ももクロ史上最大規模の単独ライブとなった今回は、約6万人のモノノフ(=ファン)が会場に集結。さらに全国55カ所の映画館やライブ会場でライブビューイングも実施され、約2万5000人が同時生中継を楽しんだ。
今回はスタジアムの芝生部分に客席を設けず、芝生の外側にステージや客席を設置。ステージは白い大きなバルーンが乗ったメインステージと、その向かい側に小さいサブステージの2つが用意されていた。定刻を10分ほど過ぎた頃、スクリーンにはオープニング映像が上映され、続いて神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部によるマーチングバンドが入場。「皆さん、ずぶ濡れになる覚悟はできてますか?」という百田夏菜子によるアナウンスが場内に流れると、続いて大砲の音が鳴り響く。これと同時に、メインステージ上のバルーンが破裂し、中からは巨大なメンバーの顔型オブジェが登場。マーチングバンドが「ピンキージョーンズ」「オレンジノート」などをメドレーで演奏すると、ステージ後方からロケットマンが空中へと飛び立ち、客席から大歓声が沸き上がる。そしていよいよライブのオープニングSE「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が会場中に響きわたると、モノノフの熱気は一気に加速。ステージ中央の顔型オブジェの口が開くと、中から赤いジャケットを羽織ったももクロの5人が両手を上げて登場した。さらにステージ上手側のゲートから、マラソンランナーに扮した川上アキラマネージャーが聖火を手に入場。この炎を百田が聖火リレーのごとく引き継ぎ、ステージ後方に高くそびえ立つ聖火台まで運ぶ。
5人が聖火台まで移動したところで国歌斉唱のアナウンスが流れ、ギターを持った
2曲を終え布袋がステージを降りると、百田が「さあ皆さん、まだまだ盛り上がっていくぞ!」と客席を煽る。ここからは「仮想ディストピア」「DNA狂詩曲」を立て続けにパフォーマンス。最初のMCでは5人それぞれ自己紹介を行いつつ、「夏の思い出を更新できるようがんばる」(高城れに)、「ももクロ史上最大のバカ騒ぎをしましょう!」(佐々木彩夏)、「ここにお集りの皆さん、頭のネジ外していきましょう!」(玉井詩織)、「すっごい人数ですね!」(有安杏果)などそれぞれ思い思いに語っていった。
続いてスクリーンには猫ひろしの姿が映し出され、ももクロのライブ中に42.195kmのフルマラソンにチャレンジすると宣言。ステージに表れた猫ひろしは意気込みを語った後にスタートを切り、フィールドを1周してから場外に飛び出していった。猫ひろしに触発されたももクロはメインステージとサブステージを使いながら「Z女戦争」「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」「月と銀紙飛行船」を歌唱。神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部によるパフォーマンスを挟んで、バンド演奏による「上を向いて歩こう」が始まると、上手側ゲートから山車に乗った5人が入場し外周を進んでいった。バンドはそのまま「ゲッダーン!」を演奏し始め、5人は山車に乗ったままパフォーマンス。続く「ココ☆ナツ」ではフィールド上を縦横無尽に動き回ったり、客席に向けて放水したりと、客席とのコミュニケーションを楽しむ。そして「ワニとシャンプー」ではゲストに箕輪はるか(ハリセンボン)を迎え、6人で歌い踊った。箕輪は3日から4日にかけてフジテレビ系で生放送された「FNS27時間テレビ 女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる!!」の一環で登場。ももクロが「(箕輪を)かわいいと思った人?」とモノノフに問いかけると会場中にブーイングが鳴り響き、箕輪が思わず「気ぃ遣えや!」と一喝する場面もあった。
「5 The POWER」のパフォーマンス中、山車を使って再びメインステージからサブステージに移動すると、今度は新作アニメ「美少女戦士セーラームーン」の制作記者会見が行われていた東京・ニコファーレを中継で結ぶ。ニコファーレには9月13日より上演されるミュージカル「美少女戦士セーラームーン-La Reconquista-」の出演者が揃っており、ももクロと同じ事務所に所属する大久保聡美(セーラームーン役)、七木奏音(セーラーマーズ役)が会話を交わす一幕も。さらにももクロはこのミュージカルの主題歌となる「ムーンライト伝説」のアレンジバージョンもお披露目し、会場のモノノフを喜ばせた。
5人がセーラームーンの話題をしていると、メインステージにはもはやももクロのライブには欠かせない存在の1人、
この時点でライブ開始から2時間半が経過。百田が「まずは夏の最高な思い出を作りましょう!」と語りかけると、そのまま「Neo STARGATE」に突入。太陽が沈みかけ、客席のサイリウムがカラフルに輝き出すタイミングで披露された「Neo STARGATE」は神秘的な世界観を醸し出す。そこから軽快な「宙飛ぶ!お座敷列車」を経て、今度はスクリーンに武井壮の姿が。武井は百田との100m走対決を提案し、百田が100m、自分はハンデを付けて120m走って勝負すると宣言した。この対決はこの後のライブ中、どこかのタイミングで突如行われるという。
武井の映像が終わると、聖火台に設置されたミニステージにももクロが登場。ここで太鼓奏者のヒダノ修一、人気ゲーム「太鼓の達人」のキャラクター・どんちゃんをフィーチャーして、新曲「ももいろ太鼓どどんが節」をお披露目した。高城のソロからスタートするこの曲は、和テイストを取り入れたパワフルなナンバーで、怒髪天が作詞・作曲・編曲・演奏を担当していることが明かされた。
サンバダンサーをフィーチャーした「上球物語 -Carpe diem-」に続く「BIONIC CHERRY」では、曲中盤でいよいよ武井との一騎打ちが実現。メインステージ前に用意されたトラックで2人は真剣勝負を繰り広げるも、20mのハンデをものともせず武井が勝利した。さらにこの曲の後には、フィールド上で北澤豪、平瀬智行、三浦淳宏、藤田俊哉、福田正博といった元サッカー選手を交えたサッカーの試合も実施。解説には松木安太郎が加わり、試合に華を添えた。試合の途中、ステージ上ではサッカーボールをモチーフにした衣装に着替えたももクロが「ピンキージョーンズ」をパフォーマンス。途中、5人が試合に加わり元プロサッカー選手たちに振り回される一幕も。その後もフィールドを駆け回る「Chai Maxx」、しっとりと聞かせる「キミノアト」で会場中のモノノフを魅了した。
ライブもいよいよ終盤に突入。5人は再びステージに登場した布袋と共に、布袋のヒット曲「バンビーナ」を披露した。布袋のアグレッシブなギターソロに合わせて、ももクロはそれぞれのイメージカラーに塗られたトロンボーンを持ってダンス。ここでは会場のボルテージも一気に加速し、大きな盛り上がりを見せた。曲を終えた布袋は、「もうすっかり僕も、皆さんと一緒です。モノノフになっちゃいました。リハーサルからずっと見てますけど、あなたたちに出会えて感動しました」と5人に賛辞を贈った。
布袋が再びステージを降りると、ダウンタウンももクロバンドと共に「行くぜっ!怪盗少女」「労働讃歌」「走れ!」でさらに会場を盛り上げていく。そして最後に電飾の付いたももクロカーで会場を1周しながら「ももクロのニッポン万歳!」を歌唱し、4時間近くにおよぶライブ本編が終了。佐々木が「1人戻ってきてなくない?」と猫ひろしを心配するも、百田は「皆さん、猫さんの応援をよろしくお願いします!」と気にせずステージを後にした。
しばらくしてから、会場中から鳴り響くアンコールを求める声に応えるように5人がミニステージに登場。せり上がるステージの上で「灰とダイヤモンド」をしっとりと歌い上げた。続く「コノウタ」ではフィールド上にそれぞれイメージカラーのリボンで大きな星をかたどった。2曲終えると、再び佐々木が「あの人、今どんな感じかなあ?」と猫ひろしの心配をする。すると、残り数百メートルまで迫った猫ひろしが場内に登場。フィールドの周りを1周してからステージに上がり、無事ゴールを迎えた。見事フルマラソンを走りきった猫ひろしを讃えるように、場内には猫ひろしコールが鳴り響く。彼の健闘に対し百田は「胸が熱くなりました。皆さんもきっと笑顔になれたんじゃないかな。今度は私たちが笑顔を届ける番」と言って、桃黒亭一門名義による「ニッポン笑顔百景」でさらに会場を熱くする。そして「黒い週末」ではこの日の出演者が勢揃いし、ももクロがメンバー紹介を行っていった。曲のエンディングではフィールドから花火が盛大に上がり、盛り上がりが最高潮に達したところで約4時間半にわたるももクロ史上最大規模のワンマンライブは幕を下ろした。最後に百田は「今日は私たち、楽しませていただきました。皆さんのこの声援があれば、きっとこれからもずっとずっと、ももクロはこうやって皆さんの前に立ててるんじゃないかなと思います。国立(競技場)につなぐあの火(聖火)がまだ消えてないので、このまま国立競技場に持っていけるように私たちも精一杯がんばっていきたいと思います」と挨拶をしてから、ステージを後にした。
ライブ終了後に行われた囲み取材では、百田が「いやあ、もうホントにバカしましたねえ。バカ騒ぎ。みんなでもうバカ騒ぎで。みんなが頭のネジを外して楽しんでくださっていたので、私たちもすごく楽しかったです」とライブの感想をコメント。また高城は「加藤さん、テリーさん、天の声さん、おはようございます! さあ、ここで問題です。私が今日ステージ上でやらかしたこととは何でしょう? みんな、わかるかなあ?」と、日本テレビ系朝のワイドショー番組「スッキリ!!」でコメントを使用してもらおうと勝手に質問を作る。続けて高城は「正解は、バカ騒ぎしすぎて無意識のうちにステージ上でスカートを脱いでしまったことでーす! 早替えでラストの1曲ってときに、上に着てた衣装を取るっていう作業がありまして、バチンバチンって取れるんですけど、無意識のうちに全部取ってて」と、その恥ずかしい内容の答えを披露。玉井から「そんな簡単に脱げる衣装でもないんですけど」とツッコまれるも、「チャックなんですよ! こんぐらい頭のネジを外さないと、今日はできなかったということで」と返して記者の笑いを誘った。
また4時間以上ライブをやって疲れないかと質問されると、高城は「感覚がもうないです」と即答。百田は「今回はアイドル、スポーツ、音楽の融合ですよ。ももクロが新しいところに入ったんですよ。すごいものを皆さんは観たと思います。さてあなたは、ついて来れるかな?」と、ももクロが新たなステージに到達したことに満足そうな表情を浮かべた。
そして初共演した布袋について話がおよぶと、有安は「ついにコラボができたよね!」と語り、百田は「背も大きいけどオーラも大きくて」と感想を吐露。佐々木は「こないだのクリスマスライブでは、勝手にスクリーンに写真を出させていただいてたんですけど、今回はやっと共演ができました」と、うれしそうに話した。
フィールド部分をそのまま残してライブを行ったことについては、百田が「芝生残しのコンサートっていうのは本当にないみたいなんですけど、今回はそれをいい感じに使わせていただいて。私たちもちょっとサッカーを一緒にさせていただいたり」とコメント。玉井は「終わった後、北澤選手にちょっとスカウトしかけられたんですよ、才能あるから君たちやったほうがいいよって」と、まんざらでもない表情を浮かべた。しかし百田が「じゃあサッカーやりましょうか?って言ったら、サッカーチームの皆さんが『うおーい!』ってなって、危うくサッカーのほうに一歩踏み入れそうになったんですよ。そこはね、アイドルだから」と言って、踏みとどまったことを明かした。
ももいろクローバーZ「ももいろクローバーZ ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013 8.4 日産スタジアム大会」
2013年8月4日 日産スタジアム セットリスト
・開会式
00. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. PUSH with 布袋寅泰
02. サラバ、愛しき悲しみたちよ with 布袋寅泰
03. 仮想ディストピア
04. DNA狂詩曲
05. Z女戦争
06. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
07. 月と銀紙飛行船
・神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部 パフォーマンス
08. 上を向いて歩こう ~ ゲッダーン!
09. ココ☆ナツ
10. ワニとシャンプー with 箕輪はるか(ハリセンボン)
11. 5 The POWER
12. ムーンライト伝説
13. Neo STARGATE
14. 宙飛ぶ!お座敷列車
15. ももいろ太鼓どどんが節 [新曲]
16. 上球物語 -Carpe diem-
17. BIONIC CHERRY
・SOCCER ALL STARS vs Teamバカ騒ぎ サッカー対決
18. ピンキージョーンズ
19. Chai Maxx
20. キミノアト
21. バンビーナ / 布袋寅泰
22. 行くぜっ!怪盗少女
23. 労働讃歌
24. 走れ!
25. ももクロのニッポン万歳!
<アンコール>
26. 灰とダイヤモンド
27. コノウタ
28. さくらさくら ~ ニッポン笑顔百景
29. 黒い週末
ももいろクリスマス 2013
2013年12月23日(月・祝)埼玉県 西武ドーム
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