリース前に震災があって。ただ、アルバムに「新しい光」や「カモメ」といった震災以降という状況の中でも耐えうる力強い曲が収録されていることは、バンドにとってすごく大きかったと思う。
菅原 うん。そういうエネルギーを持ってる曲を、震災前からずっと作っていたのは間違ってなかったんだなと思いましたね。
──さらに「Movement」は9mmの音楽的な成熟も感じさせるアルバムになっていて。
菅原 まさにそんな感じがします。当時は勢いを重視して「パンチ出すぞ!」って作ってたつもりだったんですけど、今聴き返すとすごく丁寧に作られているなって。
──「Revolutionary」と比べて、スケジュール的にもじっくり作れた?
滝 そうですね。「Revolutionary」のときに感じた不快感を全部払拭するような(笑)。曲としても、腰を据えて響いてくるような曲たちだと思ったし、実際の制作も腰を据えてできました。だから、曲と制作スタイルが合ってたのかもしれない。逆にいえば「Revolutionary」は、あの勢いのある曲と制作スタイルが合っていたのかもしれないですよね。
かみじょう 制作の渦中にいたときはわからなかったんですけど、5枚あるアルバムの中で、一番9mmの理想型にたどり着いてる感じがあると思います。テンションだとか、奇をてらう方向ではなくて、音楽的なまとまりとか完成度を重視するベクトルに振り切った作品だなと。
──そこから横浜アリーナでのワンマン「Movement YOKOHAMA」(2011年6月開催)があって。この日のライブでは、のちの「MTV Unplugged」につながっていくアコースティックセクションがありました。
滝 この日のLIVE DVD「act IV」(2012年4月リリース)を、あとで観て思ったんですけど、みんなすごい演奏がうまくて(笑)。それまでの「act」シリーズと比べると、どれだけうまいのかすぐにわかるくらい。中身もこだわっただけあって、ボリュームがあるなって思うし。「act IV」は自分たちで観てても本当に面白いんですよ。だから、本当にいいライブだったんだと思う。
──7月からスタートした全国ツアー「Movement Moment Tour 2011」は、日本全体がまだまだ混沌としている中で回ったと思うんですけど。
かみじょう そうですね。でも震災直後に「すぐ東北に行くか? 行かないか?」みたいな話もありました。けど「今じゃないだろ」って話になって、行かなかったんです。まずは「Movement YOKOHAMA」に集中しようと。それを経て、今の俺らにできることは?ってやったのが、このツアーだったので。ストレスのはけ口を求めてた若者たちの手助けになれたらいいなと思ってやりました。結果、みんなホントにいい笑顔になってくれた。俺らとお客さんとで、互いにライブを作っていったような感覚でした。
──震災直後のアクションについては考えることが多かったでしょう。
菅原 そうですね。仮に俺たちが物資を持って行こうとしたとして、BRAHMANとか周りのバンドの人たちみたいにうまくやれるのか?って。俺たちが、俺たちなりの方法でできることをして、元気出してもらおうぜって思ってライブをしてた1年ですね。
台湾&韓国で初海外ライブ
──2011年の夏は、ツアーと並行して台湾や韓国での海外ライブもありましたね。
菅原 韓国にAPOLLO 18っていう、残響レコードからリリースしているバンドがいて。そのAPOLLO 18が、「JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL 2011」で自分たちが出るはずだった大きいほうのステージと、僕らが出る予定だったステージを代えてくれたんですよ。そいつらがフェス側に「9mmが出るから」って頼んで。
──それは彼らが「9mmをたくさんの人に観てもらいたいから」と?
菅原 そうです。「俺たちは9mmが好きなんだ!」って言ってくれて。
中村 話を聞いて、どんなやつらなのかなと思ってたら、すげえバカなんですよ(笑)。これは褒めてるんですけど(笑)。
菅原 打ち上げで一緒に焼肉食べたんですけど、酔っ払ってベロッベロになっちゃってね。送りの車で帰っていくときも、車の窓からメンバーの1人が身を乗り出して「ロックンロール!」って叫びながら、走り去っていきました(笑)。めっちゃアツいやつらでしたね。
» 2012年~
- ニューシングル「Answer And Answer」 / 2013年5月29日発売 / EMI Records Japan
- 完全生産限定盤 [CD+DVD] / 1999円 / TOCT-45078
- 完全生産限定盤 [CD+DVD] / 1999円 / TOCT-45078
- 通常盤 [CD] / 1000円 / TOCT-45079
CD収録曲
- Answer And Answer
- Snow Plants
- Mr.Brainbuster
完全生産限定盤DVD収録内容
- 9th Anniversary Live & Document From “39-Thank You-LIVE” 13.03.09 At Fuurin Kaikan
- ニューアルバム「Dawning」 / 2013年6月26日発売 / EMI Records Japan
- 完全生産限定盤 [CD+DVD] / 4500円 / TOCT-29168
- 完全生産限定盤 [CD+DVD] / 4500円 / TOCT-29168
- 通常盤 [CD] / 2800円 / TOCT-29169
CD収録曲
- The Lightning
- Grasshopper
- Answer And Answer
- Zero Gravity
- シベリアンバード~涙の渡り鳥~
- Scarlet Shoes
- コスモス
- Wild West Mustang
- Starlight
- ハートに火をつけて(Album Ver.)
- Caution!!
- 黒い森の旅人
- The Silence
完全生産限定盤DVD収録内容
完全生産限定 全ビデオクリップ付 SPECIAL EDITION
- The World
- Discommunication
- Termination
- Supernova
- Wanderland
- Living Dying Message
- Vampiregirl
- Black Market Blues
- Cold Edge
- 命ノゼンマイ
- The Revolutionary
- キャンドルの灯を
- 新しい光
- カモメ
- ハートに火をつけて
- Answer And Answer
- 黒い森の旅人
9mm Parabellum Bullet
(きゅーみりぱらべらむばれっと)
2004年3月横浜にて結成。2枚のミニアルバムを残響レコードよりリリースした後、2007年10月に「Discommunication e.p.」で鮮烈なメジャーデビューを飾る。パンク、メタル、エモ、ハードコア、J-POPなどさまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性と、激しいライブパフォーマンスで人気を博し、現在の音楽シーンを牽引するロックバンドの1組として支持されている。2009年9月9日には初の日本武道館公演「999(アット ブドウカン)」を開催し、1万1000人の観客を動員した。2011年6月には4thアルバム「Movement」を発表し、同月に横浜アリーナにてワンマンライブ「Movement YOKOHAMA」を開催。同公演の模様は、2012年4月に「actIV」としてDVDおよびBlu-rayでリリースされている。2012年6月にはMTVの人気企画「MTV Unplugged」に初出演。アコースティックによるステージの模様は、同年8月にDVD+CD作品として発表され話題を集めた。結成9周年を迎える2013年に入ってからは、5月29日に5thシングル「Answer And Answer」を発表。6月26日に5thアルバム「Dawning」のリリースを控えている。