5月3日から東京・赤坂ACTシアターでスタートした
この公演は1幕にメンバーの演技審査パートが用意され、休憩時間に行われる観客の投票により2幕「乃木坂歌劇団~迷宮の花園~」に出演できる16人のメンバーが決まるというユニークな構成の舞台。昨年9月の劇場公演第1弾「16人のプリンシパル」との違いは、主要10役のうち演じたい役に各メンバーが立候補できること。ただし観客はその役に立候補していないメンバーにも投票でき、結果は観客の投票に委ねられるため、メンバーはすべての役に対応できる必要がある。さらに10役から漏れたメンバーのうち、投票数が多かった上位6人が女中役として2幕に出演できる。
計15公演行われた東京公演では毎回数々のドラマやハプニングが生まれた。特に1幕のオーディションパートではメンバーそれぞれが立候補した役のセリフを使った実演テストに加え、演出家からのムチャぶりに対応していくアドリブ審査も行われた。このアドリブ審査では即座に自己流の演技を見せるメンバーや、突然のことに何も演じられず泣き出すメンバー、ほかのメンバーを巻き込んでお題とはまったく異なるテーマの演技を披露するメンバーなどが続出。それぞれの個性が強く発揮される、絶好の場となった。
また今回の公演ではアンダーメンバーが大躍進を遂げたことも注目に値する。伊藤万理華、中元日芽香、能條愛未といったメンバーは迫真の演技で観客を圧倒し、主要10役に選ばれる機会も多く見られた。選抜メンバーでは前回の公演で演技力の高さが評価された生田絵梨花のほか西野七瀬、橋本奈々未、若月佑美らが大健闘。演技力の高いメンバーが同じ役に立候補したことで、白熱の演技対決を繰り広げる機会も多々あった。そしてなかなか主要10役に選ばれず苦悶するメンバーの姿も印象的だったが、最終日の昼公演ではそれまで苦戦していた畠中清羅と大和里菜、同夜公演では伊藤寧々がそれぞれ10役に選出され、観客やメンバーの涙を誘う場面もあった。
各公演の最後には2期生メンバーのお披露目やミニライブも行われた。東京最終公演のミニライブでは西野が「今回は即興力が問われるものになりました。スタッフさんから『お客さんはみんな真剣に選んでくださってるよ』って聞いてすごくうれしかったです」とコメント。橋本は「やはり10役プラス女中6人分の動きを覚えることが、みんな大変だったんじゃないですかね。私の中でも女中の2番と3番がごっちゃになっちゃうこともあったし。それと2幕が終わって、ライブで皆さんが立って楽しんでくれてるのを観ると私たちも楽しくなりました」と語り、ライブ中にお尻の筋肉をつってしまったという生駒里奈は「ダブルでお尻が痛くなるぐらいにがんばれたので、すごい楽しかった」と笑顔で答えた。
そして最後にキャプテンの桜井が「東京公演も今日のこの回をもって全公演終了することができました! ほんと、メンバーが無事全員ケガもなく終えることができて。まいやん(白石麻衣)がちょっとステージから落ちたりもしましたが、大事にもならずに、こうして全員が今ステージに立てていて本当によかったと思います。ありがとうございました! これからも乃木坂46をよろしくお願いします!」と挨拶して、「16人のプリンシパル deux」東京公演の全日程を終えた。乃木坂46は5月31日から6月2日までの3日間、大阪・梅田芸術劇場で「16人のプリンシパル deux」大阪公演を行う。
なおナタリーでは東京公演の最終公演終了後に生田絵梨花、若月佑美、そして最終公演で初の主要10役入りを果たした伊藤寧々に感想を聞いた。さらに生田には公演期間中の5月某日に赤坂ACTシアターの舞台裏を案内してもらった。
生田絵梨花 コメント
今日はミニライブまで全部終わって幕が降りた瞬間、みんな号泣だったんですよ。本当に必死の10日間でした。ライブだとあっという間っていつも思うんですけど、今回は本当に長かったですね。
私、オーディションでムチャぶりされると毎回すごい必死なんですよ。で、終わって自分の席についてから、自分のはじけっぷりにびっくりしちゃうんです。「私、あんなこと言っちゃったかあ」とか。ステージではその役になりきってるから自分じゃないんですよ。どんなムチャぶりが来てもその役でやり通そうという精神でやっているので、あれを「生田さんとしてやってください」って言われてもできないと思います。
大阪公演に向けては、やっぱりお芝居の完成度をもっともっと上げたいです。全役やりたいという気持ちもあるんですけど、ちょっと脳がついていかなくて(笑)。でもやっていく中で「ちょっと冒険したい」という気持ちも生まれてきたので、大阪でもがんばりたいです。
若月佑美 コメント
今回は役の立候補でこんなに冒険するとは思ってもみませんでした。最初は女中役でも選んでいただけることがありがたいと思ってたんですけど、公演が進むにつれて確実に役を勝ち獲っていきたいと思うようになりました。というのも、親が観に来てたときに2幕に出られなくて、申し訳なさすぎて大号泣して。舞台に立ってる姿を親に観てもらえなかった分、「絶対にがんばってやろう、自分の中のすべてを出してぶつかっていこう」と思うようになったんです。
大阪公演では、まだやっていない役にどんどん立候補しようと思います。なので本番までの間にしっかり練習して、自信を持って挑みたいと思います。
伊藤寧々 コメント
東京公演の千秋楽まで私1人だけ10役の中に入れていなかったので、正直焦ってました。オーディションではすべてを出し切れたけど、今日立候補した沢村役は生駒ちゃんのイメージが強いので最後まで不安で。だから選ばれた瞬間はもう「うわーっ!」ってなりました。お客さんもメンバーも「おめでとう!」ってすっごい言ってくれて、最後の最後で「がんばってよかった!」って本当に実感できました。
東京公演を通じて一番指摘されたのが声の小ささでした。大阪公演をやる梅田芸術劇場は赤坂ACTシアターよりも大きい会場だと思うので、そこは克服していきたいですね。あと私はアドリブが利かない人なので、ムチャぶりにも対応できるようになりたいと思います!
乃木坂46「16人のプリンシパル deux」
2013年5月31日(金)大阪府 梅田芸術劇場
START 18:00
2013年6月1日(土)大阪府 梅田芸術劇場
[1回目] START 13:00 / [2回目] START 17:00
2013年6月2日(日)大阪府 梅田芸術劇場
[1回目] START 13:00 / [2回目] START 17:00
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西廣智一 @tomikyu
ナタリー - 乃木坂46プリンシパル東京公演はドラマとハプニングの連続 http://t.co/RnCgGoDI0j こちらは去年のプリンシパルでの第1弾