Ado、ギターをかき鳴らし新たな一面見せた「モナ・リザの横顔」終幕

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Adoの全国ツアー「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の千秋楽公演が、10月13日に神奈川・Kアリーナ横浜にて開催された。

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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2月から4月にかけて行ったワールドツアー「Wish」で11カ国14都市を巡り、4月27、28日には女性ソロアーティストとして初めて東京・国立競技場でのライブ「Ado SPECIAL LIVE 2024『心臓』」を成功させたAdo。7月に大阪・大阪城ホールで始まった「モナ・リザの横顔」では、全公演のオープニングアクトをAdoプロデュースのアイドルグループ・ファントムシータが務めた。なお8月3、4日に開催予定だった愛知・ポートメッセなごや公演は、Adoが新型コロナウイルス感染症の陽性診断を受けたため延期に。12月27、28日に同会場にて振替公演が実施される。

圧倒的な歌声と世界観を表現するダンス

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)[拡大]

バンドを従え、立方体のボックスに入って登場したAdoは「心という名の不可解」でライブの口火を切る。開始早々、Adoが体を大きく仰け反らせながら熱唱すると、客席はクライマックスを迎えたかのような盛り上がりを見せた。Adoは聴く者の心に訴えかけるような気迫のある歌声を届けながら、シルエットで見せるしなやかなダンスでも観客を魅了。「唱」や「リベリオン」といった人気曲で盛大なシンガロングを巻き起こし、会場に一体感を作り上げていった。

極上のバラード「会いたくて」で、これまでのたぎっていた空気を一変させたAdo。「フェイキング・オブ・コメディ」ではかわいらしいダンスで道化になりきり、「ハングリーニコル」では軽快なリズムに乗ってチェアダンスを披露しながら、歌を紡いでいく。「ルル」では巨大なビジョンいっぱいに広がるカオティックな映像の中でAdoは髪を振り乱しながら絶唱し、曲が終わると力尽きたかのように床に倒れ込んだ。

自分自身を愛せるようになるために

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)[拡大]

この日、Adoが多彩な歌声を持つボーカリストとしての真価を最も発揮したのは、ダンサブルな「夜のピエロ(TeddyLoid Remix)」とシティポップテイストな「オールナイトレディオ」。感情を爆発させるような迫力のある歌声がパブリックイメージにあるAdoだが、どんな楽曲も自分のものにするスキルフルな歌い手であることを強く印象付けるパートとなった。Ayaseとのコラボも話題となったまふまふ「立ち入り禁止」のカバーでは、歌詞に描かれた心の機微を表現するようにAdoは繊細な歌声を披露。続く「0」では弾丸のようなラップで会場を圧倒し、神々しいほどのハイトーンボイスでも観客を魅せた。

MCなしで20曲を駆け抜けたのち、Adoはワールドツアー「Wish」、国立競技場単独公演「心臓」を経て、今回のツアーを終える今の心境を語る。「私は私自身を越え続け、常に今のパフォーマンスが最高であることを心がけてきました。自分の成長した姿をたくさんの皆さんに見ていただけて、自分の可能性をどんどん突破していきたいという思いももちろんありますが、これは私がいつか自分を愛せるようになるために、自分を好きになれるようになるために行っています」と自分自身と向き合いながら活動を続ける理由を明かし、「必ず、必ず、日本人の歌い手が、アーティストが、まだ誰もやったことがない規模の世界ツアーと、最高のライブを絶対に、絶対に届けますので、どうかこれから先の私も信じていただけると本当にうれしいです」とさらなる飛躍を誓った。そして本編を「FREEDOM」の熱唱で締めくくりステージから姿を消した。

ファーストギターを手に再びステージへ

アンコールを受けたAdoはブルーのストラトキャスターを抱えてステージに舞い戻った。彼女を囲うボックスがなくなり、ギターを構えた姿がビジョンに映し出されると、会場からは大歓声が沸き上がる。そしてAdoはそのギターをかき鳴らしながら「Hello Signals」を爽快感たっぷりに歌った。アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の劇中バンド・結束バンドへの提供曲「あのバンド」もAdoはエレキギターを弾きながら歌唱。続くバラード「向日葵」ではアコースティックギターに持ち替え、一面のひまわり畑の映像をバックに伸びやかな歌声を届けた。

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

「Ado JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』」の様子。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)[拡大]

アンコールの冒頭で弾いていたブルーのストラトキャスターが、13歳の頃に手にしたファーストギターだったことを明かしたAdo。彼女はツアータイトル「モナ・リザの横顔」にならい、誰も見たことがない自分の新しい一面を見せるべく、一度はあきらめたギターの弾き語りに挑戦したことを明かした。刺激的な日々を送る中で心ない言葉に翻弄されても、自分の好きなものを守り抜き、誰かのためになりたいという切実な思いを口にした彼女は、表情は見えなくとも涙を流していることがわかるほどに声を震わせながら「不格好ですけど、私は絶対に私のままで立つつもりなので、目の前にいる皆さんがこれから先の未来にいてくれたら、私と、過去の私がとっても喜びます」と述べた。

最後にAdoは、17歳の頃に今手にしているギターで作ったという「初夏」を披露。17歳の頃のAdoの思いを間もなく22歳になる彼女が力強く歌い、約3カ月にわたるアリーナツアー「モナ・リザの横顔」に幕を下ろした。

なお「初夏」は、Adoの22歳の誕生日である10月24日に初のCDシングルとしてリリースされることが決定。それに先駆け、昨日10月14日に配信リリースされた。

【Ado】初夏 (Shoka)

セットリスト

Ado JAPAN TOUR 2024「モナ・リザの横顔」2024年10月13日 神奈川 Kアリーナ横浜

01. 心という名の不可解
02. 逆光
03. 唱
04. ウタカタララバイ
05. リベリオン
06. 過学習
07. 会いたくて
08. フェイキング・オブ・コメディ
09. ハングリーニコル
10. MIRROR
11. ルル
12. アタシは問題作
13. クラクラ
14. ショコラカタブラ
15. 抜け空
16. 夜のピエロ(TeddyLoid Remix)
17. オールナイトレディオ
18. Value
19. 立ち入り禁止
20. 0
21. FREEDOM
<アンコール>
22. Hello Signals
23. あのバンド
24. 向日葵
25. 初夏

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VIOLA KAM ★ @vizkage

📸 Adoの #モナ・リザの横顔 横浜公演レポに撮影した写真が掲載されております。是非文章共に読んでください!:) https://t.co/BrZsLKsoVh

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