空飛ぶヒーローM!LK、ぴあアリーナに“参上”
3月の福岡・福岡サンパレス公演を皮切りに、4都市で全8公演が行われた今回のツアー。各会場のチケットは軒並みソールドアウトという注目度の中迎えたツアーファイナルのぴあアリーナ公演にも満員のみ!るきーず(M!LKファンの呼称)が集まった。会場に足を踏み入れると、ダウンタウンの街並みを再現したステージと、そのステージから伸びる花道の先、幕に覆われた円形のセンターステージが来場者の目を奪う。作り込まれた舞台セットに期待感が高まる中、M!LKの5人が「HERO」というテーマを体現するステージが幕を開けた。
オープニングムービーで映し出されたのは、市井の人々の生活に紛れながら“ヒーロー活動”を行うM!LKの5人の姿。アメコミ風の映像の中で、吉田仁人は蕎麦屋、山中柔太朗は医者、曽野舜太はジムのインストラクター、塩崎太智は小学生、佐野勇斗はパイロットに扮したキャラクターであることが伝えられる。アニメのオープニングのような序章に観衆が心を躍らせた次の瞬間、幕が切って落とされたセンターステージ上空には“空を飛ぶ”5人の姿が。フライングで登場というサプライズに会場中が驚きの声を上げる中、彼らはみ!るきーずのはるか頭上を舞いながら「Over The Storm」を高らかに歌い上げ、佐野は「今日はみんなを世界一幸せにします!」と宣言した。
華麗なフライングでぴあアリーナのステージに“参上”した5人。2曲目の「ボクノアカシ」を力強く歌い踊る彼らが曲終わりのタイミングで真紅のマントを翻して客席に背を向けると、彼らの視線の先のビジョンには大きなM!LKのロゴが浮かび上がる。見る者の心を奮い立てるような勇壮なオープニングを飾ったM!LK。続く「ハロー!」では歌いながら左右に正面を変えていくパフォーマンスで会場全体にハンドウェーブを巻き起こして会場をひとつに。間奏に設けられた自己紹介タイムでは山中が「俺らに愛される覚悟できてんの?」、佐野が「元気そ!?」とおなじみのフレーズを満員の客席へ向かって叫ぶ。吉田が「今日もいっぱい『チェスト!』って言ってくれますか!?」と求めると、み!るきーずは全力の「チェストー!」コールで彼の思いに応えてみせた。
佐野勇斗が人生を懸けるもの
メインステージに戻った5人はここから「ハナキン!」「テレパシー」と、M!LKらしさ全開のポップチューンを連投して熱気をさらに引き上げていく。「ハナキン!」の曲中、ビジョンに映し出された“びっくり箱”が開くと曽野、塩崎、山中はパンダの耳やパペットを手にキュートな決めポーズ。一方で“箱の中”からハート型のチョコレートを手にした佐野と吉田は両側からチョコレートをかじってみ!るきーずを沸かせる。メンバーの“わちゃわちゃ”が加速した「テレパシー」では曽野が吉田の手に、佐野が山中の頬にキス。あちこちで展開するサプライズに、み!るきーずは何度も悲鳴のような歓声を上げていた。
「奇跡が空に恋を響かせた」で会場をスイートな空気で満たしたメンバーが曲終わりでMCに入ろうとすると、ビジョンの中に突如現れたのは彼らのボス。立派な体格を持ち、どこか聞き覚えのある声をしたボスは、5人にヒーローとしての活動報告を求めた。この活動報告で“山中医師”が極度のナルシストキャラであることが判明する中、ボスは地球に「とんでもない危機」が迫っていることを明かし、5人に街の倉庫への潜入捜査を指示する。佐野と山中の2人がこの指示に応じない態度を取ると、“M!LKの問題児”認定された2人にはメンバーやスタッフからの苦情がファンに向けて暴露される。さらに「殻を破ってもう1つ上のステージへ」行くべく「内緒にしている秘密を1つ言え」とボスに指示された佐野は、渋々ながら「M!LKとみ!るきーずを幸せにすることに人生懸けてます!」という秘密をステージの上で告白した。
M!LKの5人が“潜入捜査”に向かった街は夜の帳が下り、ネオンサインに映し出された曲名は「Weekend」。ビッグシルエットのズートスーツにハットを被って闇に紛れる5人は、ステージのあちこちから姿を見せて順に曲を歌いつなぎ、クールなダンスで聴衆を魅了する。フィンガースナップのカウントから「パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ」に展開すると、5人はハットを光るステッキに持ち替えてリズミカルにステップ。華やかなブラスサウンドに乗せての見応え十分なパフォーマンスでみ!るきーずの目を楽しませた。情熱的なサウンドの「labyrinth」では、ソファやベンチに座ってポーズを決める5人がお互いに顔を寄せ合う艶やかな振る舞いがファンの黄色い悲鳴を誘った。
“潜入捜査”を経てみ!るきーずの元へ
曽野と吉田が潜入捜査の結果をボスに報告しているうちに姿を消した佐野、塩崎、山中。曽野が「みんなー!」と3人を呼ぶと、彼らはトロッコに乗って再登場した。「ジブンエール」「妄想ドン・キホーテ」では、トロッコで客席を進みながら歌声と笑顔を届けた5人。1人ひとりと目を合わせるようにみ!るきーずとのコミュニケーションを楽しんだあとは、センターステージで最新曲の「ブルーシャワー」を送る。さわやかなサウンドに全力で身を預け踊る5人の表情は晴れやかで、そんな彼らのまっすぐなメッセージを受け取るみ!るきーずもまた、熱い眼差しを彼らに向けながらペンライトを振っていた。
メンバーのフリートークが展開された中盤のMCパートでは、吉田が髪を青色に染めたエピソードをきっかけに、塩崎がなぜ髪の毛をブリーチしないのか?という話題で盛り上がった5人。「母親に髪染めを禁止されているから」という共通認識が実は誤りだったことが吉田の口から明かされると、塩崎は「だってブリーチすると、リタッチのために月1とかで美容室通って、毎月5000円とかかかるんでしょ? え、2万円もするの!?」と驚きの声を上げる。M!LKのYouTube企画でもメンバーが大盛り上がりした塩崎の“倹約家エピソード”で、ぴあアリーナのステージ上でも大笑いする5人。話題はいつの間にか、M!LKの移動車で年下メンバーにいい席を譲る塩崎と吉田のイケメンエピソード対決に発展し、5人は勝者のない言い争いに終始してみ!るきーずの笑い声を誘っていた。
“君”を失った“僕”の心の内を歌うミドルバラード「交差点、信号、君と僕」でパフォーマンスが再開すると、直前まで“痴話ゲンカ”で大騒ぎしていたとは思えぬステージで観客を楽曲の世界観に引き込んだM!LK。彼らの歌声をフィーチャーしたこの曲では5人が張り裂けそうな思いを歌声に乗せ、切ない物語を鮮やかに浮かび上がらせた。続く「最愛」は塩崎、曽野、山中の3人、「何処へ」は佐野と吉田の2人というユニット形式で届けられ、み!るきーずはそれぞれが聴かせるボーカルワークにじっくりと耳を傾ける。「何処へ」の終盤、高らかなロングトーンを響かせた佐野と吉田はお互いに背中を預け、静かに優しい笑みを浮かべた。
能力解放!ヒーローたちの最終決戦
ライブ終盤に差し掛かると、5人のヒーローたちの物語もいよいよ佳境。ここでメンバーは、それぞれの職業の衣装に着替えて観客の前に現れ、ミニコントを織り交ぜながらストーリーを進めた。「元気が出ない。愛が足りない」とため息をつく山中がメンバーからの愛を確かめるために提案したのは、自身との“以心伝心”クイズ。山中は「僕が一番好きなM!LKの曲は?」という質問で全員の答えを一致させようとしたが、正解の「リンガベル」を答えられたのは吉田のみという惨状に。「Noアモーレ!」と嘆いた山中は、最後に「好きなところを挙げていって」とメンバーに提案する。4人は「ツアーファイナルだし、本気のやつね!」とこれに乗り、吉田は「買い物とか、マジで真剣に悩んでくれるところ」と真面目に回答を披露。佐野も「M!LKに入ってくれてありがとう」と真剣に山中に伝え、これには山中も「僕を選んでくれてありがとう」と返す。山中と一緒にM!LKに加入した曽野もまた「俺と一緒にM!LKに人生懸けるって決めてくれてありがとう」と思いを伝えた。会場中の期待感が高まる中、最後を任された塩崎は「ええっと……」と悩みつつ「僕は、本当に髪色がきれいだと思います!」とひと言。これを聞いた山中は「浅い……!」と笑いながら「アモーレ!」と叫んで「Amore~僕は君に愛を叫ぶ~」へ。メンバーを映すビジョンには5人の愛の結晶とばかりに薔薇の花が咲き乱れ、メンバーは優雅に花道をパレードして舞台奥へと姿を消した。
VTRの中で地球に迫る危機が隕石の接近だと判明すると、ボスは「君たちの能力と団結力にかかっている」と5人に隕石の処理を託す。そして、バトルスーツのような黒とオレンジの衣装でステージに戻った5人は、「May」の中で“隕石との戦い”を繰り広げた。間奏に差し込まれたソロダンスのセクションでは、メンバーそれぞれが個性的な“ヒーローの能力”を織り交ぜたパフォーマンスでオーディエンスを沸かせる。“強靭な脚力”を持つ吉田が鮮やかなハイキックを披露すれば、“高速移動”の能力を授かった佐野はダイナミックなアクロバットでステージを駆け抜ける。“植物を操る”華麗なパワーの保持者である山中が艶やかな舞いで薔薇の棘を繰り出すと、“怪力”の曽野はダイナミックなダンスで隕石を押しのけた。“目からビーム”を放つ塩崎がブルーの光線舞う中でシャープなダンスを見せ、最終的にそれぞれの力を集結させた5人。すると隕石は花火の爆音とともに粉々に砕け散り、M!LKは見事に地球の危機を回避してみせた。
「Kiss Plan」でクールに舞い踊ったのち、M!LKは本編のラストに「ピースサイン」を送る。“涙の君”を笑顔に変える“愛するべき隣人”の活躍を描くこの曲で「お約束はいつだって」「ハッピーエンド ハッピーエンド」と歌い、5人のヒーローたちの大活劇を結んだ5人。花道を笑顔いっぱいに駆け抜けてみ!るきーずに手を振ると、最後に曽野は「みんな楽しかった? 僕らM!LKは、もっとみ!るきーずのことが大好きです。愛してます!」と全開のスマイルで愛を叫んだ。
「10年後もずっと一緒だよね」
会場中から送られる「もう1杯!」の声を受けて、アンコールは「桜咲く頃には」でスタート。トロッコに乗って再び客席を進み、み!るきーずと手を振り合った5人は、続く「テルネロファイター」の曲中、ボスから支給された新しいヒーロースーツに衣装チェンジする“生着替え”でファンを沸かせる。ジャージをリメイクしたユルめのスーツでメンバーカラーのヒーローに変身し終えると、塩崎は「ボスって誰なんだろうね……?」と仲間たちに問いかけた。この言葉をきっかけに流された映像の中で明かされたボスの正体は、ロバートの秋山竜次。タネ明かしと同時に自慢の“体格”をあらわにし、メンバーのお面で遊びまくる秋山の姿を観たメンバーは「豪華すぎる!」とスペシャルゲストの出演に歓喜の声を上げ、み!るきーずと喜びを分かち合っていた。
「楽しかったね」。最後の曲を前にそうつぶやいた吉田は「いつもと毛色の違うライブだったからみんなが困惑しないか心配もあったけど、楽しんでくれてうれしかったです」とメンバーの思いを伝える。そして「今年はBIG LOVE YEARと題していろんなことにトライしていますけど、やっぱりライブっていいよね。あと半年くらいで僕らデビュー10周年を迎えるけれど、その前にこんなにたくさんの皆さんに観ていただけるのは本当にありがたいことだなと思います」と感謝を口にした。曽野の元気いっぱいの煽りから突入したラストナンバーは「ハピダン」。5色のペンライトの光が花道を進むメンバーを照らす中、先頭を進む佐野は自身の歌唱パートで後ろを振り返り、メンバーの顔を見ながら「約束しようか 来年も、10年後もずっと一緒だよね」と歌い上げていた。
幸せな高揚感に包まれる中でメンバーがステージをあとにした会場では、10周年を記念したM!LK初のアリーナツアー「10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024『I CAN DRINK!』」の開催がアナウンスされた。公演は11月3、4日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで、12月22日に大阪・大阪城ホールで実施される。チケット情報などの詳細は、ツアーの特設サイトで確認を。
セットリスト
「M!LK CONCERT TOUR 2024『HERO』」2024年6月9日 ぴあアリーナMM
01. Over The Storm
02. ボクノアカシ
03. ハロー!
04. ハナキン!
05. テレパシー
06. 奇跡が空に恋を響かせた
07. Weekend
08. パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ
09. labyrinth
10. ジブンエール
11. 妄想ドン・キホーテ
12. ブルーシャワー
13. 交差点、信号、君と僕
14. 最愛(塩崎太智、曽野舜太、山中柔太朗)
15. 何処へ(佐野勇斗、吉田仁人)
16. Amore~僕は君に愛を叫ぶ~
17. May
18. Kiss Plan
19. ピースサイン
<アンコール>
20. 桜咲く頃には
21. テルネロファイター
22. ハピダン
※塩崎太智の崎は、たつさきが正式表記。
10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024「I CAN DRINK!」
2024年11月3日(日・祝)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
2024年11月4日(月・振休)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
2024年12月22日(日)大阪府 大阪城ホール
norikichishio @norikichishio
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