ASA-CHANG&巡礼は、2019年11月にアメリカツアーを企画していたが、スタッフの体調不良により渡航前夜に急遽断念。翌年に再企画を試みたが、コロナ禍により無期限延期となっていた。満を持して実現した今回のツアーで、彼らは10月23日にニューヨーク、10月26日にフィラデルフィアでライブを行った。
ニューヨークでの会場はブルックリンの中心にあるThe Invisible Dog Art Center。ベルトやジュエリーを生産する工場として1860年代に建設されたのち、廃工場として放置されていたものを2008年にリニューアルた歴史のある建物だ。現代美術や音楽の拠点として多くの展覧会や滞在制作、ライブパフォーマンスが実施されている。また、今回のライブを主催したISSUE PROJECT ROOMはニューヨークにおける前衛音楽プロジェクトの拠点として有名な組織であり、これまでもセシル・テイラー、フィリップ・グラス、ローリー・アンダーソン、灰野敬二、白石民夫などのライブを主催している。
ニューヨークでのライブはアルゼンチンの実験的アーティスト、アルマ・ラプリダとのツーマンライブとして行われ、前売りチケットはソールドアウトを記録。当日は前衛音楽のファンが多数詰めかけ、静かに、熱心にASA-CHANG&巡礼の音楽に聴き入り、代表曲「花」の前奏が始まった際には歓声が上がった。またライブ終了時にはスタンディングオベーションが巻き起こり、ニューヨーク公演は盛況のうちに幕を閉じた。
その後、ASA-CHANG&巡礼チームはフィラデルフィアに移動。この日のライブを主催するAsian Art Initiativeは、展覧会やパフォーマンス、アーティストインレジデンス、ワークショップなどを積極的に開催することで、アジア系アメリカ人による文化表現を通じて、コミュニティの多様な体験を探求してきた団体だ。ASA-CHANG&巡礼は、同団体が持つスペースにて単独ライブを実施。こちらも前売りチケットはソールドアウトを記録。温かな雰囲気の中ライブが始まり、徐々に高まる緊張感の中、観客たちはASA-CHANG&巡礼が構築する唯一無二のサウンドをじっくりと堪能していた。終演後にはニューヨークに続き、スタンディングオベーションが巻き起こり、ASA-CHANG&巡礼の記念すべき初のアメリカツアーは見事に成功を収めた。
Fred Mokua 🇰🇪🇰🇪 @FredMokua124682
@natalie_mu ASA-CHANG