ラブソング多数、セトリは過去最多の25曲
スタッフから言われた「20代にしてはラブソングが少ないですよね」という言葉をきっかけに、4月に恋愛がテーマのEP「ラブソング史のはじめに」をリリースした眉村。彼女は最新作のモードを提示するように「本気のラブソング」「朗読」といった新旧のラブソングを中心とした全25曲を披露した。この曲数は眉村のライブ史上最多となる。
WWW X公演のチケットはソールドアウト。眉村が「最近、ライブにJKや女子大生の子がめっちゃ来てくれるようになって」と話すように(参照:「女の子に憧れられるお姉さん」を目指す眉村ちあき、ラブソングがテーマの新作EPに込めた思いは)、フロアには眉村を支えてきた男性ファンだけでなく、女性のマユムラー(眉村ファンの呼称)の姿も多く見られた。
活動休止前ラストのライブに気合い十分
開演間近に眉村は影ナレを始め、動画撮影のみOKであることをアナウンス。「2カ月休む前の最後のライブなので、てめえの眼に焼き付けるのもいかがでしょうか? 貴様らがニコニコで帰れるようにがんばる。ぶっ飛ばすぜ! ベイベー!」とハイテンションに意気込んだ。フロアが暗転すると風の音やクワイアが混じったSEが流れ、フロアを荘厳な空気に包み込む。SEが止むと、厚いスモークに覆われたステージには、メタリックのボディスーツにピンクのブーツを合わせた眉村の姿が。ライブの1曲目は膨らむ恋心を表現したミディアムバラード「季節風」で、彼女はスタンドマイクの前で可憐に歌い踊り、「あなたが好き」の歌詞では観客を指差したり頭上でハートを作ったりする。続く「モヒート大魔王」「肉喰え」では拳を振り上げながら歌声を轟かせ、フロアに熱気を呼び込んだ眉村。小芝風花の主演映画「
隠しきれぬ本性「来いや! 来いや! 来いや! 来いや!」
力強いアコースティックギターのサウンドが響いた「リアル不協和音」、英語詞も交えた特別バージョンで披露された「東京留守番電話ップ」などインディーズ時代から愛されてきた楽曲が次々とドロップされ、熱気が冷めやらぬ場内。「みんなをメロメロにしちゃうぞ!」という甘い言葉をきっかけに「告白ステップス」に移ると、ここまでパワフルな歌声で魅了してきた眉村からピュアで繊細な歌声が届けられた。ファンがその余韻に浸ろうとしたのも束の間、スポットライトを浴びた眉村は懐かしのナンバー「おじさん」を弾き語り。乱れる髪を気にも留めず一心不乱にパフォーマンスすると、マユムラーから拍手喝采が送られた。
毛色の異なる楽曲でギャップを見せた眉村は「どう? ガチ恋した? 楽しんでるか? 小粒ども! 」とファンを煽動。SNSで余計なことを言わないよう心がけているという彼女はその理由について「“ペロペロ”とか言ってると、先入観によって曲を聴いてもらえなくなることに気付いたの」と話す。そして「ライブに来てくれるみんなには本性を見せてあげる」と言い、「恥ずかしがってんだろ? 来いや! 来いや! 来いや! 来いや!」と荒々しい声で煽り始め、本性をむき出しに。この勢いのまま「顔面ファラウェイ」に突入すると、「来いや! 来いや! 来いや! 来いや!」「ボケカス、コラー!」「奥歯ちぎったろか?」など強烈なコール&レスポンスが飛び交った。
「I am rock 'n' roll princess!」
オペラの歌唱が光る夏ソング「Individual」や、カオティックな歌詞の世界観が印象的なダンスチューン「なまらディスコ」を経てライブは後半へ。眉村が一時退場したのち、ステージのスクリーンには「平成黎明GAL」「フリースタイルハンドメイド」「大丈夫」の歌詞が表示され、オーディエンスは歌いながら彼女を待つ。ガーリーなピンクのドレスに着替えた眉村は「Lovely days」をしなやかに舞うように歌い上げ、今はなきライブハウス・赤坂CLUB TENJIKUの楽屋で作ったという自身初のラブソング「スーパーウーマンになったんだからな!」も披露。「I am rock 'n' roll princess!」という声を合図に、チャーミングな魅力が際立つ「シュビデュバ・オブ・クラティー」、ダークな世界へ誘う「CRAYON」でエレキギターをプレイした。そして、好きな人との出会いによって心が浄化されていくさまを表した「濾過」、記念日を迎えた“2人”の姿を描く「朗読」という最新のラブソングを畳みかけ、温かな拍手を浴びながらステージを去った。
「あたしが世界の歌姫・眉村ちあきだ!」
アンコールを求める熱い声に応えてステージに戻ってきた眉村は「あたしが世界の歌姫・眉村ちあきだ!」とアピールし、ロボットダンスでファンを大いに沸かせる。「旧石器PIZZA」ではフロアにダイブし、マユムラーの頭上で幸せそうに歌声を届けた。にぎにぎしいムードが広がる中、眉村はライブ定番曲「大丈夫」でツアーを締めくくった。最後には、ファンとの再会を祈りながら「マジで口から血出しても止めないから!」と音楽活動への揺るぎない思いを口に。玉置浩二「田園」をBGMにマユムラーと記念撮影したあと、眉村は「この瞬間から活動休止します」と宣言し、声を震わせながらも自身を鼓舞するように「パワー!」と何度も叫んだ。
眉村は活動を一時休止し、7月に活動を再開。7月7日には東京・Spotify O-nestで堂島孝平とのツーマンライブ「ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき” ~星に願いを~」を行う。
セットリスト、ライブ情報
眉村ちあき CHIAKI MAYUMURA @rexno_chi
@Ritu1214870 @natalie_mu ファンクラブに入会して頂戴https://t.co/KdPvcV7FVE