石若駿ワッツアップ祭り2日目で憧れのくるり熱唱、そして関係者も知らなかった椎名林檎に会場騒然

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9月2日と3日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで石若駿の活動20周年記念イベント「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」が開催された。

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」9月3日公演の集合写真。(撮影:Kana Tarumi)

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」9月3日公演の集合写真。(撮影:Kana Tarumi)

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ライブ前の様子。(撮影:Kana Tarumi)

ライブ前の様子。(撮影:Kana Tarumi)[拡大]

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」は石若の活動20周年を記念してライブナタリーが開催したもの。両日ともに石若率いるアンリメことAnswer to Rememberがホストバンドを担当し、1日目には君島大空 合奏形態、CRCK/LCKS、SMTK、Songbook trio、2日目にはくるりermhoi with the Attention Please、HIMI、Jua、KID FRESINOReiという豪華アーティストの出演がアナウンスされていた。この記事では2日目の模様をレポートする。

アンリメ×ゲストのコラボ祭り

石若駿(撮影:Kana Tarumi)

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初日同様、祭りのやぐらのように一段高いところに設置されたドラムセットに座った石若。怒涛のソロプレイで口火を切った彼は、その勢いのままアンリメの佐瀬悠輔(Tp)、MELRAW(Sax, G)、中島朱葉(Alto Sax)、馬場智章(Tenor Sax)、若井優也(Key)、海堀弘太(Key)、マーティ・ホロベック(B)、Taikimen(Perc)とのセッションに突入し、会場を一気に熱狂で満たす。さらに息つく間もなくステージには石若と縁の深いゲストたちが次々に登場。お祭りムードを一段と盛り上げていく。1人目に呼び込まれたシンガーソングライターのHIMIは、アンリメの新曲「Christmas Song II」に続けてメロウなラブソング「だきしめたいよ」を披露し、オーディエンスとシンガロング。続いて現れたラッパーのJuaは、軽快なジャズビートを日英仏の3言語で乗りこなしてみせた。

Reiを迎えたパフォーマンスの様子。(撮影:森好弘)

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この日が誕生日と紹介されたマーティのベースプレイから「RUN」が始まるとKID FRESINOが登場。石若が打ち鳴らす疾走感あふれる変拍子のビートに乗ってスピットしたKID FRESINOは、そのクールな佇まいでも観客を魅了した。そして会場を爆発的な盛り上がりに導いたのが、石若の長年の友人であるRei。石若を“同世代のスーパースター”と語った彼女は、アンリメの凄腕プレイヤーたちを1人ひとり引き立てつつ、自身もハスキーな歌声とアグレッシブなギタープレイを披露し、石若との超絶セッションで観客を圧倒した。

ermhoi with Attention Pleaseのパフォーマンスの様子。(撮影:Kana Tarumi)

ermhoi with Attention Pleaseのパフォーマンスの様子。(撮影:Kana Tarumi)[拡大]

転換時間を経て、ステージにはermhoiが石若、マーティ、小林うてな、Taikimenとともに現れ、ermhoi with the Attention Pleaseとして幻想的なパフォーマンスを展開。石若は鬼気迫る演奏を繰り広げたライブ前半とは一転して、穏やかなプレイでライブを支え、トランペットも演奏してマルチプレイヤーぶりを発揮した。

憧れのくるり、そのメンバーとして

くるりのライブの様子。(撮影:Kana Tarumi)

くるりのライブの様子。(撮影:Kana Tarumi)[拡大]

ライブ終盤にはくるりが登場。くるりとの出会いが音楽人生のターニングポイントの1つだったという石若は、2018年頃より彼らと交流を深め、近年はツアーにも参加している。憧れのバンドの一員となった石若は、岸田繁(Vo, G)、佐藤征史(B)、松本大樹(G)、野崎泰弘(Key)とともにストレートなロックナンバー「コンチネンタル」で演奏を開始し、力強いドラムでライブを牽引。「Morning Paper」では演奏を止めた岸田と石若が「ワッツ」「アップ」と言葉をかけ合う場面もあり、岸田の「ベラ?」に石若が「バルトーク」と即答すると演奏が再開された。

岸田繁(Vo, G)と石若駿(Dr)。(撮影:Kana Tarumi)

岸田繁(Vo, G)と石若駿(Dr)。(撮影:Kana Tarumi)[拡大]

ライブ中、石若は何度も「こんばんは、くるりです」と挨拶。この日のために京言葉のイントネーションを練習してきたそうだが、岸田には「ちょっと違う」と訂正されていた。そんな和やかな空気の中、くるりのイベント出演が決まった際の心境について「最高にうれしかったです」と語った石若は、バンドとの出会いを振り返りつつ、「気付いたらツアーを回ることができて私は幸せ者です!」とコメント。これに岸田は「卒業式みたいやんけ!」と笑顔でツッコミを入れつつ、「おめでとう!」と彼を祝福した。

くるり(撮影:森好弘)

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「石若くんは素敵なミュージシャンといっぱいやってますけど、その中でも僕たちが一番の飲んだくれらしいので、悪の道に引きづり込んでしまったことを謝っておきます」と語って笑いを誘った岸田は、石若を含むバンドメンバーを改めて紹介。そこから石若の曲振りで「ワンダーフォーゲル」が始まると、歌い始めたのは岸田ではなく石若だった。驚きの声が客席に広がる中、彼はドラムを叩きながらメインボーカルを務め上げ、サビでは岸田とデュエット。そして彼らはバンドの代表曲の1つ「ロックンロール」を熱演し、大歓声の中ライブを終えた。

突如現れた真っ赤なツナギの女性

椎名林檎を迎えたパフォーマンスの様子。(撮影:Kana Tarumi)

椎名林檎を迎えたパフォーマンスの様子。(撮影:Kana Tarumi)[拡大]

くるりの出番後には、石若率いるアンリメが全員仲よくオフィシャルグッズのTシャツに着替えて再登場。「最後にまたちょっとだけやらせてください!」と呼びかけた彼らが高速の4ビートジャズを演奏し始めると、誰もが聞き覚えのある歌声がどこからか聴こえてくる。そこから観客が次の展開を予想する間もなく、ステージに現れたのは真っ赤なツナギをスタイリッシュに着こなした金髪サングラスの女性。まさかと目を疑う光景にフロアがパニックに陥る中、彼女は心を揺さぶる圧倒的な歌声で自身が何者であるかを示す。まぎれもない椎名林檎本人が観客の目の前にいた。

椎名林檎を迎えたパフォーマンスの様子。(撮影:森好弘)

椎名林檎を迎えたパフォーマンスの様子。(撮影:森好弘)[拡大]

石若は昨年行われた椎名の25周年ツアー「椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常」に帯同し、「第74回NHK紅白歌合戦」の彼女のステージにも出演。今年5月にリリースされた椎名の最新アルバム「放生会」にも参加している。しかし本公演のフライヤーに記されていた「and more」が椎名だと予想していた来場者はほぼいなかっただろう。関係者にすら知らされていなかったサプライズで会場が大興奮に包まれる中、「命の息吹き」をエネルギッシュに歌い上げた椎名は、ミラーボールが妖しくきらめく中、最新アルバム収録曲「茫然も自失」を艶やかに歌唱。観客を夢心地に誘い、歌い終えると颯爽と去っていった。

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」の様子。(撮影:森好弘)

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」の様子。(撮影:森好弘)[拡大]

興奮冷めやらぬ中、石若率いるアンリメは、最後に最新アルバムより「SEYA」を演奏。ライブ前半に登場したゲストたちもコーラスとして再びステージに参加し、会場に祝祭感があふれる中、2日間のイベントは幕を閉じた。

ライブレポート

セットリスト

「ライブナタリー 石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」2024年9月3日 恵比寿ザ・ガーデンホール

Answer to Remember

OP. ドラムソロ~ATR Theme
01. Still so what
02. Christmas Song II feat. HIMI
03. だきしめたいよ feat. HIMI
04. 410 feat. Jua
05. KIMOCHIS feat. Jua
06. RUN feat. KID FRESINO
07. (つづく) feat. KID FRESINO
08. BLACK BANANA feat. Rei
09. What Do You Want? feat. Rei

ermhoi with Attention Please

01. Ginger Island
02. House
03. Mountain Song

くるり

01. コンチネンタル
02. Happy turn
03. Morning Paper
04. In Your Life
05. California coconuts
06. ワンダーフォーゲル
07. ロックンロール

椎名林檎

01. 命の息吹き
02. 茫然も自失

Answer to Remember

01. SEYA

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※記事初出時、セットリストに誤りがありました。お詫びして訂正します。

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「ライブナタリー #石若駿20周年ワッツアップ祭り ~そのとき私は、11歳でした~」ライブレポート
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