達郎が野外のライブイベントに出演するのは、彼にとって約30年ぶりとなった2010年の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO」以来。この貴重なパフォーマンスを味わおうと、会場には多くのファンが詰めかけた。
バンドメンバーに続いて、達郎本人がステージに姿を現すと、フィールドには大きな歓声が起こる。空は厚い雲に覆われ小雨が混じる天候となったが、明るく開放的なフェスの空気の中で観客は期待に胸をふくらませてステージを見つめた。
ライブは達郎による小気味良いギターカッティングで幕を開け、オープニングで「LOVELAND,ISLAND」のコーラスパートを軽く披露したあと、1曲目「SPARKLE」からスタート。野外の空気に伸びやかなボーカルが溶け、集まった観客の心を満たしていく。
「こんにちは、山中湖! 思ったより若い人がたくさんいて恥ずかしいです。大学の学祭の真ん中に先生バンドが紛れ込んだような、そんな感じがします(笑)」というMCを受けて始まったのは「ドーナツ・ソング」。冒頭では
そして「夏フェスなのでスペシャルゲストを1人呼びました。この人です」の紹介を受けてバンドが鳴らしたのは、なんと「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」のイントロ。その音に呼び込まれるように竹内まりやがステージに登場し、ハンドマイクを手にして歌い始めた。さらにもう1曲「元気を出して」も披露され、フィールドは「♪ラララ」の大合唱に包まれる。思いがけない贅沢なサプライズに、観客はひときわ大きな拍手を送った。
まりやがコーラス隊とともにステージから去ると、達郎は「ちょっと得した気になったでしょ? お祭りなので」と笑顔を見せつつ、続けて歌詞に富士山が登場する骨太なプロテストソング「俺の空」を披露。佐橋佳幸(G)とのギターバトルを経て、アップテンポな「BOMBER」になだれ込むと、ステージ上は一気に男くさい雰囲気に塗り変えられた。
ここで竹内まりやを加え4人になったコーラス隊がステージに戻り「アトムの子」が始まると、お祭りムードは最高潮。観客は老若男女それぞれに手拍子をしながら踊り、続く「RIDE ON TIME」でライブはクライマックスを迎えた。
達郎は「皆さん今日は本当にどうもありがとう」と感謝の気持ちを伝え、「この次はPerfumeのステージです。僕も観て帰ろうと思います」とコメント。メンバー11人がステージ前で1列に並んで挨拶し、ライブはこれで終了かと思われたが、思わぬ「もう1曲やります」の声にフィールドからは大きな歓声が上がる。達郎は「皆さんにとってより良い未来がありますことを」と伝えて、最後に「さよなら夏の日」をプレゼント。「一番素敵な季節がもうすぐ終わる」「雨に濡れながら僕等は大人になって行くよ」と歌うこの曲に多くの観客が酔いしれる中、約70分に及ぶ山下達郎のステージは幕を閉じた。
山下達郎「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2012」
2012年9月2日セットリスト
01. SPARKLE
02. DAYDREAM
03. ドーナツ・ソング
04. 僕らの夏の夢
05. 家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)(竹内まりや)
06. 元気を出して(竹内まりや)
07. 俺の空
08. BOMBER
09. アトムの子
10. RIDE ON TIME
11. さよなら夏の日
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リンク
- 山下達郎 OFFICIAL WEB SITE
- [ SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2012 ] SPACE SHOWER TV
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10年前に行ったこれのライヴレポ読んで、生BOMBERで踊り狂ったことを思い出した。
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