LiSA、デビュー記念日に武道館で大いに叫び歌う「私は今、最高の未来に立ってます」

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LiSAのワンマンライブ「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」が、4月19日と20日に東京・日本武道館にて開催された。この記事ではLiSAのデビュー13周年記念日となった20日公演の模様を紹介する。

LiSA(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

LiSA(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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激しいライブを予感させる幕開け

2011年4月20日にミニアルバム「Letters to U」でデビューし、「Fate/Zero」「ソードアート・オンライン」「魔法科高校の劣等生」「鬼滅の刃」など数多くのアニメ作品の主題歌を担当してきたLiSA。その名前と歌声は国内にとどまらず、海外にも広がり続けている。そんなLiSAが初めて日本武道館のステージに立ったのは2014年1月のこと。気合いを入れて臨んだ舞台ではあったものの、のちにインタビューで語られているようにコンディションの問題で自身にとっては不完全燃焼の結果に。しかし2015年1月に“リベンジ”を果たしたことを皮切りに、LiSAは節目節目で日本武道館でライブを行ってきた。そして、今やすっかりホームとも言える場所で迎えた記念日は、彼女の“ねりねり”した演出がさく裂する盛りだくさんの1日となった。

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])[拡大]

不意に客電が落ち、「SCREAM(叫ぶこと)」が禁じられた世界を描いたアニメーションがスクリーンに広がる。そんな荒廃した世界を、1台のアメ車が疾走していく。その車は街を駆け抜け、ステージセットと同じ「i SCREAM」の看板を掲げたダイナーのもとへ。すると暗闇の中から、「LiTTLE DEViL PARADE」を歌うあどけない声がまっすぐLiSAッ子(LiSAファンの呼称)たちの耳に飛び込んできた。主役の登場に沸き立つ場内だったが、あまりに幼いその声にオーディエンスの頭に疑問符が次々と浮かび始める。それを見越したかのように、ステージには1人の少女が登場。彼女の堂々たる歌声に喝采が起きた刹那、ダイナーの屋上に設置された椅子で足を組み、王者のような貫禄で「LOSER~希望と未来に無縁のカタルシス~」で歌うLiSAが姿を見せた。黒装束をまとった4人のダンサーを従え、「魂 叫べよ」と吠えるように絶唱する彼女にLiSAッ子は熱狂。手にしたペンライトを振りかざし、彼女と同じようにあらん限りの声で応える。大きなコールを浴びながらLiSAはおもむろに立ち上がると会場をぐるりと見渡し、バンドメンバーが待つダイナーの1階へ。まとっていたロングドレスを脱ぎ捨てると、ジーンズを基調としたパンキッシュなファッションにチェンジ。今日のライブが激しいものになることを予告するように「ROCK-mode'18」を叩き込んだ。

LiSAッ子たちと叫び倒す

「今日は大切な大切な記念日です。叫び倒す準備はできてますか?」「愛と思いやりを大切に、ここにいるみんなで最高に楽しんでいきましょう! ピース!」と全方位に呼びかけたLiSAは、アクセルをグッと踏み込み「ANTIHERO」を皮切りに矢継ぎ早にロックチューンを連投。「confidence driver」では「今日、皆さんはどこに来てるの? 『i SCREAM』に来たんじゃないの?」とバットを振りかざし、「リスキー」ではエレキギターを弾きながら、牙を剥くような鋭いボーカルを響かせる。さらに艶やかなネオンサインがスクリーンに躍った「覚醒屋」では甘く毒をはらんだ蠱惑的な歌を聴かせつつ、「もっとちょうだい!」とLiSAッ子の声を貪欲に求め、武道館内の熱気をグイグイと高めていく。スクリーンには首筋に汗をにじませ、張り付く髪の毛をものともせず熱唱するLiSAの顔が大写しになり、出し惜しみのないフルスロットルのパフォーマンスを展開していることを印象付けた。

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])[拡大]

「L.Miranic」で存分にLiSAッ子たちとコール&レスポンスを繰り広げたのちLiSAが退場すると、入れ替わるようにダンサーが扮する“NO SCREAM”警察が取り締まりを始める。「NO SCREAM」の警告が掲出される中、サイレンが物々しく響き、パトランプにようなライトがステージを行き来する。そんな不穏な演出を挟みダイナーの屋上に戻ってきたLiSAは、拡声器を手に「PROPAGANDA」を歌い出した。「Find! Out! By yourself!」とLiSAッ子たちと何度も叫び、周囲に惑わされず自分自身で道を選び取ることを高らかに宣言。「Let's scream!」とどこまでも観客をアジテートする彼女だったが、艶美なシンセサイザーの音色が鳴った瞬間、それまで羽織っていた赤いジャケットをはらりと脱ぎ、黒のミニドレス姿に。LiSAッ子が上げる歓声を浴びながら階段をしゃなりしゃなりと降りると、アップライトピアノの上で艶かしく「愛錠」を歌い上げた。愛に溺れ、愛に惑う……そんな人間の心情を、甘やかで狂おしいボーカルや椅子を使ったダンスで表現するLiSA。誰もがその姿に視線を外せずにいる中、彼女は会場を一瞥すると、闇に溶けるように消えていった。

ポップでキュートなLiSAと、ロックスターなLiSA

LiSA(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

LiSA(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])[拡大]

掃除夫に扮したダンサーが「NO SCREAM」の看板を壊し、ダイナーのジュークボックスに電源を入れるコミカルな小芝居を挟み、ライブは後半戦に突入。チェッカーフラッグの模様をあしらったミニスカートにピンクのフェイクファーの上着を着用したLiSAは「武道館、踊るよー!」と宣言し、「ノンノン」「WiLD CANDY」「スパイシーワールド」「エレクトリリカル」の4曲をメドレーでパフォーマンスする。ポップでキュートなLiSAとしての一面を披露して、LiSAッ子たちの笑顔の輪を武道館に広げた。その後、上着を脱いだLiSAは「Rally Go Round」をダンサーたちと歌い踊り、ラインダンスにも挑戦。続く「I'm a Rockstar」では、自分が“ロックスター”であることを宣言し、高らかにメロイックサインを掲げた。

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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ここでダイナーを舞台にした幕間映像が上映され、その中ではLiSAのステージを支えるメンバーたちをフィーチャー。柳野裕孝(B)、石井悠也(Dr)、白井アキト(Key)、PABLO(G)、生本直毅(G)、岩村乃菜(Cho, Perc)、ダンサーのNOSUKE、yUkA、risako、RyuICHIの紹介が終わると、LiSAと“ミニLiSA”のデュエットで「LiTTLE DEViL PARADE」が始まった。「全部全部叫んで、“i SCREAM”にして食べる準備はできてますか?」と叫ぶと叫ぶLiSAに、怒号のような歓声で応えるLiSAッ子たち。LiSAに、それに怒号のような歓声で応えるLiSAッ子たち。ファンのすさまじい熱気を全身で浴びたLiSAは、「まだまだ叫んでもらいますよ!」と宣言し怒涛の勢いでライブの定番曲を連射し、オーディエンスのテンションをどこまでも引き上げる。

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])[拡大]

新曲とは思えないほどのコール&レスポンスとシンガロングが巻き起こった「Shouted Serenade」、LiSAッ子たちが灯す赤いペンライトの光が激しく揺れた「ADAMAS」を経て、LiSAは10年前の初日本武道館ライブで味わった悔しさ、2度目に立ったときには日本武道館を“味方”につけたことを回顧。デビュー13周年をホームとも言える場所になった日本武道館で迎えられた感慨を明かすと、一緒にライブを作り上げたLiSAッ子を讃えるように「Hi FiVE!」へとつなげる。オレンジと水色の銀テープが弧を描き祝祭ムードが漂う中、LiSAは「この声が続くまで、この命が続くまで、たくさんたくさん遊び続けよう」と破顔した。

私は今、最高の未来に立ってます

耳をつんざくようなLiSAコールが轟き、異様な熱気に包まれる武道館。そこに1人で戻ってきたLiSAはステージの中央に設置されたアップライトピアノの前に座ると、鍵盤をポロポロと叩きながら「HELLO WORLD」をひたむきに歌い上げる。固唾をのんでその姿を見守っていたオーディエンスだったが、LiSAがピアノの弾き語りという新たな挑戦を終え、満面の笑みを浮かべると割れんばかりの拍手を送った。

「13年後にこの武道館に立っている景色は思い描けていませんでした。13年の間に11回目の武道館です。11回もみんなとデートができるとは思っていませんでした。私は今、最高の未来に立ってます」と、客席を見渡し胸を張ったLiSA。続けて「まだまだ叫びたいこと、まだまだ歌いたいこと、まだまだ叶えたい夢があることを幸せに思います。これからもついてきてくれますか?」と呼びかけたのに続き、バンドメンバーと和気あいあいとトークを繰り広げながら「アイスクリームを食べたらカクテルを飲みたくならない?」と「ソニー銀行 presents LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~ [SWEET&SOUR]」と銘打った全国アリーナツアーの開催を告知。さらに、この日のライブの模様がTBSチャンネルにて放送されることもアナウンスし、LiSAッ子を狂喜乱舞させた。

ライブのクライマックスに届けられたのは、さまざまな言語で愛を伝える「halo-halo」と、代表曲として10年近く歌いつながれてきた「Rising Hope」の2曲だった。巻き起こる盛大なコールとシンガロングを糧に、本編以上にエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げていくLiSA。祝砲のように最後の1音が鳴った瞬間、スクリーンには「13周年迎えました!」と真っ白な八重歯を見せ、笑顔を弾けさせるLiSAの姿が浮かんだ。

デビュー14年目に突入したLiSAは、中日ビル開業記念イメージソング「拝啓、わたしへ」を4月24日に配信リリース。6月から6年ぶりのアジアツアーへと乗り出す。

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セットリスト

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」2024年4月20日 日本武道館

01. LOSER
02. ROCK-mode'18
03. ANTIHERO
04. confidence driver
05. リスキー
06. 覚醒屋
07. L.Miranic
08. PROPAGANDA
09. 愛錠
10. ノンノン / WiLD CANDY / スパイシーワールド / エレクトリリカル
11. Rally Go Round
12. I'm a Rockstar
13. LiTTLE DEViL PARADE
14. 一斉ノ喝采
15. REALiZE
16. Psychedelic Drive
17. Shouted Serenade
18. ADAMAS
19. Hi FiVE!
<アンコール>
20. HELLO WORLD
21. halo-halo
22. Rising Hope

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