ナノ、初ライブに2400人絶叫「これはクセになるね！」

ナノの1stライブ「Remember your color.」が本日3月16日、東京・新木場STUDIO COASTにて開催された。ナタリーではこのライブにリハーサルから密着。そのレポートを時系列に沿ってお届けする。

■サウンドチェック

朝から始まったステージセットの設営に続いて、午後からバンドメンバーによるサウンドチェックがスタート。ギター2人、ベース、ドラム、キーボードの5人に加え、曲によってピアノとバイオリンを加える編成からなるナノバンドのメンバーは、1人ひとり各楽器の音量や音色を慎重に確認していった。

休憩を挿んだのち、13:40頃からバンド全体によるリハーサルを再開させた。まずは「Nevereverland」をパワフルなバンドアンサンブルで演奏。続いてナノを迎えて「Horizon」をプレイしつつモニターチェックを実施。1曲終えたところでナノは力強く「バッチリです！」とOKを出した。さらにステージセットや映像の演出を用いたチェックも行っていき、全体の進行を改めて確認。曲によってはナノが本気で歌い、リハーサルでも手を抜かないところからも本日のライブに対する気合が感じられた。

ナノの「ファイヤー！」という気合入れとともに、約100分にわたるバンドリハーサルが終了。その映像とSEの再チェックなどを経て、16:20に観客の入場が始まった。

■ライブ開始

会場には約2400人ものファンが集結し、開演前からナノコールをするなどして興奮を抑えられない様子を見せる。そして定刻を10分ほど過ぎた頃に会場が暗転。悲鳴のような歓声が鳴り響く中、ナノの曲名にあわせたマゼンタ（赤紫）色のペンライトがフロアを染めていく。そしてライブはそのままデビューアルバム「nanoir」のオープニングナンバー「magenta」からスタート。バンド演奏開始とともにステージを覆っていた白幕が外されると、ステージ後方のリフトに乗ってパーカーのフードを被ったナノが姿を見せ、観客はさらに大きな歓声に包まれる。ライブは1曲目からクライマックスのような盛り上がりを見せるが、続く2曲目「neophobia」でナノがパーカーのフードを外して素顔を現すと、この日一番と言える怒号のような歓声が会場中に響き渡った。ライブはそのまま「Silence」へと続き、メタリックなナンバーの連発に客席の盛り上がりは早くもピークへと達した。

3曲歌い終えると、ナノは第一声で「Welcome……Welocom to 『Remember your color.』!」と叫ぶ。そのまま「ついにきましたね、ナノ初ライブへようこそ！」「初めてのライブ、初めてステージに立つこと、そしてみんなに出会えたことを噛み締めて、今日は歌を届けたいと思うので、最後まで楽しんでいってください！」と挨拶すると、「KALEIDOSCOPE」「GALLOWS BELL」といったポップチューンを連発した。また「Horizon」に入る前には機材トラブルに見舞われたものの、ライブ初経験のナノの機転によりその場をうまくつなぎことなきを得た。

2度目のMCでは、この日着用していた黒い衣装をナノの家族が作ったことを告白。「ここまで6曲、あっという間だね！ みんな楽しい？」と観客に話しかけると、ライブを「No pain, No game」から再開させる。スクリーンのCGと会場中を飛び交うグリーンのレーザー光線が激しいアッパーチューンをカラフルに演出すると、そのままパワフルな「エグジスト」で客席はさらに加熱。ひとしきり盛り上がったところで、ナノの「次の曲は知り合いの結婚式のために書いた曲。自分にとって結婚とは、人生の交差地点（＝Crossroad）だと思って書いた。ナノにとっての交差地点は今日」という言葉に続いてロックバラード「Crossroad」が披露された。

曲のエンディングでナノが一旦ステージを去ると、そのまま会場が暗転。バンドメンバーもステージを降りてしばらくしたところで、新たな衣装に着替えたナノがステージに現れた。ナノは「ここで大人のコーナーに移りたいと思います。小さい頃からライブの中にアコースティックコーナーを入れるのが夢だった」と言うと椅子に座り、この日が誕生日という自身の母親に向けて英語で感謝のメッセージを贈った。そしてアコースティックギターの伴奏にあわせて「ヒステリ」を歌唱。それまでの盛り上がりから一変し、会場はナノのエモーショナルな歌に聴き入るように静まり返った。ピアノをバックに「Glow」をしっとり歌うと、さらにバイオリニストをステージに迎え入れ、「次はライブ直前にやろうということになった新曲です。周りからはちょっとチャレンジングすぎるんじゃないかって言われたけど、みんなたくさんの思いを抱いてここに来てくれてる。ナノもいろんな思いを抱えてこのステージに立ってます。そんなみんなへの思いを一番うまく伝えられるのは歌だと思い、この曲の歌詞を作りました」と説明して新曲「Our Story」を初披露。ナノはこの日のために作った新曲を、一言一言丁寧に、気持ちを込めて歌った。

アコースティックコーナーが終わると、ステージには再びバンドメンバーが登場。バンドサウンドにリアレンジされた「BE FREE (WITH MUSIC)」で会場の熱気は再び沸点に達したが、ナノの「次が最後になっちゃうんです！」という言葉に客席からは「やだ！」とライブ終了を惜しむ声が鳴り響く。そして「ナノは小さいときからずっと歌手になりたいって言ってきた。でも大人になるにつれて『なれるわけないじゃん』って自信をなくし始めて。でも周りから何を言われても、その可能性を生かすも殺すも自分なんだな。だからいろんなことを不可能とか思ってる人は、今日は忘れましょう。ナノはそんな皆さんを応援します！」とファンにメッセージを送ってから、本編ラストの「Nevereverland」を全身全霊で歌い上げた。最高の盛り上がりの中「Nevereverland」を歌い終えると、ナノは「もう最高！ また早くみんなに会いたいからね！」と言ってステージを降りた。

バンドメンバーがステージを去るとすぐに、客席からはアンコールを求める声援が沸き起こる。その声に応えるかのように、ライブは「Now or Never」で再スタート。今日の合間ではナノのレクチャーによるコーラスの練習が行われ、その成果は曲のエンディングで見事に発揮された。ステージ上と客席の距離が一気に縮まったところで、ナノは「これがアンコールか……アンコールってこんな気持ちなんだね」とうれしそうに発言。その後、客席に向けてどこから来たのかと訪ね、北海道や沖縄、海外から来場したファンが手を上げると会場は温かい拍手に包まれた。

「これ（ライブ）はクセになるね！ またやりたい！」とナノが話すと、すかさず客席からは「また来たい！」と返ってくる。そして観客と一緒にピースをして写真を撮り、「本当に本当に最後の曲です。ナノを応援してくれる人に向けて書いた曲。サビのところでウェーブをしてくれたら泣くと思うから（笑）」と言って1stライブを締めくくるラストナンバー「Remember, My Friend」に突入した。会場がピースフルな空気に包まれる中、ナノは終始笑顔で「みんな本当にありがとう！ I love you!」を連呼。客席にも笑顔があふれる中、2時間にわたるナノの初ライブは幕を閉じた。

ライブ終演後にはスクリーンにて、ナノが5月中旬にドイツのアニメコンベンション「DoKomi」でライブを行うこと、そして8月に東京と大阪で再び単独ライブを行うことがアナウンスされた。ライブ中「ここまで来たんだから、もう止まらないからね！」と宣言したとおり、ナノの快進撃はまだまだ続きそうだ。

ナノ「Remember your color.」セットリスト

01. magenta
02. neophobia
03. Silence
04. KALEIDOSCOPE
05. GALLOWS BELL
06. Horizon
07. No pain, No game
08. エグジスト
09. Crossroad
10. ヒステリ
11. Glow
12. Our Story [新曲]
13. BE FREE (WITH MUSIC)
14. Nevereverland
＜アンコール＞
15. Now or Never
16. Remember, My Friend

DoKomi

2013年5月18日（土）ドイツ デュッセルドルフ コングレスセンター
2013年5月19日（日）ドイツ デュッセルドルフ コングレスセンター
※ナノのライブ実施日は後日発表

ナノ 2ndソロライブ「Color my world.」

2013年8月19日（月）東京都 Zepp DiverCity TOKYO
2013年8月20日（火）東京都 Zepp DiverCity TOKYO
2013年8月22日（木）大阪府 Zepp Namba

※記事初出時より、2ndソロライブ「Color my world.」東京公演の会場が変更になりました。