8月15日・16日・18日・19日の4日間限定で行われ、連日熱烈な盛り上がりをみせた「BEAST ON THE BEACH」。最終日となったこの日は、海の向こうに入道雲が見える絶好のシチュエーションの中、約2時間半におよぶスペシャルライブが展開された。
開演時刻の17:30と同時に悲鳴のような歓声が起き、それと同時に四輪バギーに乗ったHYDE(Vo, G)とK.A.Z(G)がステージ後方から登場。2人はドリフトしながら砂浜を駆け抜け、ときにカーチェイスをするように会場を走り回る。サービス満点のオープニングに水着を着たオーディエンスは、拳を上げて“ビーチパーティ”の始まりを彩った。
ARIMATSU(Dr)、Ju-ken(B)、JIN(Key)が待つステージにたどり着いたHYDEとK.A.Zは、楽器を手にすると腕慣らしとばかりにギターをかき鳴らし、「LOVE ADDICT」からライブの口火を切った。太陽を背に海風を受け、HYDEはシャウトを繰り出し「Come on! ラグーナ! 今日も一緒にいこうぜ」と煽る。続けて清涼感たっぷりのギターが心地良い「HELLO」へと流れ、HYDEとK.A.Zはステージの両脇へと散る。加えてJu-kenもステージを縦横無尽に移動し、開放的なステージを楽しむように伸び伸びとしたプレイで魅せていく。
観客の興奮を加速させるように「最後に燃え尽きようか? すげえ熱い! 一番熱いヤツはどこにいるんだ?」というHYDEの言葉から始まったのは「HUNTING」。普段はライブの中盤に演奏されることが多い同曲を、序盤に持ってきたことで浜辺のボルテージは一気に増していく。HYDEは散水用ホースを手に笑顔で客席エリアに水を放ち、ファンをクールダウンさせるどころか挑発した。盛大なタオル投げがビーチで繰り広げられた「ANGEL TRIP」の後は、K.A.Zがシタール風のギターを奏で、それにあわせてHYDEがインドの舞踏であるムドラー的な動きをみせるコーナーを挟み「I GOTTA KICK START NOW」へ。Ju-kenの重厚なベースを強調するサウンドに、観客は大きな歓声をあげた。HYDEは開放的な空気を存分に堪能している様子で「今日は最終日にふさわしい景色。これって日頃の行いが良いからかな」「君たちのおかげで素晴らしい夏の思い出ができそう。ありがとうね」と語る。そして日が傾きかけたビーチにぴったりな「MEMORIES」を届け、続けて「GLAMOROUS SKY」を披露。同曲ではHYDEとK.A.Zが肩を組み、息の合った様子を伺わせていた。
しかし爽快な空気も「REVOLUTION」で一変。さらに「暴れろラグーナ!」というHYDEの叫びから「HIDEAWAY」へと突入し、タイトなバンドサウンドと吠えるようなボーカルが空高く響く。起伏の激しい展開は終わらず、ARIMATSUのドラムソロを経て始まったのは「BEAST ON THE BEACH」限定のアコースティックセッションだ。まずはHYDEとJINの2人がセンターステージに移動し、矢沢永吉の「時間よ止まれ」のカバーをピアノとボーカルのみの編成でカバー。観客はHYDEの甘く切ない声と、滑らかなピアノの絡みにうっとりと酔いしれる。歌い終わったHYDEは「昔は歌詞を知らずに聴いてたけど、今聴くとカッコいいね」としみじみと呟いた。その言葉をきっかけに、浴衣姿のK.A.ZとJu-ken、甚平姿のARIMATSUがステージに登場。「ワアッ!」という声があちこちから上がる中、メンバーは定位置に着くと「夏と言えば?」というHYDEの問いかけに答えていく。ひとしきり個々の夏のイメージが露呈されたところで、ラテン調のアレンジが施された「EVANESCENT」、エキゾチックで幽玄なサウンドが紡がれる「SAMSARA」が披露された。アコースティックコーナーの最後を飾ったのは、HYDEのソロ曲「MISSION」。K.A.Zがアコースティックギターを抱え穏やかなフレーズを爪弾く横で、HYDEは激しさと穏やかさを見せつつ同曲を歌い上げた。
闇が徐々に会場を包み、しっとりした空気が漂ったかと思われたが、バンドモードに戻って演奏された「KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-」と「MADE IN HEAVEN」からライブは再び白熱したムードに。絶唱を繰り返すHYDEは、睨みつけるような視線をオーディエンスに投げかけ、頭を振り乱し暴れる。かと思えば「THE PAST」では流麗なギターに乗せて狂おしい歌声を聴かせてオーディエンスを翻弄し、「SWEET DREAMS」では海風を受けながら、観客1人ひとりに語りかけるように優しく歌い上げた。
日もすっかり暮れ、ライブもいよいよ終盤へ。最後のブロックに入る前にK.A.Zは「天気もいろいろあったけど、とても素敵なライブをみんなと楽しめたと思う。皆さんどうもありがとうございます」と述べ、HYDEは「今回は一緒に遊んだ感じだね。今回ほどみんなの中に入りたいと思ったことはない。いつかは入ってみたいな。みんなよく来てくれたわ」とファンに感謝を告げる。そして「本性見せてくれよ!」という叫びを機に「DEVIL SIDE」が始まり、観客のテンションはヒートアップ。もはやVAMPSのライブには欠かせない「TROUBLE」では、怒号のようなコール&レスポンスが繰り広げられていく。ちなみにこの曲ではK.A.ZのギターにあわせてHYDEが腰をくねらせ、艶やかなムードを醸し出した。
ここまででも十分な盛り上がりだったが、「ふらっと遊びに来た人がいるんだけど。ギター持ったらすごいうまいからさ」とHYDEが
6人がステージに揃ったところで始まったのは、L’Arc-en-Cielの「I'm so happy」だ。KenはK.A.Zと向かい合いメタリックなフレーズでギターバトルをしたかと思えば、HYDEの下半身にタッチしたり、Ju-kenと揃ってジャンプをしたりと自由気ままに動き回る。HYDEもKenの奔放ぶりに感化されたのか、堰を切ったように激しい歌声を響かせた。HYDEとKenが視線をあわせて笑い合ったクライマックスを経て、ラストナンバーの「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」へとなだれ込んだVAMPSの面々。獣のようなHYDEのボーカルと、K.A.Zの豪快なギター回しも炸裂し、この日一番の熱狂が漂う。ステージをくまなく歩きまわった後、HYDEは「楽しませてもらったよ」と笑みを浮かべ、何度もファンに投げキッス。パーティムードが最高潮に達したとき、花火が連発で打ち上がり、4日間におよんだ「BEAST ON THE BEACH」は無事終幕を迎えた。
VAMPS「VAMPS LIVE 2012 BEAST ON THE BEACH」
2012年8月19日@愛知県 ラグーナ蒲郡ラグーナビーチ セットリスト
01. LOVE ADDICT
02. HELLO
03. HUNTING
04. ANGEL TRIP
05. I GOTTA KICK START NOW
06. MEMORIES
07. GLAMOROUS SKY
08. REVOLUTION
09. HIDEAWAY
10. 時間よ止まれ(矢沢永吉)
11. EVANESCENT
12. SAMSARA
13. MISSION
14. KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-
15. MADE IN HEAVEN
16. THE PAST
17. SWEET DREAMS
18. DEVIL SIDE
19. TROUBLE
20. I'm so happy(
21. SEX BLOOD ROCK N' ROLL
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