「ひみつの庭」は「12 hugs (like butterflies)」のアートワークを担当したharu.(HUG inc.)が、塩塚モエカ(Vo, G)から受け取ったセルフライナーノーツをたどりながら楽曲を再解釈し、さまざまな分野で活動するアーティストたちとともに表現する展示空間。バンドそのものを“庭”、クリエイターやスタッフたちを“庭師”と定義し、アルバムの制作過程において交わされた親密なコミュニケーションを垣間見せる。
この企画には“庭師”として、フォトグラファー・Nico Perez、衣装担当のAva、フラワーアーティスト・finaleflwr、アーティスト・Christopher Loden、ウイッグアーティスト・河野富広とフォトグラファー / ビジュアルアーティスト・丸山サヤカによるクリエイティブプラットフォームkonomadらが参加。空間設計はデザインスタジオDODIと、いけばな草月流師範のアレキサンダー・ジュリアンが手がける。
入場は事前予約制となっており、明日5月18日10:00からイープラスでチケットが販売される。
“ひみつの庭” inspired by 羊文学 - 12 hugs (like butterflies)
2024年5月30日(木)~6月23日(日)東京都 New Gallery
OPEN 12:00 / CLOSE 20:00(※最終入場は閉館の30分前まで)
“ひみつの庭” inspired by 羊文学 - 12 hugs (like butterflies) ステートメント
haru.(HUG inc.)
「ひみつの庭」
7年ほど前、モエカさんと最初に会ったとき、私は約束の場所にすごく遅れていた。
東京の街にまだ馴染みもない頃、何かの媒体の取材で対談相手として私のことを選んでくれたのだった。そのときのことはあまり覚えていないが、彼女の憂を帯びた大きな瞳は印象に残っている。遅刻をしたにも関わらず堂々としている私の姿(最悪である)を見て、「これでもいいんだと思えた」と最近になって話してくれた。
後にアートワークなどの制作に携わるようになり、初めてデザインした「若者たちへ」(2018)では、モエカさんの瞳に映る未来を覗き込みたくなるような一枚をジャケに選んだ。
メンバーと関わるのは制作期間のみで、プライベートな話もあまりしないが、音楽への妥協や嘘がないからこそ、楽曲を聴けば今の彼らにとって大切なものを捉えることができる気がした。「our hope」(2022)、そして「12 hugs (like butterflies)」(2023)の制作も共にさせてもらい、ゆっくりと信頼関係を築いてきた。
「ひみつの庭」は、「12 hugs (like butterflies)」の楽曲や世界観を私たちHUGが再解釈した展示空間となっている。
変化し続けるバンドそのものを“庭”、それを耕すクリエイターやスタッフたちを“庭師”と定義したこの空間では、作品が生まれていく過程にある、夢をみる余白を大切にしたかった。
展示のキービジュアルは、創造の扉をつなぐ蝶のかたちをした蝶番の写真を、サイアノタイプでプリントしている。まだ見ぬ未来への構想を練る、という意味で「青写真を描く」と表現することがあるが、この展示は自分のなかで形成されつつあった羊文学像を、一度解体するような作業だった。あえて輪郭をあやふやにすることで、きっとどんなものにも変化していけるから。
さまざまな可能性を秘めている羊文学が、そしてメンバーの一人ひとりが、自由に表現を模索し続けていけることを願って。
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Wing Cheng @wing_Love_X
羊文学の“ひみつの庭”が期間限定オープン https://t.co/fzQlpynV2Z