ステージにはフロアに食い込むほどの巨大な3面LEDパネルが登場。このパネルには宇宙船のコックピットや、広大な宇宙、無数の星などが鮮やかに描き出され、観客がまるで宇宙を探索しているような気分を味わうことができた。
ライブに関する注意事項がアナウンスされたあと、オーディエンスの拍手と雄叫びが響きわたり、開演前から熱気が充満する豊洲PIT。ミドグラ初の有観客ライブなだけに、「星街さーん!」「INOUEー!」などメンバーを呼ぶ声がそこかしこで飛び交う。そんな異様な熱気に包まれる中、ライブは幻想的なハミングで始まる「Never Ending Midnights」で開幕。星街から突き抜けるような歌声が放たれると、それに呼応するように青いペンライトが大きく揺れ動く。そして星街は洗練されたピアノやバイオリンの音色に合わせ、ファンを歓迎するようにゆっくりと両手を広げた。続くデビュー曲「SOS」では星街がキャッチーなダンスでオーディエンスを存分に魅了した。
オリエンタルなサウンドをきっかけにスタートしたのは、公演タイトルにもなっている「Midnight Mission」。星街が矢継ぎ早に言葉を紡ぐと、ファンは心地よさそうに手を上げジャンプを繰り返す。その後も、イノタクのカッティングギターが光る「Igniter」やレトロなサウンドの「夜を待つよ」など毛色の異なるダンスチューンが次々とドロップされ、フロアの盛り上がりを加速させた。
バラードソング「流星群」が始まると、先ほどまでの熱狂が嘘のように場内が静まり返る。オーディエンスはダイナミックな演奏や透明感のあるボーカルにじっと耳を傾けていた。「ソリロキー」のパフォーマンスでもミドグラはエモーショナルな世界観を演出。「100年先の彗星の日もここで待つから」という歌詞にちなんで、LEDパネルには「2124年2月20日」という日付が刻まれていた。
ライブが終盤に差しかかり、ミドグラ流のパンクナンバー「Moonlightspeed」でフロアに熱気を呼び戻したメンバー。ドラムンベースを基調としたアッパーチューン「Allegro」で本編はクライマックスを迎え、曲中では星街が巨大な銃を構えて青いビームを放った。その後、ミドグラは一度はステージ袖にはけたものの、アンコールを求める熱い声に応じて、舞台に再登場。イノタクと星街の原点とも言える「3時12分」、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のパフォーマンスでも話題を呼んだ「Stellar Stellar」を届け、オーディエンスを熱狂に導く。ミドグラはここまでほとんどMCを挟むことなく、ストイックに楽曲を披露してきたが、ようやく緊張がほどけたのかイノタクが「本日はマジでお越しいただきありがとうございました。すいせいさんは歌い疲れてちっちゃい声で『ありがとうございます』と言ってます」と興奮気味にコメント。すると星街も「ありがとうございます……」とささやき、笑顔を浮かべた。その後も、イノタクは「自分のやりたいことだけをやらせてもらってるプロジェクトで、こんなに集まってくれて感謝でしかないです。最高のバンドと最高のボーカリストと、いろんな大人に動いていただきました」と感謝の言葉を述べた。そして温かなギターのアルペジオが牽引する「Highway」でライブは感動的なムードの中、フィナーレへ。すべての曲目が終わったあとも、オーディエンスの歓声はしばらく鳴り止まなかった。
SPWNではライブのアーカイブ映像を配信中。視聴チケットは3月13日まで購入することができる。
セットリスト
「Midnight Grand Orchestra 1st LIVE『Midnight Mission』」2024年2月20日 豊洲PIT
01. Never Ending Midnights
02. SOS
03. Midnight Mission
04. Igniter
05. Rat A Tat
06. 夜を待つよ
07. Blackhole Dancehall
08. Tuning(Interlude)
09. 流星群
10. Starpeggio
11. ソリロキー
12. Light The Light
13. Moonlightspeed
14. Allegro
<アンコール>
15. 3時12分
16. Stellar Stellar
17. Highway
Midnight Grand OrchestraのTV・ラジオ出演情報
リンク
(gfR)雪夜 兎美 @jpjgjpjpjapjam2
星街すいせい情報https://t.co/cKlMMhuvOh