「Sou LIVE TOUR 2024『センス・オブ・ワンダー』」はSouが4thフルアルバム「センス・オブ・ワンダー」を携えて、大阪、福岡、愛知、神奈川に加えて、中国も回ったツアー。パシフィコ横浜 国立大ホールはSouにとって過去最大規模の会場となった。最終公演でSouは「センス・オブ・ワンダー」の収録曲に加えて、カバー曲や初期のオリジナル曲も披露。観客とともに宇宙を旅するような2時間を過ごした。
開演時間を迎えると、ドラマチックなSEや照明などによって宇宙空間を想起させるオープニングを経てSouが登場。1曲目にセレクトされたのは、「センス・オブ・ワンダー」通常盤にボーナストラックとして収録されているseiza「プラネテス」のカバーだ。Souは笑顔を浮かべながら客席を眺め、自身の思いを乗せるように「さあ 誰も知らないふたりだけの世界へいこう」と歌い上げる。続く「COSMIC BEAT」ではイントロで「横浜、声出せますか!?」と勢いよく拳を掲げ、サビで「僕と歌って!」と煽った。彼の言葉を受けてシンガロングが巻き起こり、場内に瞬く間に一体感が生まれた。
Souは「今日は最高の1日にしましょう」と挨拶すると、「KOHAKU」をエネルギッシュに歌唱し、「ハイヒール」では「みんな自由に踊って!」と呼びかけてオーディエンスを高揚させる。その後は「世界を射抜いて」「ネロ」「月夜のタクト」とテレビアニメのタイアップ曲を連投。スリリングなサウンドを乗りこなしつつフルスロットルで歌唱した。Souは初めて海外公演を含むツアーを回れたことや、パシフィコ横浜でライブを開催できたことを喜びつつ、「(ツアーファイナルを迎えることで)ついにアルバムが完成するような感覚がある」と感慨深げな表情を浮かべた。
そして彼は「歌い手なのでカバー曲もたくさん持ってきました」と前置き、gaburyuの「ウォーターマーク」を披露し、ポップなサウンドにメロラップやファルセットを重ねる。さらに原口沙輔の「イガク」をカバーし、そのまま原口による提供曲「リダイレクト」へ。破壊音と美しい音色が混ざり合うサウンドにソフトな歌声が溶け込み、カバー曲とオリジナル曲の境目がシームレスになった。フロクロ「ビビビビ」のカバーではアンニュイなボーカルが響く。激しく点滅する照明の中で、Souは低い声かつ早口でフレーズを繰り出して場内をカオティックなムードで満たした。“歌ってみた”セクションを締めくくったのはyouまんの「ワーストリグレット」。シリアスな演奏に乗せてSouが感傷的な歌声を響かせた。
Souは「みんなの前に立てていることが嘘みたい。僕をこの舞台に立たせてくれてありがとうございます」とリスナーに感謝を伝える。そしてくじけそうになったときに音楽を聴いて活力にしていることを語りつつ、「次に歌うのは道に迷ったときや、つまづいたときに、そっと背中を押せる曲です。この思いを直にみんなに受け取ってほしいです」と続け、「ことばのこり」を届ける。Souは柔らかな歌声で観客を勇気付けたあと、自身が作詞作曲を手がけたアルバムの表題曲を披露。みずみずしいサウンドや歌声でアルバムの世界観を打ち出した。彼は「みんなにまたいつかどこかで会えるように願いながら歌います」と告げ、本編ラストに「衛星紀行」をパフォーマンス。星空のような演出のもと、Souは温かく無邪気に歌い上げた。
アンコールではKulfiQの「カロン」や、2015年にリリースされた1stアルバム「水奏レグルス」から「あやとり」が披露された。Souは「自分はライブをそんなに得意としていないけど、みんなに会うたびに元気をもらっていて。もう1人の自分を見つけられた気がしている」とツアーを振り返る。そして名残惜しそうな表情を浮かべつつ、「またみんなと会えるように、本当にがんばるので。みんなも日々に負けず、次に会えるそのときまで、お互い強く生きていこう!」とオーディエンスに語りかけた。Souはラストナンバーとして、初めて作詞作曲を手がけた2019年の楽曲「愚者のパレード」を歌い上げてツアーを締めくくった。
セットリスト
Sou LIVE TOUR 2024「センス・オブ・ワンダー」2024年9月22日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
01.プラネテス(オリジナル:seiza)
02. COSMIC BEAT
03. KOHAKU
04. ハイヒール
05. WHAT
06. 世界を射抜いて
07. ネロ
08. 月夜のタクト
09. ウォーターマーク(オリジナル:gaburyu)
10. イガク(オリジナル:原口沙輔)
11. リダイレクト
12. アガリ症(オリジナル:にほしか)
13. ビビビビ(オリジナル:フロクロ)
14. 混沌ブギ(オリジナル:jon-YAKITORY)
15. ワーストリグレット(オリジナル:youまん)
16. ことばのこり
17. バブル
18. センス・オブ・ワンダー
19. 衛星紀行
<アンコール>
20. カロン(オリジナル:KulfiQ)
21. 灰カラ
22. あやとり
23. 愚者のパレード
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