音楽ナタリー PowerPush - 04 Limited Sazabys
日本語を武器に、名古屋から未来を歌う
タイトルは形で決める
──歌詞でのこだわりはありますか?
GEN 今回、母音の「i」で韻を踏んでるのがすごく多くて。
──なぜ「i」で?
GEN 「ひかり」と「未来」っていうのが1曲目のメインの単語なんですけど、それに伴ってどんどん「ri」でつないでいった感じです。“未来”が今作のテーマでもあったので、その未来に伴ってどんどん「ri」とか「i」で踏んでノリを出してる感じですね。
──1曲ずつだったらわかるんですけど、作品全体で韻を踏む音を考えると、言いたいことが言えないってことになったりしないんでしょうか?
GEN 意外と大丈夫でしたね。4曲っていう少ない曲数だからこそできたのかもしれないですね。もちろんシングルで1曲目がリード曲だろうと思ってたんですけど、でも4曲全体で作品にしたかったので、そういう統一感は出したかった。
──シングルのタイトルが「YON」っていうのは“4曲全体で作品”という意味で付けたんですか?
GEN というよりは、4枚目のアルバムで、4曲入りのシングルで、僕ら04 Limited Sazabysで、っていう。今のタイミングで、名刺代わりにもちょうどいいし。で、僕いっつもタイトルは形で決めてて。見たときの形、字面のバランスがいいのが好きなので。「monolith」「sonor」「swim」とかだいたい小文字が多いんですけど。「よん」って考えたときに大文字で「いい形だな」と思って。
──字面でアルバムのタイトルを決めるっていうのは斬新ですね。
GEN 僕、歌詞カードとかも自分自身でデザインしてるので、形、置き方とかそういうの考えちゃうんです。言っちゃえばこの時点でグッズとかのことまで考えるんですよ。「『YON』……いいTシャツできるな」みたいな。
ジブリみたいなものを作りたい
──先ほど歌詞は途中から日本語も取り入れてきたという話をしましたが、曲調は逆に最初から一貫して、ポップでキャッチーなものを作り続けていますよね。
GEN 結局、ポップなものが最強なんじゃないかなっていう感覚があって。もちろん僕たちもちょっとずつ音楽のことが詳しくなってきて、マニアックなこともいくらでもやろうと思えばできるんですけど、そういうことをやってる人は周りにいっぱいいるし。一部の人が評価してくれるっていうよりは、親が聴いてもいいなって思えるくらいのものを僕は作りたくて。子供からおじいちゃんまでがいいと思える、ジブリみたいなもの。なので、入りやすくポップでキャッチーなものを作りたいっていうのはずっとありますね。
──ポップでキャッチーなものって、逆に軽く見られたりすることもあると思うんですが、そういうのは恐れてない?
GEN そうですね。そういうのは歌詞とかでカバーできてるんじゃないかなって思ってて。ポップでキャッチーで楽しい気持ちになる曲だと思うんですけど、メロディだったり歌詞のフレーズだったりで泣かせる要素というか、エモーショナルな部分はあると思うので。だから全然大丈夫ですね。
KOUHEI ただのポップじゃない。
──ジブリみたいになりたいということは……売れたい?
GEN めちゃくちゃ売れたいっす。
──どれくらいいったら「売れた」って思えるんでしょう?
GEN バンドやり始めたときはCD出すことが1つの夢で、4年前くらいにそれが叶いまして。次の夢が音楽でメシを食うことになって、今それがほぼできるような状態になってきて。昔は音楽でメシが食えればそんな幸せなことはないっていうくらいの「売れたい」で、今くらい売れてたら大満足くらいだったと思うんですけど、今は欲が出てきてて。周りの身近なバンドたちもどんどん活躍してるので、それこそKANA-BOONが「Mステ」出たりとか、KEYTALKとかもすごいキテるし、そういうバンドにも負けたくないですし。先輩たちは平気で武道館やったりとかしてて、今までは漠然と夢の話でしかなかったことも現実味を帯びてきて。どんどん行きたいです。
HIROKAZ 周りにそういう人たちがいるから余計に。
GEN 周りの人全員倒せたらゴールなのかもしれないですけど、たぶんどんどん強い敵が現れてくるんだろうな。10-FEET観てやっぱカッコいいなって、「なんであんないいライブしてるんだ」って思ったりするし。
──先輩も含め周りのバンド、どうやって倒していきましょう?
GEN 僕らは日本語で歌ってるので、違う切り口で倒そうとしてるかなっていう感じですね。僕たちにしかない武器を使って倒そうって感じですね。
名古屋で主催フェスをやりたい
──以前GENさんがTwitterに「友達と呼べるような友達は、みんな東京に持って行かれてしまった」と書いていたのが印象的でした。フォーリミは結成からずっと名古屋を拠点に活動していますが、名古屋のバンドシーンについてどう考えてますか?
GEN 僕らがバンドやり始めたときってまだ名古屋にそんなにバンドいなかったんですよね。キッズも正直そんなにいなくて、バンドのツアーでも名古屋飛ばされたりしてて。僕らも名古屋に先輩っていうのがあんまりいなかったんですよ。でも僕らが続けていくうちに同世代とか、それに伴って下の世代とか、バンド自体が増えた。そうしたら名古屋のお客さんも地元のバンドを応援しようみたいなムードがすごく出て、いい空気になってきてるなって思いますね。
──名古屋のシーンができあがってきてるんですね。
GEN 地元を盛り上げたいっていう意識がすごいあるので、10-FEETが京都大作戦とかやってるのすごく憧れで。昔は名古屋にフェスってなくて、最近はちょっとずつ増えてきたんですけど、僕らもそういうことをやりたいなと思います。
HIROKAZ バンド主催のフェスがないからね。
GEN そうしたらもっと名古屋でバンドやろうぜってなる人も増えると思うし。もっと引っ張りたいっていう気持ちもあります。
- 1stシングル「YON」/ 2014年9月3日発売 / No Big Deal Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / NBDL-0020~21
- 通常盤 [CD] 1296円 / NBDL-0022
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CD収録曲
- swim
- labyrinth
- ghost
- No way
初回限定盤DVD 収録内容
- 2014.4.26「monolith tour 2014 final @NAGOYA E.L.L」LIVE MOVIE
- 04LS合宿オフショットムービー
- 04 Limited Sazabys「YON Release party」
- 2014年9月21日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
<出演者>
04 Limited Sazabys / AIR SWELL / EVERLONG - 2014年9月26日(金)大阪府 心斎橋CLUB DROP
<出演者>
04 Limited Sazabys / WANIMA - 2014年10月5日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST(※ワンマンライブ)
<出演者>
04 Limited Sazabys
04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、活動の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなどさまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」発売を経て、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。GENのハイトーンボイス、キャッチーなサウンド、日本語と英語を織り交ぜたユニークな歌詞で人気を集めている。