SHINee's Back、6年ぶりに東京ドームのステージへ
昨秋に、約5年ぶりとなる日本でのアリーナツアー「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]」を開催し、盛況の中で各地を巡ったSHINee。このツアーの“最終公演”という位置付けで行われた本公演は、2018年7月開催のファンイベント「SHINee WORLD J presents ~SHINee SPECIAL FAN EVENT~」以来、彼らにとって約6年ぶりの東京ドームワンマンとなった。
開演時刻を迎えると、パールアクアグリーン1色に染め上げられたステージビジョンに5つのシルエットが浮かび上がった。「SHINee's Back」。「Sherlock」の象徴的なこのフレーズが、SHINeeが東京ドームにカムバックしたことを知らせる。この瞬間を待ち焦がれた満員のファンが大歓声を上げる中でステージに姿を見せたKEY、MINHO、TAEMINはペンライトの光で埋め尽くされた客席をまっすぐに見つめ、「Clue+Sherlock(Japanese ver.)」のダイナミックなパフォーマンスでライブの火蓋を切って落とした。
気迫あふれる歌とダンスで1曲目からオーディエンスを釘付けにした3人は、「Picasso」「Stranger」「君のせいで」「Get The Treasure」と、怒涛のような日本語曲の連続で会場の熱を一気に引き上げていく。アリーナツアーとはまったく異なるセットリストを用意したSHINeeからの“サプライズ”を受け取る観客から1曲ごとに歓喜の声が上がる中、ツアー時に「アリーナツアーと違う曲、ひさしぶりの曲、懐かしい曲も歌うと思います」と予告していたTAEMINは「君のせいで」で「懐かしい曲でしょ!」とひと言。ムービングステージでアリーナエリアを移動した3人がセンターステージでドロップした日本語バージョンの「Dream Girl」では、鮮やかなスタンドマイクさばきを見せながらパワフルなボーカルを響かせる3人の姿を色鮮やかなムービングライトが照らし、ファンも力の限りのコールで彼らのステージを彩った。
なんで東京ドームってこんなに特別なんでしょう
6曲を終えて自己紹介した3人は、広い会場を見渡しながら東京ドームがSHINeeにとって特別な場所であることをファンに伝えた。KEYが「僕たちはいろいろ活動しているけれど、なんで東京ドームってこんなに特別なんでしょうね?」としみじみ語ると、TAEMINはSHINeeが2015年に初めて東京ドームでライブを行ったときの「Everybody」が「めちゃくちゃ記憶に残っていますね」と続く。MINHOもこれに同調し、KEYは「気分もそのときと似ています。不安もあるけれど、本気で最後までがんばりましょうって(みんなで)話しましたよね」とメンバーに語りかけた。そして3人は、今着ている純白のデコラティブな衣装は、その2015年の東京ドームライブで着た衣装を意識したものであることを伝えた。
「Like It」でステージを再開させた3人は、高く上昇したムービングステージの上で「Good Evening」を披露。心地よい浮遊感のあるサウンドやビジョンに映し出された宇宙空間の映像が、椅子の上に立ってたゆたう3人の姿を幻想的に際立たせ、オーディエンスも軽やかなクラップを鳴らしながら音に乗った。バックダンサーチームのパフォーマンスタイムを経て、ワイルドなストリートルックで3人がステージに戻ると、彼らは危険な香り漂う「HARD」「Don't call me」で会場のムードを一変させる。「Body Rhythm」では、MINHOが歌声を響かせながら上着を脱ぎ去り、その鍛え上げられたスタイルで歓声をほしいままに。滑らかなボディコントロールの巧みなダンスで妖艶な魅力を振りまく3人は、続く「JUICE」でもスキルフルなダンスでオーディエンスを魅了してみせた。
メンバーそれぞれがソロ活動などの近況報告をしたMCを経て、KEYの「皆さん、『Everybody』を聴く準備はできてますか!?」という煽りとともに、3人はここでキラーチューン「Everybody」をドロップ。オーディエンスから熱い眼差しと声援が送られる中、メンバーはセンターステージから東京ドームの全方位へ向け、気迫あふれるダイナミックなパフォーマンスを放ってみせた。そののち、ひさびさの披露となった「Lucifer」では、TAEMINが聴かせた力強いロングトーンがドームの空気をさらに熱くする。この曲でアリーナ後方に設けられたステージに進んだ3人は、ディープハウスナンバーの「View」を続け、さわやかな高揚感で会場を満たしていった。そして「Downtown Baby」のポップなサウンドが鳴り響くと、彼らは2台のトロッコに乗り込んでカラフルな光の海の中へ。客席から送られる目一杯のハンドウェーブとコールを受け取りながら、ファンのすぐそばで笑顔を届けた。
KEYとMINHOのCan I get your number?
ドレッシーなジャケットスタイルに着替えた3人がステージに再登場すると、「Replay -君は僕のeverything-」でライブは後半へ。ぐっとテンポを落とし、アレンジを効かせた「Replay」の日本語バージョンは3人のボーカルを際立たせ、情感たっぷりに歌い上げるそれぞれの歌声に、オーディエンスもじっくりと耳を傾ける。その後も彼らは、東京ドーム公演のために新たにセットリストに追加した日本語バージョンのラブソング「Love Like Oxygen」「Your Number」を続け、甘いムードで会場を染め上げていく。その「Your Number」の最後、セリフパートを担ったKEYが「Can I get your number?」とつぶやいて注目を集めたが、イヤモニの影響でこれをうまく聞き取れなかったTAEMINは「楽しみにしていたからもう一度」と“テイク2”をKEYに要求。すると逆に、KEYとMINHOから「自分がやりたいからリクエストしたんですね!」とやり返されてしまい、TAMINは照れ混じりのセリフ披露でファンを沸かせていた。
「一緒に歌って!」とKEYが呼びかけた「Keeping Love Again」では、この呼びかけに応えたオーディエンスが大きなシンガロングを送る。客席が温かな光で染め上げられる中、3人が豊かな歌声を響かせた「Fire」を経て届けられたのは「Diamond Sky」。上昇と下降を繰り返しながら回転するエンドステージに立つ3人は、ロマンチックなラブソングをまっすぐな眼差しで歌い届け、高く伸ばした手でダイヤモンドをかたどるポーズで会場をひとつにした。そして、本編の最後に披露されたのはバラードナンバーの「LOVE」。ムービングステージでアリーナを進む3人は美しいユニゾンを響かせ、「LOVE」という光の文字やハートマークが浮かび上がった客席を優しく見つめる。メインステージに戻ったKEY、MINHO、TAEMINが立ち並んだ際には、感極まったMINHOが涙を隠すように客席に背を向ける姿が観客の目を奪うシーンも。3人はそれぞれに万感の表情を浮かべながら楽曲を歌い切り、ステージの奥へと消えていった。
皆さんが僕の願いを叶えてくれました
ステージの照明が落とされると客席からはすぐにアンコールの声が湧き上がり、さらには「君がいる世界」の大合唱が巻き起こる。オーディエンスの熱い声に導かれ、大きなフロートに乗り込んで姿を見せた3人は「Super Star」でライブを再開させた。「Runaway」「The Feeling」を続け、アリーナの外周を進んでドームを1周し終えると、3人は「君がいる世界」の合唱について言及し、TAEMINは「皆さんが僕の願いを叶えてくれて感動しました。本当に歌ってくれるんだ!って」と笑顔。KEYも「事務所は僕たちにいろんなことを秘密にしているから……」と笑いつつ「すごいアイデアですね」と、満員の客席を讃える。また、MINHOはこのMCで、「LOVE」で見せた涙について「ペンライトの光を見て、(グッと)きちゃいました。これまでのドーム公演の記憶が蘇って」と思いを語っていた。
ライブのクライマックスに送られた壮大なバラードナンバー「Colors of the season」は、6年前の東京ドーム公演で1曲目に届けられた楽曲。リフトに乗り込んで高く上昇し、カラフルに明滅するペンライトの光を見つめながら歌声を響かせる3人。すると、ラストナンバーの「1000年、ずっとそばにいて…」では、そんな3人へ向けた観客からのサプライズとして、プラカードを使ったメッセージが送られた。スタンドエリア全体に浮かび上がったには「SHINEE IS BACK」という言葉で、これに気付いたTAEMINはメッセージを連呼して驚きをあらわに。歌いながら涙を浮かべていたKEYは、目を丸くしながらスタンドをまっすぐに見つめた。
いつもいつも皆さんが僕の希望です
パフォーマンスを終え、3人は最後にファンへ向けて今の思いを伝える。挨拶の冒頭から涙を浮かべていたTAEMINは「こうしてずっとそばでSHINeeを守ってくれて感謝していますし、愛をもらって胸がいっぱいです。東京ドームという大きな場所にまた立つことができたのは、皆さんのおかげです」と感謝を伝え「本当に、ONEWさんとこの3人でまたステージに立ちたいですし、そのときを待っていてくれますよね? これからももっともっと成長するSHINeeになります。皆さんのおかげでSHINeeはずっと生きると思います」と続ける。MINHOは「ひさしぶりの曲もあって、実はすごく心配でした」と明かし「けれど、皆さんの目を見ていたら不安はなくなりました。お願いごとがあります。今日の公演、今日の出会い、絶対記憶していてください。いつもいつも皆さんが僕の希望です」と、ファンに思いを伝えた。
最後にKEYは「コメントの最後はいつも難しいですね」と笑いながら「時間があっという間に過ぎて、ビックリしました。今日はいいですね、昔のことを思い出すことができて」と実感を語る。「ドームに戻ってくるには時間がかかりましたが、もう(遮るものは)何もないです。こういう機会がもっと増えたらいいですね。僕たちはもっとがんばっていきます」と力強く未来を見据えたKEYは「今日はありがとうございました、皆さん!」と呼びかける。何度も客席に手を振り、ファンとの別れを惜しんだSHINee。TAEMINは去り際に「東京ドーム最高。また会いましょう! 約束だよ!」と思い切り叫んだ。
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