マンガと同じ曲作りの方法

──実際7!!はマンガ原作の映画やアニメとのタイアップが多いですよね。今回の「オレンジ」もそうですが、映画「アオハライド」のコンピレーションアルバムに「アオイハナビラ」を書き下ろしていたり、「ReReハロ」とのコラボシングル「ReReハロ～終われそうにない夏～」を発表していたり。

MICHIRU　「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングやエンディングもやらせてもらってますしね。

──そういう原作があるものに対して曲を書くことに難しさは感じないですか？

MICHIRU　もちろん作品にどれだけ寄り添えるかっていうのは重要だし、一方で7!!のファンの方にも満足してもらわなきゃいけないっていうのは常に考えます。そこは僕らの強みで、僕らは曲を書くときに必ず1人の女子高生を主人公に立ててるんですね。なのでどういったテーマをもらっても曲がブレないんですよ。

KEITA　「ReReハロ」とコラボしたときに南塔子先生が言ってくれたんですけど、僕らの曲作りの方法はマンガの書き方に似てるらしくて。

MAIKO　そうそう、南先生は「自分が描いた主人公がどう動くのかをみる」って言ってて。それってうちらも同じなんですよね。ほかのバンドの方でもメンバー全員で共通のキャラクターを作ってる人はなかなかいないと思うので、それは7!!の強みになってると思いますね。

怖がらずに“おニュー7!!”を見せていきたい

──では常に1人の女子高生を軸に書き続けていたら、男性を主人公にした歌だったり、全然違う歌詞を書いてみたいという欲求は生まれてきませんか？

NANAE　私は歌詞を書くこと自体が苦手なので、全然そこまで意識が回らないです。そういう実力が付いたら挑戦してみたいとは思いますが……。

KEITA　僕は女性目線だとやっぱり苦労するんで、たまに男性目線の歌詞を書き上げてから反転します。主観で書いた男性目線の歌詞を、180度変えて女性目線にする作業をしてバランスを取ってますね。

MAIKO　私は……悩んでます。

KEITA　実は最近もMAIKOの悩み相談を受けたばかりなんですよ。でもMAIKO、人を殺さなくなったよな？

──人を殺す……？

KEITA　「あなたがいなくなって……」みたいな歌詞が多かったんです。

MICHIRU　MAIKOの中で“人が死ぬ＝感動できる歌詞”だったんですよ。

MAIKO　うん、成長しました。人を殺さなくなったので（笑）。

──MICHIRUさんはいかがでしょう？

MICHIRU　実は、今までは1人称は必ず「私」で書いてたんですけど、「僕」にした曲を書き始めています。そういうことができるようになったのは、去年リリースした「STARTLINE」っていうアルバムが大きいですね。僕の中であの作品が、7!!結成10周年の1つの区切りになったので、今後もっと違う形の曲を書いていけるという実感があって。

──なるほど。10周年イヤーを駆け抜けて次のステージに入ったというか、これからまた違った7!!が見れそうですね。

MAIKO　多分“おニュー7!!”になると思います。今回の作品から衣装も大人っぽくなったんですよ。今まではバンド名にかけて7色を散りばめたカラフルな衣装だったんですけど、今回はネイビーと白の2色なんです。これからの7!!としての活動も、今年はもうちょっと挑戦的というか、いろいろ怖がらずにやっていきたいと思っていて。

──確かに「オレンジ」のPVのNANAEさんは髪も伸びてて大人っぽく見えました。

NANAE　ここまで伸ばしたのは初めてなんです。ちょっとずつ大人な7!!に。

MAIKO　「オレンジ」は今までの7!!にない大人っぽいバラードで、そういう意味で新たな挑戦をするっていう決意表明みたいな曲なんです。この曲をきっかけにもっともっと多くの人に7!!を知ってもらいたいです。

──去年は渋谷公会堂での公演を成功させましたが、まだまだ満足していない？

MAIKO　そうですね、あのライブでいろいろ課題も見えたんですけど、自信も付いたんですよ。もっと力を合わせてまだまだできるって感じたので。夢である日本武道館まで突っ走っていきたいです。