バンド感を出すためのギターソロ

──「オレンジ」のアレンジはシライシ紗トリさんですよね。ピアノとストリングスが入っていて、まさしく公生とかをりのイメージとピッタリだと思いました。

MICHIRU　もともとストリングスは自分の頭の中で鳴っていたので、それがメインになっているところはイメージ通りだったんですけど、1番のサビまで僕ら（ギター、ベース、ドラム）がいないっていうのは衝撃でしたね。

──確かに。

MICHIRU　なので7!!にとっては斬新で、こういうアレンジの曲も僕らはできるようになったんだっていう気持ちもありました。

──ただ後半からラスサビ終わりまではしっかりとバンドアレンジになってますよね。

MICHIRU　エンディングのギターソロがあるからだと思うんですけど、あれは最初はなかったんです。KEITAがアイデアを出してくれて入れることにしました。

KEITA　どこかでバンド感を出したほうがいいと思って提案しました。

──ちなみに、そのギターソロの最後の締めの音が……。

MICHIRU　解決音じゃないっていう。普通は不安定から安定へと音が移行して終わると思うんですけど、自分としては物語はまだまだ続くよっていう雰囲気が出せたらと思って、あえて解決させませんでした。

アニメの舞台でのPV撮影

──PVはアニメの舞台にもなっている練馬区で撮影されたんですよね？

MAIKO　はい、練馬文化センターで撮らせてもらいました。

NANAE　アニメで観ていた映像が実際にあるってすごく不思議な感じがしたし、そこで自分たちがPVを撮らせてもらえることに感動しましたね。アニメを観ている人はより楽しめるPVだと思います。

MICHIRU　あと、ピアノを弾いてくれた男性が公生にそっくりなんですよ！ そこも最高だと思っていて。彼、もともと眼鏡をかけてなかったんですけど、撮影当日に「公生に似てる！」って話になって、急遽眼鏡をかけてもらいました。

──そうだったんですか？ 公生に似ている人を探してきたんだと思ってました。

KEITA　ほんとたまたま似ていて。バイオリニスト役の女性にも（かをりに似せるために）金髪ロングヘアのカツラを持ってくればよかったね！ってみんなで悔しがりました（笑）。

椿をイメージした「恋のレシピ」!?

──初回限定盤のカップリングには「オレンジ」と、去年リリースした1つ前のシングル「スタートライン」のアコースティックバージョンが収録されますね。

MICHIRU　先ほどMAIKOが言ったように、去年の秋にアコースティックツアーをやって披露していたんですけど、その雰囲気がすごいよかったのでシングルにも入れようという話になって。アコースティックアレンジだとNANAEの声がすごく通るんですよね。

──これまでも「スノーマン」「ReReハロ～終われそうにない夏～」のアコースティックバージョンはありましたが、今回の「オレンジ」は初めてアコギ1本だけのアレンジですよね。

NANAE　すごく難しかったです。今まで音がたくさんあるからちょっと曖昧にしていた部分もごまかしが利かなくて。楽器が1つだけだと単調に聞こえてしまう可能性があるから、より表現を豊かにしなきゃっていうのも意識しましたね。

──一方、通常盤のカップリングにはKEITAさんが作詞作曲した、シャッフルビートが印象的な「恋のレシピ」が収録されています。先ほどKEITAさんはラテン気質だという話も出ましたが、こういう曲調が好きなんですか？

KEITA　そうですね、こういうテンポ感が聴いてて楽しいんですよね。この曲は恋をしていなかった女の子がある日突然恋に落ちてしまって戸惑う心情を歌いたいなと思って、何かの映画のテーマ曲になればと思って書きました。歌詞の世界観はコメディタッチですけど、アレンジはジャジーな感じにしてギャップを作って。

──不意に恋に落ちるなんて、まさに公生を好きになってしまった椿だと思うんですが……。しかも曲調にも椿の“じゃじゃ馬っぽさ”が表れているし。

一同　確かに！

──「オレンジ」では宮園かをり、「恋のレシピ」では澤部椿のことが描かれていて、このシングルはマンガ「四月は君の嘘」を読む際のBGMとしてもぴったりだと思いました。

MAIKO　それいただこう！

──それを狙ってこの選曲にしたんじゃないんですか？

KEITA　そうですね、「恋のレシピ」は僕が澤部椿をイメージして作った楽曲で、シングルを通して作品の世界観を描くために……。

MAIKO　さっそく使ってる（笑）。