金爆はどう生きるか?結成20周年ゴールデンボンバー、ブリーフ姿で示した「音を楽しむ」信念

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ゴールデンボンバーの全国ツアー「『金爆はどう生きるか』~意外ともう結成20周年ツアー~」のファイナル公演が、7月21日に東京・東京ガーデンシアターで開催された。

「女々しくて」をパフォーマンスするゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

「女々しくて」をパフォーマンスするゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

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2004年に結成され、今年で結成20周年を迎えるゴールデンボンバー。アニバーサリーイヤーを記念した今回のツアーでも演出をふんだんに盛り込みつつ、観客を楽しませることを常に最優先してきたバンドの姿勢を改めて押し出す骨太な構成で、全国のファンを感動に導いた。

憧れの存在を乗り越えたい喜矢武豊、ありのままの樽美酒研二

オープニング映像では20周年のツアーを目前に控えた鬼龍院翔(Vo)が「メンバーがふざけてばかりで楽器を弾かない」という根本的なことに悩む姿が映し出される。最近のさまざまな活動を経て生演奏をバックに歌うことへの欲求が高まったという鬼龍院は、喜矢武豊(G)、歌広場淳(B)、樽美酒研二(Dr)に生演奏へのトライを呼びかけるが3人は聞く耳を持たず、鬼龍院のフラストレーションは高まる一方のままツアー初日へ。「俺たちはどう生きればいいんだ!」という鬼龍院の叫びとともにライブが開幕した。

最初に披露されたのは文字通りライブ開幕の熱狂を描いた新曲「一曲目」。4人のアグレッシブなマイクパフォーマンスにオーディエンスは全力の手拍子で応える。「やんややんやNight~踊ろよ東京~」で会場の一体感を高めたあとは恒例の自己紹介MCへ。20年を経て趣味が増えたという喜矢武は、最近パルクールにハマっていると話し「パルクールは人生と同じ。いろんな障害を乗り越えて生きてきた」と説明する。樽美酒は「昔は自由にパフォーマンスできたけど、今は誰かの顔色をうかがって窮屈なパフォーマンスになってしまって……今日は臆病な自分を卒業して、ありのままの自分を見せたいです」と意気込んだ。

HYDEのコスプレで熱唱する喜矢武豊(中央)。(撮影:菅沼剛弘)

HYDEのコスプレで熱唱する喜矢武豊(中央)。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

続く「抱きしめてシュヴァルツ」で喜矢武は「滑舌」「薄毛」など自身のコンプレックスを記した障害物を華麗なジャンプで乗り越えて拍手を浴びる一方、樽美酒は全裸に金髪のロングヘア、青いショールをまとった異様な出で立ちで登場。壮大かつ伸びやかなBGMに乗せて“ありのまま”の姿を観客にアピールした。さらに喜矢武の前には憧れの存在・HYDEの写真を映した巨大な障害物が登場するが、乗り越えられずにそのまま中に突っ込んでしまう。「喜矢武さんはそのまま、ありのままでいいんだから」と鬼龍院が呼びかける中、再びステージに飛び出した喜矢武はHYDEのコスプレでL'Arc-en-Cielの「HONEY」を熱唱。隣ではサングラスをかけた樽美酒がタバコをふかしながら赤いギターを奏で、観客の大爆笑を誘った。曲が終わると喜矢武は「HYDEさん『ライブに来たい』って言ってたけど予定が合わなくて……むしろ来なくてよかったなと(笑)」と、グッタリした表情で舞台裏を明かした。

ダンボール製ドローンで宙を舞う喜矢武豊と、その才能に驚くメンバーたち。(撮影:菅沼剛弘)

ダンボール製ドローンで宙を舞う喜矢武豊と、その才能に驚くメンバーたち。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

続くMCでは「ドローンに乗ってみたい」という夢を叶えるためにおなじみのダンボール工作でドローンを作ったと喜矢武が語るが「忙しくて時間がなくて15分で作りました。ほぼダンボールが出てきます(笑)」と前フリ。その後披露された「ガガガガガガガ」の間奏では予告通りにダンボール製のドローンに乗った喜矢武が登場したものの、箱にアームをつけただけの簡素な作りに3人からは「しょぼい!」「ガッカリだよ!」とツッコミが入る。そんなシンプルなドローンが喜矢武を乗せたまま突然浮き上がり、オーディエンスは騒然。歌広場がベースのネックでドローンの上下を探っても仕掛けは何も見つからず、3人は「やっぱり喜矢武さんは天才だ!」と大喜びした。

「歌広場淳ゴーストライター説」に鬼龍院翔激怒

幕間では4人がどこかで見たようなキャラクターに扮し、ブリーフ姿で「ジャンボリブリーフ」を踊るというシュールなロケ映像が流れる。お台場、竹下通り、浅草といった都内の名所からスキー場や富士山を臨む湖畔まで巡った4人が水温5℃の湖に落ちたところで映像が終わり、衝撃の余韻が場内に残る中でまた新たな映像が始まった。昨年11月に自身のブログで、次回のツアーでは自身の脚本による演劇を行わないことをアナウンスした鬼龍院。そんな彼が脚本を書けないことに苦しんでいると、歌広場が出演するトークイベントの配信映像が目に入る。演劇や舞台が大好きな歌広場は、演劇の内容についても自身が発案していたと熱弁。スクリーン右上の「実際の配信映像です」というテロップに場内がどよめく中、実際はネタについて過去に一度相談しただけにも関わらず、歌広場がゴーストライターだったとファンが信じる様子に鬼龍院は激怒し「今度のツアーは歌広場に台本を書かせよう」と決意した。

歌広場淳の脚本による演劇を披露するゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

歌広場淳の脚本による演劇を披露するゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

ここで始まった歌広場脚本による演劇は、鬼龍院扮する殺し屋・キル、喜矢武扮するスーパーアイドル・ゆた子、歌広場扮するゆた子のファン、樽美酒扮するゆた子の所属事務所社長による物語。ゆた子に心を奪われながらも組織の命令により彼女の命を狙うことになったキル、その依頼を行ったのは果たして誰なのか。人気絶頂の中で引退を決めたゆた子の秘密とは、そしてキルとゆた子の運命は。サスペンスとラブストーリーが交錯する中、キルが好きなゆた子の曲として挙げたのは「もうバンドマンに恋なんてしない」。マイクを握った喜矢武は女性アイドル風の歌唱でボーカルを務め、鬼龍院はドラム、樽美酒はギターの生演奏で会場を盛り上げた。

演劇が終わり、鬼龍院が「毎年僕が脚本を書いていたつもりだったんですが記憶違いだったようで、『今年は淳さんの脚本でお願いします』と……」と話し始めると、歌広場は「マジごめん、マジごめん! 話盛っちゃった!」と心の底から後悔した表情で謝る。しかし歌広場が書いた脚本には結果としてメンバーやスタッフによる大量の手直しが入ったそうで、鬼龍院は「あんなにつらいんだったら俺が書く。あなたをなめていた」とげっそりした表情で振り返った。

“ドクソ暗バラード”にオーディエンス感動

喜矢武豊の剣刺しイリュージョン。(撮影:菅沼剛弘)

喜矢武豊の剣刺しイリュージョン。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

ライブも終盤に差しかかり、失態を取り返すべく歌広場が軽快なトークで物販紹介を繰り広げたのち、4人は新曲「イイね」をパフォーマンス。鮮烈なギターサウンドとビートが印象的な90年代ヴィジュアル系風のサウンドと、陽気な歌詞と振付のギャップでファンを楽しませた。続く「デスメンタル」では喜矢武が歌広場を押し込めたボックスに剣を刺す、本気のイリュージョンを披露する。喜矢武がボックスの扉に火を放って開くと、中には歌広場の遺骨だけが残っており観客は仰天。しかし歌広場はステージに無事な姿で再登場し、オーディエンスをさらに驚かせた。本編ラストは「†ザ・V系っぽい曲†」で締めくくられた。

アンコールでは最終日恒例の新曲披露を鬼龍院が示唆するが「いつもはけっこうノリのいい曲だったじゃないですか。逆にドクソ暗バラードを持ってきました」と話し、ファンをどよめかせた。「盛り上がってたのを無に返すかもしれない」と鬼龍院が不安を見せつつ披露した曲のタイトルは「どうでもいいよ」。悪意がはびこる世の中で自らを救う歌を届けてくれた存在との別離の悲しみ、そして変わらない愛を描いたバラードだ。歌詞には「20年も経てば流れてく 僕らここから先どう生きるの?」とツアータイトルに絡めたフレーズも。観客は鬼龍院の熱唱に圧倒されつつも感動の眼差しで聴き入った。

解散!? 岡崎体育と新バンド!? 金爆はどう生きる

日替わり曲の「かっこいいな英語って」に続き、「ローラの傷だらけ」では「そろそろ真面目にギターを弾きたくなってるよな?」という鬼龍院の期待を裏切り、喜矢武がギターのボディでキャベツの千切りを披露。鬼龍院の表情が一変し、不穏な空気が流れる中で始まった「女々しくて」では相変わらずふざけ続けるメンバーに対して鬼龍院の堪忍袋の緒が切れた。曲の途中でステージ袖に走り去ったあとの鬼龍院を捉えた映像で、彼は3人に対してクビを宣告しバンドを解散。念願を叶えて生演奏での音楽活動を始めた鬼龍院だが思うようには行かず、転落人生の末ホームレスになってしまった。

ゴールデンボンバー(撮影:菅沼剛弘)

ゴールデンボンバー(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

そんな彼が商店街のテレビで見たのは、メンバー3人と岡崎体育が結成したエアーバンド・岡崎ボンバーが出演する歌番組。岡崎はエアーバンドの魅力を熱く語り、3人を従えて「バンド最高! 音楽って最高!」と連呼する楽曲「フレンズ2」を歌う。その隣で楽しそうにパフォーマンスする3人を見た鬼龍院は「音楽を難しく考えて、音を楽しんでいるメンバーにキツく当たってしまった」と反省し、4人のもとへ駆けつけて再結成を直訴した。戸惑う3人を尻目に、岡崎は「いいっすよ。給料4等分になっちゃうし稼ぎ減るから」と憎まれ口を叩きつつ、鬼龍院に「あいつら、俺とやってるとき全然楽しそうな目してないんですよね」とささやいて姿を消す。3人も鬼龍院の元に戻りたかったという本音を告白し、ゴールデンボンバーはめでたく復活。再び4人がステージに現れると「女々しくて」のギターソロが始まり、4人はブリーフ姿で次々とうれしそうに熱湯風呂に飛び込んでいった。そんな様子をモニター越しに眺めていた岡崎が「金爆はそう生きなきゃ」とつぶやくと同時に金テープが発射され、大団円を飾った。

ラストナンバー「夜明けの待人」では結成当初からのライブ映像がスクリーンに流れ、観客の感動を誘う。4人が会場の隅々まで手を振ってファンとの別れを惜しんだあと、ステージ上のスクリーンではこの日のライブの模様のDVD化、新曲「イイね」のシングルCDの7月24日発売とリリースイベントの開催を発表。さらに2025年1月に神奈川・ぴあアリーナMMで20周年記念ライブ「旧作-kyusaku-」「新作-shinsaku-」を行うことも発表し、オーディエンスを狂喜させた。

今回のツアーファイナルの模様はニコニコ生放送(Re:仮)にて、7月31日まで全編のアーカイブ映像を有料配信中。またYouTubeではライブのオープニング映像とアンコールの「女々しくて」以降の映像が公開されている。

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セットリスト

ゴールデンボンバー「『金爆はどう生きるか』~意外ともう結成20周年ツアー~」2024年7月21日 東京ガーデンシアター

01. 一曲目
02. やんややんやNight~踊ろよ東京~
03. 抱きしめてシュヴァルツ
04. やさしくしてね
05. 死 ん だ 妻 に 似 て い る
06. ガガガガガガガ
07. 愛してると言えなくて
08. お前を-KOROSU-
09. もうバンドマンに恋なんてしない(ショートver.)
10. 幸せな歌
11. イイね
12. デスメンタル
13. 恋人は教祖様
14. かまってちょうだい///
15. †ザ・V系っぽい曲†
<アンコール>
16. どうでもいいよ
17. かっこいいな英語って
18. ローラの傷だらけ
19. 女々しくて
20. 夜明けの待人

ゴールデンボンバー「金爆はどう生きるか」~意外ともう結成20周年ツアー~ ツアーファイナル東京公演 会場から一部生中継

※動画は現在非公開です。

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ゴールデンボンバー公式 @KinbakuTw

<ライブレポ>
7/21に開催したゴールデンボンバー「金爆はどう生きるか」~意外ともう結成20周年ツアー~
東京公演のライブレポートが掲載されました。

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