RYUTistメンバー全員卒業に向け“ありがとねほんとにねSEASON”開幕、新宿フリーライブが満員に

RYUTistのフリーライブ「RYUTist Free Live “The bridge of promises”」が9月13日に東京・新宿MARZ、15日に新潟・柳都オレンジスタジアムで開催された。この記事では東京公演の模様をレポートする。

2011年に結成され、新潟を拠点に全国でライブ活動を行ってきたRYUTist。2023年春から現在の3人体制で活動してきた彼女たちは、メンバー個人での活動の幅も広がり、それぞれが今後の人生について考え始める中で話し合いを重ねた結果、メンバー全員卒業という決断に至った。今月報じられたそのニュースは大勢のファン、関係者に衝撃を与えたが、RYUTistは感謝の思いを持って“笑顔でサヨナラ”すべく、12月1日に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われる卒業公演に向けて多くのイベントを企画。その一歩目となったのが今回の新宿MARZでのフリーライブだ。開催の発表後、会場のキャパシティを大幅に超えるチケットの予約申し込みが殺到。当日は3人のパフォーマンスを目に焼き付けべく集まったファンで会場が満員になった。

ステージに登場したRYUTistは、まずパフォーマンスの前にファンに向けて挨拶。横山実郁は「卒業を発表するときは、みんながどんな反応をするのかな、受け入れてもらえるのかなってめっちゃ不安だったんですけど、すごく温かい言葉をかけてくださって救われてます」と丁寧に言葉を紡いで頭を下げたのち、「卒業までにたくさんライブを準備しているんですよ！」と笑顔を浮かべた。そして卒業までの期間を“ありがとねほんとにねSEASON”として、ファンと一緒に多くの思い出を作り上げていくことを誓った3人は「きっと、はじまりの季節」でパフォーマンスをスタートさせる。数々のライブを彩ってきた「口笛吹いて」の曲中には早々に五十嵐夢羽が涙を見せるも、柴田聡子の提供曲「WOOT!」「ナイスポーズ」などを通して会場に晴れやかなムードが広がっていった。

RYUTistの歴史の中で初期から変わらないものの1つが、ゆるい空気感のMC。大人になってトークスキルは上がったものの、3人は相変わらずの無邪気な笑顔を見せ、卒業に対するファンの悲しみを明るく和らげてみせた。ライブ後半は曽我部恵一の提供曲「春風烈歌」、切々とした恋心を伸びやかに歌い上げる「好きだよ…」、美しいハーモニーやポエトリーリーディングが聴きどころの「ALIVE」などがセットリストに並ぶ。観客はメンバーの動き1つひとつに目を奪われ、情感あふれる歌声に聴き惚れた。そして本公演のラストナンバーとして披露されたのは、初期のライブで必ず最後に披露されていた代表曲「ラリリレル」。「寂しんだ ほんとはね だけど笑顔で サヨナラ」という歌詞が、いつも以上に大きな意味合いを携えて聴く者の心に響いた。

RYUTistは9月から11月にかけて各メンバーが企画するライブ「RYUTist HOME LIVE“うちにおいでよ”」を開催。10月からはライブツアー「RYUTist LAST LIVE TOUR 2024 “Hello, goodbye”」も行う。