アジカン後藤正文が音楽支援を行うNPO法人創立「何度でもチャレンジできる場所を目指す」

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文(Vo, G)がNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」を設立。本日7月19日に静岡・藤枝市役所にて法人の設立会見が行われ、理事を務める後藤、代表理事の小林亮介氏、北村正平藤枝市長らが出席した。

後藤正文

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「アップルビネガー音楽支援機構」とは

「アップルビネガー音楽支援機構」はインディペンデントに活動するミュージシャン・アーティストに対して「金銭的、技術的な支援」を継続的に行うことを目的として今年5月10日に発足。活動総称を「APPLE VINEGAR Music Support」とし、藤枝市内に音楽制作スタジオ「Music Inn Fujieda」を建設し、同市を拠点に活動していく。

後藤正文

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会見で後藤は、NPO法人を創立するに至った背景を説明。音楽制作における環境の変化が起き、ストリーミングの普及によって音楽の聴かれ方も変わり、制作費が減少してきていることから、インディペンデントで活動しているアーティストたちの活動がままならなくなってきたと真剣な表情で述べる。「(制作費の圧縮によってアーティストが)クリエイティブなチャレンジができない。失敗できないような環境になってしまう。予算が減り、環境がよくなくなりと負のスパイラルが起きて、スタジオの閉鎖などもあり、大手の人たちとインディペンデントの人たちの環境の差を感じるようになった」と口にした彼は、若いアーティストに資金援助をすべく私設音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を設立したものの、それだけではサポートが追いつかないと語る。

アーティストたちが直面している現実に危機感を覚えた後藤は、気兼ねなく使えるスタジオ探しに奔走。藤枝市の空き家対策の部署に勤めていた友人の小林氏から、市内にお茶の倉庫の空きがあることを教えてもらったことがスタジオ設立につながったという。後藤は「地方に音楽スタジオがあることは大事」と強調し、スタジオ文化の継承が鈍ってしまう状況、メジャーとインディーズアーティストの間に富と機会が偏在していることについてアーティストの立場から解説。土蔵を改装して作られる「Music Inn Fujieda」には後藤が長年集めた機材を提供することもアピールした。

また後藤は、「スタジオだけでなくコミュニティを作って、金銭的な面だけでなく、技術的、情報的な面でもインディペンデントなミュージシャンを支える目的でNPO設立に至った」「NPOにした理由は多くの人の協力を得て活動するため、なるべく活動を透明化するため。藤枝市のレガシーにしてほしいし、みんなでシェアして、みんなで育てて、みんなで歩んでいくようなスタジオ作りたくて『APPLE VINEGAR Music Support』を立ち上げました」と自身の決意を語った。

創立者・後藤正文の決意

「Music Inn Fujieda」設計データ

「Music Inn Fujieda」設計データ[拡大]

「Music Inn Fujieda」設計データ

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「アップルビネガー音楽支援機構」が展開する主な事業は「アーティスト支援のためのスタジオ『Music inn Fujieda』運営事業」「録音物の製作支援事業」「私設音楽賞『APPLE VINEGAR -Music Award-』の運営事業」「イベント制作と運営事業」「地域振興事業」「宿泊施設の運営事業」「コミュニティスペース運営事業」の7つ。年内着工、2025年秋頃完成予定の「Music inn Fujieda」は、木造の土蔵を改修した吹き抜けのあるスタジオで、ドラムも演奏できる天井の高い空間になるほか、ミキシングルームなども完備予定。さらにスタジオに隣接する母家は宿泊施設としてリノベーション中で、滞在しながら音楽制作に集中できる環境が作られる。

後藤正文と北村正平藤枝市長。

後藤正文と北村正平藤枝市長。[拡大]

会見中にはアジカンメンバーの応援コメント映像も上映されたほか、藤枝旧市街地の活性化を推進、地域振興、若手音楽家支援育成などの推進を目的とした連携協定「藤枝旧市街地活性化に関する連携協定」の締結式も実施。後藤は締結式を終えたあと「素晴らしい場所にして、藤枝市の発展にも貢献できるようなコミュニティにしたいと思います」と決意を口にし、質疑応答では「地域としての交流の場になってほしい気持ちが大きい」「自由に失敗できる、何度でもチャレンジできる場所を目指す。たくさんの音楽を作ってくれたら幸いです」「場所柄ツアーバンドが立ち寄ってもらえるスタジオになったら」と「Music Inn Fujieda」の設立に向けて意気込んだ。

後藤正文

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気になるスタジオの利用料について後藤は協議中であることを前提に、「目標は1日あたり3万円あたりでお貸しできたら、施設の維持費などを考えると妥当」「宿泊費は検討中だが、お金がない若手はタダで泊めてあげたい……」と自身の率直な思いを明かしていた。

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後藤正文を含む「アップルビネガー音楽支援機構」理事コメント

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今井紀明 10代の声を聴いて伝えるNPO代表 @NoriakiImai

応援。【会見レポート】アジカン後藤正文が音楽支援を行うNPO法人創立「何度でもチャレンジできる場所を目指す」(コメントあり) https://t.co/5qXmMsN6bv

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