これは朱里の曲じゃん!
──続いて、全農とのタイアップソング第2弾で、ヒャダインこと前山田健一さんが作詞作曲した「美味いものファンクラブ」について話を聞かせてください。
的場 前回の全農さんとのタイアップソングである「響け!ファンファーレ」が王道のアイドルソング、応援歌だったので、今回ヒャダインさんに作っていただくと聞いたときはどうなるんだろうとドキドキでした。先にデモを聴いたもふくさんから「これはヤバイよ」と言われていたので、実際に仮歌を聴いたときは爆笑しました。虹コンらしさという意味では「RAINBOW SUMMER SHOWER」の中で一番かもしれないです。
大塚 ライブ前はいつも楽屋で声出しするんですけど、この曲をやるときは「お肉!」とか、「胃袋!」っていう独特の単語が飛び交ってて面白いです。
的場 この間の対バンライブでもほかのアイドルさんが同じ楽屋にいる中、みーゆが「嗚呼 なぜ胃袋は一つしかないものでしょう」と高い声で歌っていて。
中村 歌詞が比喩的な表現じゃなく、直接的だから面白いんだよね。「お肉 感謝」って(笑)。歌っていても楽しくて好きです。
──1組目のインタビューで話が出なかった「君色ラテアート」「雨上がり、虹はかかる」の紹介もぜひお願いします。
的場 「君色ラテアート」と言えば中村朱里なんじゃない?
中村 はい! これはもう私の曲です(笑)。雰囲気がかわいらしくて、nobara kaedeさんの歌詞も男の人なら誰しもが「こんなかわいい彼女が欲しい!」と思うような内容で。私も最初に聴いたとき、「こんな彼女いいな……!」って思いました(笑)。あと、7周年に合わせた新曲はどれも虹コンらしい元気な曲になるのかなと予想していたんですけど、そこにかわいらしい曲が入ってきて、「あっ、これは朱里の曲じゃん!」と勝手に思ったんです。「ふわっと胸をあっためる魔法」というフレーズのパートを絶対にもらいたくて、意気込んでレコーディングに行きました。
的場 で、その結果は?
中村 もらえました! この曲はライブでお客さんが声を出せない今の時期に合ってるのかなとも思っていて。盛り上がる曲というよりも、心が温かくなるような曲ですし、虹コンは歌で聴かせるようなパフォーマンスもできるようになってきたので、ライブでは皆さんの心をふわっと温めたいと思っております!
的場 (笑)。「君色ラテアート」はアイドルとファンの歌という解釈もできるよね。アイドルの日々の活動がファンの方の癒やしになってるっていう。
大和 ほんまや……。
蛭田 「好きって想いは元気のパスコード」という歌詞も、推しへの好きという気持ちが元気の源になってるって意味に読み取れるよね。
山崎 私はこの曲で落ちサビを歌わせていただいていて。虹コンってメンバーの人数が多いから歌割りが細かく変わるんですけど、今回は長いパートをもらったんです。
的場 チャンチャン(山崎)の声にめっちゃ合ってると思うよ。
明桜ちゃんが……大人になってる……!
──MICOさんが作詞、ヤマモトショウさんが作曲した「雨上がり、虹はかかる」についてはいかがですか?
蛭田 「雨上がり、虹はかかる」は去年のアルバム(「レインボウグラビティ」)に入っている「ワンルームマジック」に近い曲調で、この曲を聴きながら街中をニコニコ散歩したいです。
大和 でも、オシャカワっていうよりはエモカワだよね。すごくアイドルっぽい。
中村 山あり谷ありな心情を描いた内容で。
蛭田 嫌なことがあってもあとで必ずいいことがあるよって語りかけてくれるような曲で、個人的に好きな曲です。
大和 ファン目線で考えると、推しがこれを歌ってるの見たら泣いちゃいますね。セリフみたいに歌うパートもすごくよくって。(想像を膨らませながらしみじみと)うわー、いいですね……。
大塚 「会えない日々を越え」という歌詞が今のコロナ禍の状況にも重なるので、ライブで歌うときは心に沁みると思います。
蛭田 最後に彩夢ちゃんが「ついてきてね!」って元気にかわいく歌ってるのもいいよね。ファンの方が「これからも虹コンについていこう!」という気持ちになってくれたらうれしいです。
──ここまで2組合わせて全収録曲を紹介いただきましたが、皆さん的にもっと語りたい曲があればよろしくお願いします。
中村 明桜ちゃんあれ言いなよ!
大和 私、「ジャスナウ!」で落ちサビを歌わせていただいているんですよ。この曲は7曲の中で最後にレコーディングしたんですけど、ほかの6曲であまり結果を残せていないと感じていた中、「ジャスナウ!」は自分の音域や歌い方に合っていると思ったので、「絶対にいいパートを取ってやる!」と意気込んでレコーディングに臨んだんです。
的場 作詞のNOBEさんと作曲と村カワ基成さんがスタジオにいらっしゃっていて、明桜ちゃんが「もう1回お願いします!」と貪欲にがんばってるのを見て、すごいグッと来てました。「明桜ちゃんが……大人になってる……!」って。
大和 7周年だし、結果を残したいじゃないですか(笑)。あと、「ジャスナウ!」は愛梨ちゃんのパートにも注目してほしいです。いつもの愛梨ちゃんっぽくないんですよ。
蛭田 レコーディングのときに作詞作曲のお二人に、「いつもカッコいい曲を歌うとき、愛梨ちゃんががんばってカッコよく歌っている感じになっているから、今回はホントにカッコよくやってほしい」と言われてがんばりました。「自分が思っている以上にクセを出して歌ってみてほしい」とのことだったので、今までの私じゃないクセ強マンになってみました。
的場 めっちゃよかったよ! いい感じのクセ強愛梨ちゃんが聴けます! ここが1つの殻を破るきっかけになるんじゃないかな。
山崎 私もいつもかわいい感じで歌うことが多いので、「ジャスナウ!」ではカッコよく歌ってみたいと思って自分なりにがんばってみたんですけど、できあがった音源を聴いたら完全にいつもの自分でした(笑)。ライブでは音源よりもカッコよく歌っていきたいです。
──大塚さんからアピールしたい楽曲はありますか?
大塚 私は「夢の輪郭」で出だしと落ちサビを歌わせていただいて、自分では特に意識してなかったんですけど、この間まーりん(隈本)が「この歌詞は望由先輩のことですよね」と言ってくれたんです。それで改めて聴いてみたら「ぼくは夢をなぞる 何度でも」「なくしたあとに気づくぼくらは」とか、確かにリターンしてきた人間に響く歌詞で、私は「今やりたいことをやろう」という思いを伝えていきたい人間なのでうれしかったです。「ココロPRISM」の最後にある「失敗したって 躓いたって やりなおせばいいんだ 何度でも!」という歌詞も私のパートなので、大事に歌っていきたいと思います。
もう誰も振り落とされないように
──ところでスタッフの方からメンバーが「そろそろ売れたい」と言っているという話を小耳に挟んだのですが、人気は着実に上ってきているものの、7年間も活動していることもあり、もっと爆発的にブレイクしたいという思いが強いんでしょうか?
的場 最近は「売れるとは何か?」みたいな考えになってきちゃうんですけど、私たちとしては武道館という目標があって。それが叶ったら売れたと言えるかはわからないですが、とにかくその夢に近付きたいという意味では売れたいですね。でも、真正面から「売れたいんです!」と言えるようになったのは最近になってからだと思います。
中村 7周年のタイミングで武道館に立てるんじゃないかという漠然とした幻想を抱いていたところもあったんですよね。でも、なかなか思うように活動ができなくなってしまったり、そもそも今の実力じゃできないということに気付き始めたりして。現実を突きつけられたというか、正直悔しさを感じていたので、より意識的に目標を叶えたいと思うようになったんじゃないかな。
大和 以前はほぼ毎日リリイベがあって、毎回メンバーの人数が違っていたのでフォーメーションを覚えるのに必死だったんですよ。大きな目標はあるけど、それよりも次の日のライブのことを考えちゃうっていう。それで気付いたら時間が過ぎていて、コロナの影響でライブがあまりできなくなり、このままじゃヤバいなと思い始めました。
蛭田 1回1回のライブに向き合うようになって、しっかり計画を立てられるようになって。そういう意味でもライブのパフォーマンス力が上がってきたんだと思います。
的場 正直なところ、この1年でライブにより集中できるようになったのは事実です。
──虹コンのライブはファンの声ありきで成り立っていたところがあったと思うのですが、観客が声を出せないという環境に戸惑うことはなかったですか? 以前は虹コン現場発祥のコールがあったくらいでしたし。
大和 私、何年前かの「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)の映像を観て泣きましたもん。「これだよこれ!」って(笑)。
蛭田 コールがあるほうがファンの方との一体感が生まれるのは確かですし、寂しい気持ちはありますね。
──でも、そんな中で制作された「RAINBOW SUMMER SHOWER」は、ある意味、今のライブの形を想定した勝負作でもあるわけですよね。
的場 これからもしばらくはコールを聞けないと思うんですけど、コールがない状態で一からパフォーマンスを作れるのは勝負でもあるし、新しいライブの形を生み出すチャンスでもあるかなと感じています。今は鉄板曲の「トライアングル・ドリーマー」をセットリストに入れないこともあるんですよ。あれはコールありきの曲ですし、代わりにお客さんが手でハートを作ってジャンプする「ずっとサマーで恋してる」を入れることが多いんです。今回の新曲でも新しい楽しみ方を作っていければと思っています。
──7周年を機に、目標に向けてギアを上げていかなければという焦りもあります?
的場 Zeppのステージに立つのに5年かかってしまったので、今のままだと武道館に到達するのにすごい時間がかかってしまう気はしていて。キャパ2000人と1万人の間には高い壁があるし、そこはもちろんギアを上げて、できることなら早く目標を達成できたほうがいいと感じています。とはいえ焦りすぎても、いろいろ見失ってファンの皆さんを置いていってしまったり、メンバー間で考え方が違ってきたりしてしまうと思っていて。7周年を迎えて一番に思うのは、もう誰も振り落とされないようにしないといけないということで、焦りすぎず、着実に階段を登っていきたいと考えています。こういうご時世になって、アイドルは今まで以上に誰かの生活の一部になれるようになったと思うんですよ。見ていて元気になれるっていうアイドルの本来の姿を守りつつ、みんなで一歩ずつ歩いていけたらいいですね。
──今までのひたすらにがむしゃらな姿勢から変化したんですね。
的場 これまでは突っ走っていく感じでしたが、もう7年も経ってしまったならここからは着実に行ったほうがいいと思い始めたのかもしれません。メンバーにもファンにも関係者にも寄り添っていけるグループが一番長く続くんじゃないかなって。
ライブ情報
- RAINBOW SUMMER SHOWER TOUR2021
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- 2021年7月10日(土)神奈川県 CLUB CITTA'
- 2021年7月22日(木・祝)愛知県 DIAMOND HALL
- 2021年7月31日(土)大阪府 BIGCAT
- RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-
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- 2021年8月1日(日)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)