虹コンは泥臭いエモさが似合う
──ほかの収録曲についても熱く語りたいポイントがあればぜひお願いします。
鶴見 私は「美味いものファンクラブ」を最初に聴いた瞬間、「あ、私の曲だ!」と思いました(笑)。食べることが大好きなので、「歌詞に書いてあること、全部私のことだな」って(笑)。全パートを自分が歌うくらいの気持ちでレコーディングに行ったら、結果としてセリフパートが全部私になっていて、後日もふくさんが「萌ちゃんがいてくれて助かった」って言っていたと人伝てに聞きました。
隈本 私は「ココロPRISM」が好きです。歌詞を見てデモを聴いたときにすごい涙が流れてきて。心がウッとなってモヤモヤしているときにこれを聴くとホントに胸に刺さって、がんばろうと思えるんですよ。このご時世のせいで心が病んでしまっている方もたくさんいると思うので、そういう方に聴いてほしいですね。虹コンが「君は大丈夫!」と背中を押すような曲なので、これから大切に歌っていきたいと思います。「ココロ燃やせ」というサビの通り、心を燃やしていきたいなと。
岡田 「きっと時代を動かすのは 地球上で一番 熱いこの気持ち」とか、虹コンのパッションが表れている気がします。
清水 励ます気持ちが直球でバシバシ伝わってくるよね。
──虹コンはにぎやかなアッパーチューンを歌うグループというイメージが強かったですが、いつの間にかエモーショナルな曲が似合うグループになりましたね。
根本 レコーディングで「ココロPRISM」を歌ってたら、「なんか説得力があるね」ってスタッフさんに言われました(笑)。
隈本 虹コンは泥臭いエモさが似合うよね。
岡田 臭そうな感じね(笑)。
まあ、女の子は遊ばれちゃったんだね
──7曲目の「夢の輪郭」もエモさのある楽曲ですが、「ココロPRISM」と違って切ない雰囲気を感じます。
清水 「夢の輪郭」はメンバーでタイトルを考えた曲なんですよ。最初に(的場)華鈴先輩が「僕は夢をなぞる 何度でも」という歌詞がこの曲のテーマになってるんじゃないかと言っていて。私が「表面張力でギリギリ保ってるくらいあふれそうな思いが胸の中に溜まっていて、それが耐えきれなくなってあふれた水が涙になり、水たまりになったというイメージなんだけど、それをひと言にできない?」と話したら、鶴見萌さんが……なんて言ったんだっけ?
鶴見 最初、「水の輪郭」というタイトル案を出したんですよ。でも、もうちょっと考えられるかなと思っていたところ、「『ぼくは夢をなぞる 何度でも』という歌詞と合わせて『夢の輪郭』にしたらいいんじゃない?」ってしみこ(清水)が言ってくれたんです。
清水 夢を追ってるけど、叶わないかもしれない、それでもずっと追っていたいという切なる思いを曲から感じたんです。基本的に、アイドルってずっと続けられるものではないじゃないですか。年齢や人それぞれの状況があるし。だとしても今やってることは無駄じゃない、叶わなかったとしてもあなたの隣にいたいと歌ってるところにグッときたんです。この曲を聴いて考えさせられるものがあったし、これからも虹コンでがんばっていきたいなと思いました。
鶴見 私は自分とグループ、ほかのメンバーの境界線に対して悩んでいる歌にも聞こえました。自分は自分でいる一方、虹コンとしての方向性もあって、その境界、輪郭がわからなくなりそうだけど、「繋いだらぼくら今光るんだ」と歌っているっていう。そういう意味で輪郭というワードを出しました。
──メンバーで曲のタイトルを考えるのはよくあることなんですか?
清水 一から考えたのはこれが初めてですね。思い入れが強くなるほど、曲自体の深みも増していくので、グループにとってはプラスなことだと思います。
鶴見 そのうち作詞をするメンバーが出てきたら、さらに強くなれる気がするよね。
──新曲の中で、桐乃さん的に特に気に入っている曲はありますか?
桐乃 私は「ジャスナウ!」が大好きなんです。「パラダイスな片思い」(2016年発表のアルバム「レインボウエクリプス」の収録曲)の続編として作られた曲なんですけど、「パラダイスな片思い」では片思いしている気持ちが歌われていて、「ジャスナウ!」ではその後どうなっているかが歌詞に全部表れているんですよ。ホントに切なすぎて、曲の主人公の女の子の気持ちになると胸が締め付けられて苦しくなります。
清水 レコーディングのときに作詞のNOBEさんに「この曲、どういう状況なんですか……?」って聞いたら、「まあ、女の子は遊ばれちゃったんだね」と言ってて……。
鶴見 えー!
清水 で、「『それに気付いてたけど、悲しくないよ私』みたいに強がってる感じでお願いします」って言われました(笑)。
岡田 「パラダイスな片思い」はずっと遊ばれてたのか……。
隈本 「鈍感すぎな キミだけど 好きすぎて」とか言ってたけど、鈍感だったんじゃなくて、計算だったんだね……。
とんでもない夏になる
──これから虹コンは新体制として初めての夏を迎えますが、メンバー全員期待に満ちあふれてる感じでしょうか?
岡田 まずは夏の7周年ツアーを乗り越えたあとにどんな手応えを感じられるのか、それがすごく気になっています。虹コンにとって7周年という大事な節目だし、生バンド編成のワンマンも2年ぶりにやりますし、新メンバーも加わった状態でどういう化学反応が起きるのか楽しみです。とんでもない夏になるんじゃないかと私は思っています。
清水 私たちとしては武道館のステージに立ちたいという思いがずっとあって。これまでメンバーの脱退や加入があった中で、その目標は変わってなかったんですけど、ファンの方の中には「武道館の目標はどうなったのかな……?」と思っている人もいるかもしれないから、改めてこのメンバーで武道館に立ちたいという気持ちを共有し合って、ちゃんと宣言したいです。
隈本 6周年のときから1年先の7周年を見据えてここまで走ってきて、たくさんの方に支えられて準備をしてきたので、とにかくこの7周年イヤーを成功させて、もっともっと虹コンを盛り上げていければと思っています。そして7周年の先も明るい未来を作れたらなって。
鶴見 今年の夏が1つの集大成になると思うので、来年の夏はどういう方向に行ってるかがまったく未知の世界なんですよ。もう水着を着てないかもしれないし(笑)。自分たちでもすごく楽しみなので、それぞれの色を出して「これが新しい虹コンだ!」と思えるものを見つけていけたらと思います。