本日3月13日に結成25周年記念アルバム「バンドは水物」をリリースしたつしまみれ。本ツアーの対バンには
なおつしまみれのオフィシャルサイトでは、行川和彦が執筆した「バンドは水物」のレビューと、メンバー3人がレコーディングや作曲に関して語ったインタビューを読むことができる。
さらにつしまみれは4月18日からアメリカとカナダでツアーを行う。
つしまみれ結成25周年記念全国ツアー「バンドは水物」
2024年5月18日(土)千葉県 千葉LOOK
<出演者>
つしまみれ / キノコホテル
2024年5月19日(日)神奈川県 BuzzFront
<出演者>
つしまみれ / THE LET'S GO's / MELT4 / BOMB FACTORY
2024年5月25日(土)北海道 ロックバーJAM
<出演者>
つしまみれ / DUST BABY
2024年5月26日(日)北海道 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
<出演者>
つしまみれ / 口口宵生 / S.T.Y. / null / P.P.N.S. / Lyrical Fat / and more
DJ:ラモーン鉄男
2024年5月27日(月)北海道 REVOLVER
<出演者>
つしまみれ / 口口宵生 / おばけトンネル / サボテンレコード / and more
2024年5月31日(金)宮城県 FLYING SON
<出演者>
つしまみれ / THE LET'S GO’s / 勃発 / 秘密のコペカチータ
2024年6月1日(土)岩手県 バレルハウス カプカプ
<出演者>
つしまみれ / チクロ
2024年6月7日(金)埼玉県 EASYGOINGS
<出演者>
つしまみれ / 振袖パンク /
2024年6月14日(金)長野県 ALECX
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ / ヨシハラシオリ / and more
2024年6月15日(土)新潟県 CLUB RIVERST
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ /
2024年6月16日(日)富山県 Soul Power
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ / and more
2024年6月19日(水)大分県 Copper Ravens
<出演者>
つしまみれ / and more
2024年6月21日(金)福岡県 Public bar Bassic.
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ / BO-PEEP
2024年6月22日(土)愛媛県 Double-u studio
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ / and more
2024年6月23日(日)岡山県 PEPPERLAND
<出演者>
つしまみれ / 赤いくらげ / ソープランド揉美山 / 156 / オッス!オラ和人! / ローレライズ
2024年6月29日(土)大阪府 FANDANGO
<出演者>
つしまみれ
2024年6月30日(日)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
<出演者>
つしまみれ
2024年7月6日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
<出演者>
つしまみれ
行川和彦 レビュー
ジャケットにデザインされたことからもうかがえるように、結成25周年の覚悟が感じられるディープなアルバムだ。メンバーによれば、オリジナル・アルバムだけでなくライヴ盤、ベスト盤、ライヴ限定販売盤、ミニ・アルバムを含めて、これが20枚目とのこと(CD-Rのリリースとシングルは除く)。まさに記念盤である。
今まで以上に何が飛び出してくるかわからない予測不可能なアルバムだ。オープニング・ナンバーの「SHOWYOU MY SOY SAUCE」からして、ラップ・メタルかと思いきやドラマチックかつ破天荒な展開を見せ、徳島県民謡の「阿波踊り」の一節“エライヤッチャ”も挿入。こんな離れ業、
バンドの心象光景描写のアルバムだから音楽的にもヴァラエティに富み、つしまみれ流のミクスチャーなロックであり、ポップなハイブリッド・スタイルに磨きをかけている。グルーヴィで味のあるベース、タイトで抜けのいいドラム、やわらかくも狂おしいギター、多彩なヴォーカルが織り成す万華鏡サウンド。一発録りでなくてもパワフルなケミストリーに包まれ、メンバー間の交感がプレイに表れているから生々しい。ユーモアの影に隠れがちにも思えるが、つしまみれの真骨頂はビシッ!としたプレイのバンド・サウンド。ミュージャンシップが高いからこそ、“頓智”も光るのだ。
スタジオ録音ならではの魅力もいっぱいである。肉体的なサウンドをスピーカーから体感するのが最高なのはもちろんのこと、コーラス・ワークも含めて曲ごとにちょっとした工夫でさりげなく凝った作りだから、ディテールに注意しながらヘッドホンで耳を傾けるも良しだ。レコーディング中に色々とアイデアを出した、録音/ミックス/マスタリング・エンジニアの中村宗一郎(ピース・ミュージック)も、真にグッド・ジョブである。
日本語の歌を軸にした曲ながら、洋楽のテイストが溶け込んでいるのもうれしい。特に70年代末以降のニュー・ウェイヴ~ポスト・パンク、オルタナティヴ・ロックの要素があちこちから滲み出ている。メンバーが無意識のアーティストも含めて書くと、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、フガジ、ジョイ・ディヴィジョン、ソニック・ユース、プッシー・ガロアの遺伝子も漏れ聞こえてくる。
アルバムの前半はわりとノリノリで気持の上でも走る曲が中心だが、後半になると内省的な色が濃くなるのも『バンドは水物』の魅力だ。6曲目の「サイケデリック自問自答」以降まさに自問自答の曲が連発され、バンドを続けていく彼女たちの苦悩が音や声から聞こえてくるのは、僕だけではないだろう。ふざけているようで真剣、ほんと生身のロックなのだ。
地味に見えて本作の中核を成す「Color」を挟み、クライマックスの高みにアガっていく重要曲が「バカ元カレー」と「ヨリ戻シチュー」。対の関係の2曲だから共にミクスチャー・ロックだが、単なる一種のラヴソングに留まらず、それぞれの曲に込めた思いがサウンドになっているところに注意するとまた格別だ。10曲目の「迷曲」というタイトルは謙遜しすぎで、照れ隠しでそういう曲名にしたとしか思えないほど正真正銘の名曲。聴けばわかる。シンプルだからこそ深く感動的だ。
その穏やかな余韻をデストロイ!するラストのアルバム・タイトル曲、失神必至である。わらべうた「通りゃんせ」の一節を絶妙に挿入し、1曲目と同じく日本の伝統的な歌の面白さも再認識させる“つしまみれ節”。そして何より、コンスタントな創作とツアーでハードなバンド活動続ける強靭な心の火花が、サウンド化しているところが素晴らしい。
歌詞はメンバーが普段思うことがモチーフのようだが、普遍的に綴られている。ダジャレや言葉遊びはますます絶好調だが、シリアスな色合いも濃くてグッとくる。松田聖子からケイト・ブッシュまでをフォローする本格歌唱力のヴォーカルも、ますます聴きごたえ十分。ほんと声が年々よく出る一方だし、芝居がかった歌い方とは無縁でしっかり発声する歌い方。まりの声にウソはない。
25周年で加速するフラストレイションがモチベーションの一つのアルバムである。ハングリーなアスリートのように切磋琢磨、だから確かにロックしている。アルバム・カヴァーをはじめ、幾度目かのアメリカ・ツアー中の写真で彩ったカラフルな12ページのブックレットもひっくるめて、光が見えてきて解き放たれる最高傑作だ。
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つしまみれ まり / TsuShiMaMiRe Mari @marimamire
つしまみれ全国18都市回るツアー開催 対バンにキノコホテル、赤いくらげ、MELT4、BO-PEEPら https://t.co/GEoNSMdYZu