7ORDERが1月13日に1stアルバム「ONE」をメジャーレーベルの日本コロムビアからリリースする。
2019年5月にプロジェクトを始動し、音楽、演劇、アート、ファッションなどジャンルレスに幅広く活動してきた7ORDER。2020年3月には1stシングル「Sabãoflower」、5月には2ndシングル「GIRL」を主宰レーベル7ORDER RECORDSより発表し、本格的に音楽活動を始めた。そしてこのたび、1stアルバム「ONE」を日本コロムビアからリリース。7ORDERにとって初の全国流通盤となる。
アルバムにはこれまで7ORDERのメンバーによる舞台「7ORDER」「RADICAL PARTY -7ORDER-」「27 -7ORDER-」やイベント、オンラインライブで披露されてきた数々の楽曲を収録。プロジェクト始動から約1年半の集大成のような作品となっている。7ORDERはダンススタイルとバンドスタイルの両方を展開するグループで、楽曲のジャンルもロックナンバーからEDMのダンスチューンまでさまざま。メッセージ性の強い歌詞からは、力強く前へと進んでいく彼らの姿勢がうかがえる。アルバム発売日となる1月13日からは、東京・日本武道館と大阪・オリックス劇場で全8公演の1stツアー「7ORDER LIVE TOUR 2021 “WE ARE ONE”」も開催される予定。ここからいよいよ外の世界に向かって大きく羽ばたいていく7人に話を聞いた。
取材・文 / 中川麻梨花 撮影 / 草場雄介
衣装 / カワセ136 衣装協力 / OWDEN (eye's press)
ヘアメイク / 櫻井宥歩、嵯峨千陽(VANITES)
ファンの方々の声を聞いていた
──いつ頃からアルバムを出そうという話が出ていたんですか?
阿部顕嵐(Vo) 半年くらい前、7月に一度「アルバムを今夏に出します」と発表したんですが、その頃はまだ日本コロムビアさんと出会う前だったんです(参照:7ORDER初アルバムリリースを安井謙太郎の誕生日に発表「僕ら7人の『今』を表現」)。
安井謙太郎(Vo) 当初は自主レーベルからリリースする予定だったんですよ。それからいろいろな出会いがあって作品に肉付けをしていって、1月に発売を延期することになり。自分たちの間でアルバムを出そうかという話が出たのは、2020年の春頃だったと思いますね。
──楽曲も増えてきたからそろそろ、ということですよね。イベントや舞台でオリジナル曲は披露されていたものの、音源化されていない曲がほとんどでした。
安井 そうですね。話し出してから1年くらい経って、やっと皆さんに届けられます。
萩谷慧悟(Dr, Vo) 楽曲を披露していく中で、「音源で聴きたい」というファンの方々の声を聞いていたんです。だからやっぱりアルバムにしたいよねって。
──それがいよいよ形になるというのは、皆さんにとって感慨深いことなのではないでしょうか。
安井 まだ盤になったのは見てないんですけど、Apple Musicとかサブスクでアルバムを検索すると、すでに先行配信されている曲と、配信待ちの曲がずらーっと出てくるんです。僕自身、リスナーとして好きなアーティストのアルバムが3曲くらい先行配信されているのを見ながら、「ほかの曲はどんな感じなんだろうな?」と期待して待っていることがよくあって。今、自分たちのアルバムがそういうふうにサブスクに出てくるのはワクワクしますね。
阿部 えっ、サブスクに出てくるの?
安井 出てくるよ!
真田佑馬(G, Vo) 「&Y」とかもう配信されてて、感動するよ?
阿部 あっ、ホントだ! 「&Y」が聴ける!(スマホで検索しながら)
安井 顕嵐はどういう情報を見て過ごしてるの? 何も読んでないでしょ(笑)。
阿部 自分の歌を聴くのって、つい恥ずかしくなっちゃうから(笑)。
みんなで1つの光に向かっていくイメージ
──リード曲「LIFE」は舞台「7ORDER」(2019年8月から9月にかけて開催)のテーマ曲で、7ORDERを始動してから初めてお客さんの前で歌った、いわば7ORDERにとって始まりの歌かと思います。この1年半の集大成のようなアルバムのリード曲を「LIFE」にしたのは自然な流れだったんですか?
安井 これまで自主レーベルから2枚のシングルをリリースしてきたんですが、今回日本コロムビアさんとご一緒させていただくということで、初めて7ORDERの楽曲を聴くという方も多いと思っていて。もちろん新しい曲をリードにする選択肢もあったんですけど、初めて聴いてもらうのであれば、やっぱり自分たちが1年半自信を持って演奏してきた曲でいきたいという思いがありました。
──「LIFE」はLOCAL CONNECTの提供曲ですが、自分の意思で力強く前へと足を踏み出していく7ORDERの生き方や姿勢が体現されている印象があって。そういう意味でも、この曲がアルバムのリードになるのは必然的な感じがしました。
真田 そもそも舞台で使用する楽曲を探していて、「LIFE」はそこで作っていただいた曲なんです。
安井 もともと「こういう曲でこういうテーマで書いてほしい」ってLOCAL CONNECTさんと内容について話していたわけじゃないんですけど、舞台「7ORDER」の物語にとても重なるような曲だったんですよね。
──7ORDERはいつも曲を歌ったり踊ったり演奏したりするうえで、メンバーの間で解釈を深く話し合っているんですか?
萩谷 バンド練習に入ったときに話し合うことが多いですね。グループの音楽面はさなぴー(真田)がリードしてくれているので、「こういう気持ちでやってみようよ」と言ってくれたり。「LIFE」だと、サビの入りの「ここからChange it!」のところは話し合った覚えがある。「ここにピークを持っていきたいよね」って。
森田美勇人(B, Vo) 1曲を通しての気持ちの持っていき方はそれぞれのアプローチがあっていいと思うんですけど、全体的な着地というか、みんなで1つの光に向かっていくイメージは共有しました。ミュージックビデオにもそういうイメージが反映されているのかなと思います。
──「LIFE」もイベントやオンラインライブでの演奏を通して、1年半の中でどんどんブラッシュアップされていますよね。
安井 確かに。最初に舞台で演奏していた頃は、決めのところは萩ちゃん(萩谷)のドラムを見ないと合わなかったんですけど、何度もやっているうちにけっこう感覚的に合わせられるようになりました。
森田 最初は自分たちのための曲だったような気がするんですけど、今は自分たちの気持ちを乗せて歌うだけじゃなく、しっかり人に伝えられるようなパフォーマンスになってきたのかもしれないです。
しっちゃかめっちゃかな曲
──1年半前に同じく舞台「7ORDER」で初披露された「Break it」は、クレジットを見ると7ORDERが作詞に携わっているんですね。当時けっこう尖った曲だという印象を受けたのですが。
安井 さなぴーを中心にみんなで進めていったんですけど、この曲に関してはノリでやったことが多すぎて(笑)。
森田 いろいろな計画がすべて“Break it”してできあがった曲なんですよ!
一同 あはは(笑)。
阿部 いい意味でしっちゃかめっちゃかだよね。
──この曲の勢いのある感じは、ノリで作った部分があるからこそかもしれませんね。
安井 そうかもしれない。でも、このとき反骨的なことを思っていたかと言ったら違います(笑)。
萩谷 全然不良ではなかったです!
阿部 ラップの歌詞とか、バラエティ番組の収録の場で笑いながら作ってたので(笑)。
萩谷 ラップは美勇人やモロ、顕嵐が中心になって作ったんだよね。
諸星翔希(Sax, Vo) 「こんな感じがいいんじゃないの?」って。
萩谷 形だけのfake!
長妻怜央(Key, Vo) AorZ!
安井 So what!!!
阿部 あはは(笑)。あれはもう笑いながら書いてたよね。
──舞台「ヒプノシスマイク」の出演などを通して、この1年半で阿部さんのラップスキルがとても上がっている印象があるのですが、ご自身でもその実感はありますか?
阿部 そうですね。ダンスと近いくらいの感覚には近付いてきました。
萩谷 舞台「ヒプノシスマイク」が終わって顕嵐が帰ってきてからラップを聴いたとき、これまでと全然違ってびっくりしました。勢いが強くなっていて、「顕嵐、また1つステップアップしたな」って。
みんな止まらなくなっちゃった
──中心となっていた真田さんはどういう気持ちで「Break it」を作っていたんですか?
真田 うーん、この曲で何を伝えたかったかというと……おそらくサビの歌詞の「自分の足跡に誇りを持て」ということが言いたかったんですよね。
安井 そこのみ!?
真田 いや、ここは覚えてるんですよ。そのあとに「足音ならせ Keep going my way」とも言ってるから。「自分たちが選んだ道に誇りを持てよ」ということを、俺が7ORDERに伝えたかったんだと思う。自分の選択は間違っていないと誇らなければ、これからの未来を壊せないという。そう考えると、唯一このアルバムで俺の尖ったところを出した曲かもしれない(笑)。俺、いつもけっこう弱気な歌詞を書くんですけど……。
──温かみのある曲が多いですよね。
真田 でも、この曲だけはちょっとイライラしたときに作ってたかもしれないな。
森田 優しいやつがキレたときみたいな感じはある(笑)。
長妻 優しい人が怒ったら爆発するからね。
萩谷 そういうさなぴーの気持ちを受けたからか、この曲はみんな止まらなくなっちゃったね(笑)。
安井 あのさ、「Break it」のサビ、1回違うパターンもあったよね?
長妻 あったね。
真田 “注文取りましょうかバージョン”でしょ?
──“注文取りましょうかバージョン”……?
阿部 “リンカーンバージョン”とか!
森田 全英詞のやつね!
安井 あとAメロが違うメロディのバージョンもあって、美勇人がそれをめちゃくちゃ気に入ってなかった?
森田 気に入ってた!さなぴーが考えたやつでしょ? 不思議な感じだったなあ。
真田 演歌っぽいやつだったよね。(こぶしを効かせながら)時代の流れにー。
森田 作っては壊してみたいなことをずっと繰り返してたよね(笑)。
安井 だからアルバムで曲順に聴くと自分たちとしてはちょっと笑っちゃうところもあるんですけど、「Break it」はライブですごく輝く曲だと思う。
──バンドセットでのギラついたパフォーマンスが印象的です。
真田 ライブだとカッコよさが増すのが、この曲の謎な魅力なんですよね。ベーシストの美勇人が急にラップをし出したり、よくわかんないと思うんですけど。
安井 でもそれはすごく面白い。ベースを弾いている美勇人がラップをし出すところは、7ORDERらしいというか。その発想はけっこう好きですね。
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ダウナーな曲がほしかった