会場の浅草ROXまつり湯は、Negiccoが2008年から定期的にライブを行っている東京の“聖地”。宴会場で繰り広げられる独特のなごやかなステージは、ファンの間でも特別なものとなっていた。今年2度目のまつり湯ライブには、3人の記念すべき日をお祝いすべく宴会場からはみ出すほど多くのファンが全国から集い、過去最大の集客数となった。観客はまつり湯特製の浴衣に着替え、食事やお酒を楽しみながらイベントの開始を待つ。通常のライブハウスやホールでは味わえない、まつり湯ならではのリラックスムードだ。開演時間になると、まずは落語家の立川吉幸と、芸人の佐々木孫悟空がMCとして登場。2人がNegiccoを呼び込むと、3人は法被姿でステージに現れた。
そもそも彼女たちがこのまつり湯でライブを始めたのは、まつり湯の社長がかつて新潟に在住していた頃、Negiccoマネージャー小幡氏と知り合ったのがきっかけ。3人を祝福すべく登壇したまつり湯社長は、「1人でも2人でも(Negiccoのパフォーマンスを)見てくれればそれでいい」という小幡氏の熱意に負けてここでのライブをスタートさせたという2008年当時の秘話を明かした。社長は「明日からはいよいよ11年目が始まりますけど、さらにNegiccoは飛躍していくと思います」とやさしい笑顔でエールを送り、花束を贈呈。メンバーはこの時点で感極まっており、1人ひとり挨拶を始めると、Nao☆とMeguは早くも泣き出してしまう。気丈にふるまう最年少・Kaedeも大勢のファンを前に感慨深そうな表情を浮かべていた。
イベントはさらに、古今亭菊龍による寿獅子舞や、吉幸による小噺、Negiccoメンバーによる早口言葉対決など、通常のライブではまず見られない出し物が満載。菊龍による寿獅子舞では、Negiccoが所属するT-Palette Recordsの代表でもある嶺脇育夫タワーレコード代表取締役も壇上に上がり、獅子舞に噛まれて邪気を払った。
続いてステージには、Negiccoの10歳の誕生日をお祝いするケーキが登場。司会の吉幸がロウソクを消すよううながしたところで、突然客席から「ちょっと待った!」の声が。ファンを代表する1人がステージに近付くと、ファンたちで密かに準備した感謝状を涙ながらに読み上げた。さらに女性ファン3人がメンバーそれぞれに花束を渡すと、Nao☆とMeguはまたも号泣。マスカラやつけまつげを落としながら3人で喜び合った。約30分の休憩を挟んだあとは、いよいよライブコーナーへ。
法被を脱ぎ、トリコロールカラーの新衣装で登場した3人は、まず「ねぎねぎROCK ~私もお家に連れてって~」「恋するねぎっ娘」と、グループの根幹であるネギをモチーフにした楽曲を立て続けに歌った。ライブ前からすでに2度号泣している2人と対照的に冷静な様子のKaedeは「10周年の実感が全然沸いていなかったんですけど、しばらく『恋するねぎっ娘』を引っぱってがんばってきたので……(笑)。私たちはやっぱりNegiccoだから『恋するねぎっ娘』は大事だなって。今日ここで改めて歌えてよかったなって思います!」と過去を振り返りながらコメント。一時期は反抗期でネギの曲を歌うのが嫌だったこともあったという彼女たちだが、10年を経た今ではこれらの楽曲にも特別な思い入れがあるという。
続く「僕らはともだち」では、メンバーがステージを飛び出し客席へ。これもまつり湯おなじみの光景だ。3人は慌ててステージに戻ると、次は小西康陽プロデュースの最新シングル「アイドルばかり聴かないで」を披露。「トキメキ★マイドリーム」ではまつり湯のタオルを回して大盛り上がりとなった。そして最後は「Falling Stars」「パーティーについて。」でフィニッシュ。ファンも汗だくで3人パフォーマンスを楽しんだ。
「アンコール、ネギ!」の盛大なコールを受けて再びステージに上がったNegiccoは、軽快なサマーソング「ネギさま!Bravo☆」と、フジテレビ系「めちゃ×2イケてるっ!」2012年度テーマソングとしてもおなじみの代表曲「圧倒的なスタイル」を熱唱。「圧倒的なスタイル」の間奏では、おなじみのラインダンスが宴会場全体で繰り広げられた。
最後は3人から観客へ挨拶。Kaedeは「皆さんお酒を飲んでるせいか、やわらかい表情で見てくださって(笑)。本当にこんなにたくさんの方に10周年をお祝いしていただけてうれしいです。すごく幸せでしたし、これからも末永く応援してくれたらうれしいです」、Meguは「まつり湯は嶺脇社長とか皆さんの口コミ効果で『楽しいイベントだ』って言われてるのに、楽しませられなかったらどうしようという気持ちがすごくあって。でもその気持ちは毎回ライブをやるごとに更新されていって、今日も楽しくてまた気持ちが更新されました!」と思いを語った。Meguはさらに続けて「改めてNegiccoメンバーになってよかったなって思いました。2人とはNegiccoメンバーになる前から付き合ってたけど、改めてこうやって一緒にいられて幸せだよ……」と話しているうちにこの日3度目の大号泣。リーダーNao☆は話す前から目に涙を浮かべ「長いようで短い10年間でしたけど、その中には本当にいろんなことがあって……。こんなにNegiccoの10周年をお祝いしにたくさんの方が来てくださってびっくりしましたし、たくさんの方に支えられてるんだなって改めて思いました。さっきぽんちゃ(Megu)が言ったみたいに、このメンバーでここまで来れてよかったなって」と喜びを噛みしめた。
そして3人は「この場でもう1人お礼を言いたい方がいる」と、ステージ袖の熊倉マネージャーを呼び出す。熊倉マネージャーは本来1カ月限定の活動予定だったNegiccoを拾い上げ、ここまで育ててきた人物。大歓声で迎えられた熊倉マネージャーは感極まった表情を浮かべながらも、シンプルに「ホントありがとうございます」と一言だけ伝え、照れくさそうにステージ袖へと戻った。“熊さん”が見せた涙にまたも感極まり泣き出すNao☆とMegu。Kaedeは「素敵な10年間でしたよね」としみじみ語った。Nao☆は改めて「皆さん一緒にNegiccoを作り上げていきましょう! 目指すは『新潟から武道館』です!」と宣言。そして「夢を叶えた人は夢を諦めなかった人!(Nao☆)」「それを私たちが証明して見せます!(Megu)」と力強く叫んだ。
MCの吉幸は最後にタワーレコード嶺脇社長を呼び出す。2009年から1人のファンとしてこのまつり湯ライブに足を運んでいたという嶺脇社長は「(Negiccoが目標に挙げている)日本武道館が埋まるよりも、まつり湯がいっぱいになったほうが泣けますね」とコメント。また「秋には次のシングルを」と、11年目のNegiccoも快進撃を続けることを予告した。温かい拍手に包まれる中、Negiccoはさらにもう1曲、7月17日に発売された1stオリジナルアルバム「Melody Palette」から、メンバー自ら作詞した「ネガティヴ・ガールズ!」を披露。3時間を超えるパーティをにぎやかに締めくくった。
Negicco「Melody Palette」~お気に入りのパーティーへ~
2013年8月10日(土)東京都 新宿BLAZE
昼の部「10th Anniversary Party」
OPEN 13:30 / START 14:30
夜の部「Album Release Party」
OPEN 18:30 / START 19:30
料金:各公演 4000円(ドリンク代別)
発売中
Negicco「NegiccoBest!!! 10年分のありがとう Negicco10周年ワンマンライブ!」
2013年10月5日(土)新潟県 新潟テルサ OPEN 14:00 / START 15:00
料金:3500円(全席指定)
発売中
※記事初出時、キャプションに記載したアーティスト名の表記に一部誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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ニッパ△りついーと係 @nippa3
懐かしいねー。あっという間だったけど。ファン代表の写真はなかった。嶺脇社長とハイタッチはあった。
Negicco涙の10周年!聖地まつり湯で浴衣姿のファン祝福 https://t.co/EYlRE5lvqx #negicco