テーマは「聴ける少女マンガ」

──新曲「ReReハロ～終われそうにない夏～」は、南塔子さんの人気マンガ「ReReハロ」との完全コラボ作品。その内容はあとで語っていただくとして、そもそもメンバーの皆さんが南先生のファンだったんですか？

MAIKO　特に私が好きだったんですけど、このコラボ前に南先生の前作「360°マテリアル」を読んでいて「ヤバイ！」と思っていたんです。ありきたりのストーリーじゃ全然なくて、胸がキューンとなって、あんなに心臓が痛くなったのもひさしぶりで……。あと南先生の言葉遣いがすごく印象的なんですよ。「心の中に白い飛行機雲がかかった」みたいな、そのまま歌詞になりそうなフレーズも多くて。もちろん、「ReReハロ」も読んでてすごく面白いです！

──そういう経緯もあって、今回のコラボは皆さんのからオファーを？

MAIKO　そうですね。私たちの歌詞も10代の女の子が主人公だし、少女マンガにも通じるところがあるのでは？ということで。だから今回の7!!のテーマは「聴ける少女マンガ」です！ ちなみに、先生からOKをもらえたときはめっちゃうれしくて、初めてお会いしたときは何度も握手しちゃました（笑）。

NANAE　普段から「7!!の曲は少女マンガみたいだね」って言ってくれる人がすごく多いので。今回リアルにその少女マンガとコラボできるということで、メンバー全員すごくワクワクしましたね。

──楽曲は今回、KEITAさんの作詞作曲。それはどうやって決まったんですか？

MICHIRU　何曲か候補があったんですが、その中からメンバー、プロデューサー含めみんなの話し合いで選びました。

MAIKO　実は最初にKEITAの曲を聴いたとき、みんな意表をつかれたんです。普通、少女マンガとコラボといったら明るめのポップソングをイメージするのに、これはしっとりした切なさがあって。でもそのメロディに歌詞がいい具合にハマってたし、描写も具体的だったから1つの物語を読んでるような感覚になって。「こういうのもアリだなー」って、みんなビックリしつつも納得しましたね。

──当のKEITAさんは、この曲をどのように作ったんですか？

KEITA　まずは「ReReハロ」の1話を読ませていただいて、マンガの世界観を頭に入れました。それで、自分の高校時代を思い出したときに、今とあの頃では夏の暑さの感じ方が違うなって思ったんです。昔のほうが断然暑かったし、その夏の暑さと恋する熱さをうまく掛け合わせたものになれば……というイメージが湧いて、そこから歌詞を書いていきました。主人公のリリコとわがままな御曹司・湊が頭の中で動いてるような感じもありましたね。

客席を見たら、無言で頷いてる人がいた（笑）

──急にタイトルの話になりますが、私、個人的にサブタイトル「～終われそうにない夏～」がすごくいいなと思ったんです。この一文だけでいろんな想像が頭を駆け巡るというか、10代のまっすぐな恋がよみがえってくるというか……。

KEITA　ありがとうございます！ 実は僕も気に入ってるんです（笑）。

──とことんぶつかっていった10代の恋愛を、なんだか思い出しちゃいました（笑）。

MAIKO　確かにあの年代特有の恋愛の熱さってありますよね。今だったら大泣きとかしないもんなー。

NANAE　うん、フラれても泣かないと思う。あの頃はいっぱい泣いたのにね（笑）。

──あとNANAEさんの歌声もすごく透明感があって、サビ頭の歌い出しからスーッと胸に入ってきました。

NANAE　歌詞は暑い夏の描写が多いんですけど、歌はそういう感じではなくて。少し優しくて、涼しい夜に向かっていくような雰囲気を意識しました。あと後半のサビ「夏の海に上がる花火～」のところは、花火が上がるシーンにすべての思いを込めるような歌にしたいと思い、納得いくまで何度も歌い直しました。

──この曲は今年6～7月に開催されたワンマンツアーでも毎回披露していたんですか？

MAIKO　そうですね。このツアーの頭からやってました。

NANAE　ライブ後のサイン会では「新曲よかったです」って言ってくれる人がすごく多かったです。

KEITA　弾き終わった後にチラッと客席を見たら、無言で頷いてる男の人がいたよ。

NANAE・MAIKO・MICHIRU　えーっ!?（笑）

KEITA　うん、うん、わかる、みたいな感じで（笑）。そういう反応もうれしかったですね。

──PVでは「ReReハロ」のキャラクターイラストも登場。このコラボもテンション上がったんじゃないですか？

NANAE　はい！ マンガのキャラクターと共演できるって、めったにないことですから。

MAIKO　南先生が描いた絵の中に私たちが飛び込んで演奏するっていうのが、最初は信じられなかったです。あとでCG合成するから撮影中はグリーンバックだったんですけど、合間に完成イメージのプレビューを見せてもらうたびに「へー、こうなるんだ！」ってビックリしてました。

──あと、このCDだけで読める南塔子先生描き下ろしマンガも豪華ですよね。これについてはいかがでしょう？

MAIKO　マンガは逆に南先生が「ReReハロ～終われそうにない夏～」の楽曲にインスパイアを受けて描いてくださったものなんですけど、もともと歌詞だけでもイメージできた情景が、絵が加わってさらにリアリティが増した感じ。曲を聴いてマンガを読んで……というふうに、リンクさせながら楽しんでもらえるといいのかなって。一度で二度オイシイ感じになってます！（笑）

このコラボで7!!を知って、そこから音楽を好きになってくれたら

──カップリングの「Mr.ハロー」はNANAEさんの楽曲ですね。

NANAE　はい。これはとにかく王道の少女マンガのような曲にしたいと思って作りました。今までいろんな少女マンガを読んで感じた「胸キュン」の思いを込めたくて、1つの物語を作るように書いていきましたね。

──3曲目「愛のしるし」はPUFFYのカバー。どういった経緯で収録することに？

MICHIRU　デビューシングル「フォーリン・ラブ」が映画「高校デビュー」の主題歌に起用されたんですけど、そのときに挿入歌として「愛のしるし」をカバーしないか？と映画サイドからお話をいただいたんです。だから音源自体は当時録ったものなんですが、以前は配信のみのリリースだったので今回が初のCD化になります。

MAIKO　ファンの方からも「CDにしてください」という声をずっといただいていたし、「高校デビュー」の原作も少女マンガで、「ReReハロ」と同じ「別冊マーガレット」の連載だったので、ファン層も近いからいいんじゃないかと。ボーナストラック的に聴いてもらってもいいのかなって思います。

──最後に改めて今シングルについてですが、少女マンガとの異色コラボということで、メンバーの皆さんはどんな広がりを期待していますか？

NANAE　例えば音楽をまだ知らない中高生がマンガ「ReReハロ」を読んで、このコラボで7!!の存在を知って、そこから音楽を好きになってくれたらすごくうれしいなって。そういうことこそがコラボの魅力なのかなって思いますね。

KEITA　ベッドで南先生のマンガを読みながら僕らの曲をヘッドホンで聴いて……っていう、最高の時間を過ごしてほしいですね。今恋してる人もしてない人も「わー、恋したーい!!」とか言いながら読み聴きして、ぜひ熱い夏を過ごしてほしいです！