昨年に続いて行われたこのイベント。今年もハウスバンドとして仲井戸"CHABO"麗市(G)、新井田耕造(Dr)、藤井裕(B)、Dr.kyOn(Key)、梅津和時(A.Sax)、片山広明(T.Sax)、
ライブのオープニングを飾ったのは、ステージ全体を覆う巨大スクリーンに流された映像。往年の清志郎が自転車に乗り日本武道館まで駆けつける様子や過去のライブパフォーマンスで構成された映像で、会場の高揚感を煽っていく。そしてスクリーンが上方に消えていくと、1曲目として「ロックン・ロール・ショー」が鳴らされた。この曲のボーカルは
そして序盤は、トータスによる「君が僕を知ってる」「I LIKE YOU」と展開。「I LIKE YOU」ではトータスが「すごく好きな歌を歌います」と告げてアコギをつま弾きながら優しい声を響かせた。続いてはLeyonaによる「ラプソディ」「Good Lovin'」へ。レゲエ調のゆったりとしたリズムで楽曲の違った一面を覗かせ、レアグルーヴで武道館を包み込む。
Leyonaに呼び込まれて登場したKUMI & NAOKI(LOVE PHYCHEDELICO)は、まずDr.kyOnを加えた3人のみで「Oh! Baby」をパフォーマンス。Dr.kyOnのアコーディオンに乗せ、KUMIとNAOKIがアコギをかき鳴らす、めったに観られないステージとなった。さらにKUMIが、何年か前にとある音楽イベントで清志郎と一緒になった折りの思い出を語ったあとには「い・け・な・いルージュマジック」をキュートに演奏した。
続いて舞台上に現れたのは
Dr.kyOnの「OK、
ここから30分ほどは映像コーナーへ。秋元康、三池崇、爆笑問題、山口冨士夫からのコメントや、竹中直人による物販紹介などが展開され、最後には場内にいる観客からこの日販売されたグッズ一式がプレゼントされるサプライズがあり、見事当選したアリーナ席の女性が歓喜に沸く姿がスクリーンに大写しされた。
そしてスクリーンが武道館上方に消えると、木村充輝&内田勘太郎が登場。このブロックではハウスバンドを入れず、ゲストアーティストのみで名曲が演奏されるひとときとなった。木村&内田は「彼女の笑顔」「上を向いて歩こう」を披露。続いて姿を見せた
そして再び映像コーナーへ。1989年に日本武道館で行われたRCサクセションのライブから、未発表映像「ダーリン・ミシン」「コールミー」が流されるうれしいサプライズのあとは、清志郎の盟友のひとり、スティーヴ・クロッパー(BOOKER T. & The MG's)が登場。この場で観客と清志郎のために歌える喜びを話しつつ「Dock of the Bay」を熱唱し、続いて「彼が好きだった1曲で、Blue Note Tokyoでも一緒に演奏したんだ」と懐かしそうな顔を浮かべながら「In the Midnight Hour」を披露する。ベテランによるグルーヴィな熱演に、会場中から喝采が起こった。
再びハウスバンドが下がったかと思うと、ステージ最前方のエリアには
長丁場に及んだ「ロックン・ロール・ショー」もいよいよ終盤に差し掛かる。
歓声を受けながら、斉藤が「もう1曲やらせていただきたいんですけど」と話すとさらなる拍手が沸き起こる。「私のお友達というか先輩というかすごいボーカリストです」と呼び込まれたのは、1曲目に登場して以来の奥田民生だ。大きな声援を受け登場した民生は「楽屋ですっごい煎餅を食ってましてですね、最後には煎餅がなくなっちゃった」とリラックスした雰囲気。しかしプレイはさすがの貫禄で、「ドカドカうるさいR&Rバンド」をその名のとおり誰よりも大きな歌声で熱唱する。またアリーナ席には巨大なバルーンが投げ込まれ、ハッピーな雰囲気を後押しする。
そして民生は「武道館ベイビーな皆さんこんばんはー」と挨拶しつつ「座ってもいいですよ、僕の時間はどっちかっていうとユルいんで(笑)」と観客をなごませる。さらに「オーケーカモン俺(笑)」とつぶやくと「あふれる熱い涙」を弾き始め、情熱的なボーカルとアコギの音色で会場を自分の色に染め上げた。続く「誰かがBedで眠ってる」では、ラストのリフレインを色気あるささやき声で歌い、観客を酔わせる。続いて、自分のパートを終えダブルピースを掲げながら袖に戻った民生を引き継いだのはCHABO。この日初めての単独ボーカルで「いい事ばかりはありゃしない」を歌い、間奏ではギターで片山のテナーサックスと絶妙な掛け合いを繰り広げた。
「OK、まだまだ盛り上がっていこうぜ!」というDr.kyOnのシャウトに呼ばれて姿を見せたボーカリストは浜崎&吉井。彼らが「トランジスタ・ラジオ」を歌い始めると同時に、場内には一斉に紙吹雪が舞い、場内の高揚感を煽る。そしてDr.kyOnの「もう全員集合!」という声で舞台上にこの日の出演者全員が集まり、「なぜかこの場の仕切りを任された」というトータスが音頭を取る。「去年はスベったけど! 今年はバッチリ決めてやるぜ!」という意気込みから「武道館イエー!」と清志郎の定番セリフをまねると、ライブのラストナンバーとして「雨あがりの夜空に」が鳴らされた。会場中からシンガロングが巻き起こり、ステージでは武田真治(A.Sax)も加えた面々が名プレイを繰り広げる中、「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace」は幕を下ろした。
そしてスクリーンがみたびステージ前方に降りてくると、「毎日がブランニューデイ」のライブ映像が流され、続いてエンドロールが上映。計4時間半に及んだイベントを締めくくった。
忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace
2012年5月2日 日本武道館 セットリスト
01. ロックン・ロール・ショー[トータス松本 / 奥田民生 / Leyona]
02. 君が僕を知ってる[トータス松本]
03. I LIKE YOU[トータス松本]
04. ラプソディ[Leyona]
05. Good Lovin'[Leyona]
06. Oh! Baby[
07. い・け・な・いルージュマジック[LOVE PSYCHEDELICO]
08. つ・き・あ・い・た・い[浜崎貴司+小泉今日子]
09. Baby#1[浜崎貴司+小泉今日子]
10. RAZOR SHARP・キレル奴[吉井和哉]
11. Mother[吉井和哉]
12. 彼女の笑顔[木村充輝&内田勘太郎]
13. 上を向いて歩こう[木村充輝&内田勘太郎]
14. 約束[三宅伸治]
15. JUMP[三宅伸治]
16. スローバラード[JUN SKY WALKER(S)]
17. キモちE[JUN SKY WALKER(S)]
18. Dock of the Bay[スティーヴ・クロッパー]
19. In the Midnight Hour[スティーヴ・クロッパー]
20. 雑踏[矢野顕子]
21. ひとつだけ[矢野顕子]
22. まぼろし[ラキタ]
23. ハイウェイのお月様[Chara with 仲井戸"CHABO"麗市]
24. 指輪をはめたい[Chara]
25. エンジェル[斉藤和義]
26. 涙あふれて[斉藤和義]
27. ドカドカうるさいR&Rバンド[斉藤和義+奥田民生]
28. あふれる熱い涙[奥田民生]
29. 誰かがBedで眠ってる[奥田民生]
30. いい事ばかりはありゃしない[仲井戸"CHABO"麗市]
31. トランジスタ・ラジオ[浜崎貴司+吉井和哉]
32. 雨あがりの夜空に[出演者全員]
33. 毎日がブランニューデイ[忌野清志郎(映像)]
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音楽ナタリー @natalie_mu
恒例忌野清志郎R&Rショー、今年は33曲4時間半に http://t.co/I7qPiMFz